第2次トランプ政権、対中戦略を「損害抑制」へ転換、中国への刺激回避へ

2026年1月13日、メリーランド州のアンドルーズ空軍基地に到着し、大統領専用機「エアフォース・ワン」のタラップを降りる米大統領・トランプ氏。(写真/AP通信提供)
2026年1月13日、メリーランド州のアンドルーズ空軍基地に到着し、大統領専用機「エアフォース・ワン」のタラップを降りる米大統領・トランプ氏。(写真/AP通信提供)

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は9日、独自報道を通じ、中国が昨年「レアアース輸出規制」という強力な対抗措置に踏み切って以降、トランプ米政権が第1期における対中強硬路線を段階的に放棄していると報じた。関税合戦の一時停止や半導体輸出規制の緩和、中国企業に対する制裁の取り下げ、さらには台湾への武器売却の先送りに至るまで、その動きは多岐にわたる。国家戦略においても中国を最大の敵対国と位置づけることをやめており、第2期トランプ政権は北京に対し、明らかに友好的かつ融和的な姿勢に転じている。

WSJによると、米国防総省は昨秋、ドナルド・トランプ米大統領に「国家防衛戦略(NDS)」の草案を報告した際、過去10年間の慣例に従い、中国を「米国の安全保障上の最大の脅威」と位置づけた。これはワシントンにおける超党派の共通認識であり、第1期トランプ政権で確立された基本方針でもあった。しかし、トランプ氏はこうした見解に同意せず、草案の修正を命じたという。

今年1月に米政府が正式発表した改訂版のNDSでは、北京に対してより融和的な論調が採用され、「トランプ大統領は中国と安定した平和、公平な貿易、相互尊重の関係を築くことを模索している」と明記された。歴代の米政権が独自の国防戦略を策定することは当然であるが、WSJは第2期トランプ政権の異例さを指摘している。中国を「米国の価値観と利益に反する存在」とみなした第1期のシナリオを捨て去り、対中政策の中心理念を「波風を立てない(Don’t rock the boat)」に転換させ、極端なまでに妥協的で穏健な態度を示しているのだ。

レアアース規制がもたらした「釜山フリーズ」

今年2月に行われた一般教書演説で、トランプ氏は米国の最も重要な経済・軍事における競争相手について一切言及しなかった。こうした方針転換は、第1列島線の最前線に位置する台湾に、かつてない戦略的な不確実性をもたらしている。政策の変化に詳しい現旧の米政府高官の話としてWSJが報じたところによると、トランプ氏による対中政策の転換は昨年10月に鮮明になった。当時、同氏は韓国・釜山で中国の習近平国家主席と会談し、米中間の休戦合意を取り付けた。これはホワイトハウスの国家安全保障担当者の間で「釜山フリーズ(Busan Freeze)」と呼ばれている。 (関連記事: 【米イラン戦争の教訓】ミアシャイマー氏「アメリカと距離を置け」 トランプ氏の誤算に警鐘 関連記事をもっと読む

具体的には、米政府は対中関税合戦を一時停止したほか、米国の安全保障上の脅威となる中国企業への制裁を見送った。さらに、中国政府と関連があるとされるサイバー攻撃への調査を縮小させ、厳格な審査をほぼ行わずに中国による対米投資に青信号を出している。政府高官に対しても、中国に関する公の場での発言をトーンダウンさせるよう指示が下された。ハワード・ラトニック米商務長官に至っては、商務省が管轄するすべての対中政策について、自身による署名承認を必須とする特例の指示を出している。

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