台風9号(バービー)が台湾に接近している。11日に台湾北東部の海上を通過する見通しで、10日夜から11日朝にかけて台湾への影響が最も強まるとみられている。気象衛星の雲画像では、台風9号は発達した構造を維持し、台風の目もはっきりと確認できる状態が続いており、台湾では警戒が強まっている。
一方、台湾東部では台風接近前ならではの視界の良さが話題となっている。台東では以前から「蘭嶼(らんしょ)が見えたら台風が来る」と言われており、台風周辺の沈降気流によって大気が澄み、遠くの島々まで見通せる状態になっているという。
台風周辺の沈降気流で視界良好 日本やフィリピンの島々も肉眼で
台湾のSNSでは、台東から海を望み、離島の緑島や蘭嶼をはっきりと捉えた写真が相次いで投稿されている。蘭嶼のユーザーが台湾本島をくっきりと撮影した写真のほか、台湾から日本最西端の与那国島が見えたとする投稿もあった。また、与那国島から台湾方面を撮影した写真では、台湾中央山脈の壮大な稜線がはっきりと確認できる。
蘭嶼からは、フィリピン最北端の島々が肉眼で見えたとする投稿もあった。気象関連情報を発信するフェイスブックページ「蘭嶼気象站」も6日、海上の視界が非常に良好だと投稿し、蘭嶼からフィリピンの島々が確認できる様子を伝えた。
「蘭嶼が見えたら台風」 台東の経験則に科学的根拠
こうした光景はネット上で驚きをもって受け止められ、台東の人々の間で語られてきた「蘭嶼が見えたら台風が来る」という経験則を裏付ける形となった。
専門家や台湾環境部の資料によると、台風の雲雨域の外側では平均的に空気が下降する領域となりやすく、雲の発生が抑えられる。大気が晴れて見通しが良くなるため、通常よりも遠くの島や山並みが見えやすくなるという。
台風9号、10日夜から台湾に最接近へ 北部や宜蘭で大雨警戒
台湾の中央気象署は9日、台風9号(バービー)について、7級風の平均暴風半径が380キロに達していると発表した。進路や速度に大きな変化がなければ、9日午後2時30分にも海上台風警報を発表し、10日未明には陸上台風警報を発表する見通しだ。
ただ、台風が台湾に接近する過程で勢力がやや弱まり、暴風域が縮小する可能性もあるとしており、陸上警報の対象範囲については今後の進路や勢力を見極める必要がある。
中央気象署の林伯東予報官によると、台風9号は今後、時速15〜20キロで西北西から北西方向へ進み、台湾北部の近海を通過する見込みだ。台湾の基準で「強烈台風」の下限、または「中度台風」の上限にあたる勢力で台湾に影響を及ぼす可能性がある。

中央気象署によると、台風9号の中心気圧は915ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は毎秒53メートル。7級風の平均暴風半径は380キロ、10級風の平均暴風半径は180キロに達している。
10日夜から11日にかけては、台風の影響が台湾で最も強まる見通しだ。まず北部や宜蘭の山地では10日から大雨や豪雨となる恐れがある。10日夜から11日日中にかけては各地で大雨となりやすく、北部、中部山地、東部山地では局地的に豪雨レベル以上の雨となる可能性がある。
沿岸部で強い突風 桃園以北や蘭嶼・緑島は12級以上の恐れ
風にも警戒が必要だ。林予報官によると、10日の日中は沿岸部で8〜10級の突風が吹きやすく、10日夜から11日日中にかけては沿岸部で10〜11級の強い突風となる可能性がある。
桃園以北、宜蘭、馬祖、蘭嶼、緑島では12級以上の強い突風が吹く恐れがあり、風は11日夜になってから徐々に弱まる見込みだ。
台湾当局は住民に対し、早めに台風対策を行うとともに、台風接近中は山間部や海岸に近づかないよう呼びかけている。
台湾ニュースをもっと深く⇒風傳媒日本語版 X:@stormmedia_jp
編集:梅木奈実 (関連記事: 台風9号(バービー)、週末に台湾へ最接近 北部で暴風警戒、交通影響にも注意 | 関連記事をもっと読む )

















































