米軍KC-135空中給油機がイラクで墜落 「壮絶な怒り」作戦で4機目の損失、乗員5人は安否懸念

KC-135R「ストラトタンカー(Stratotanker)」空中給油機と、給油を受けるF-15C「イーグル(Eagle)」戦闘機。(Wikipediaより)
KC-135R「ストラトタンカー(Stratotanker)」空中給油機と、給油を受けるF-15C「イーグル(Eagle)」戦闘機。(Wikipediaより)

トランプ米政権がイランに対して発動した「エピック・フューリー(壮絶な怒り)作戦」の開始から2週間近くが経過する中、イラク西部で12日、米軍のKC-135空中給油機1機が墜落した。同作戦における米軍機の損失はこれで4機目となり、味方からの「誤射」以外での墜落は今回が初となる。

米中央軍(CENTCOM)が発表した公式声明によると、墜落はイラク西部の「友軍空域」で発生したが、敵対勢力や友軍の対空砲火による撃墜ではないという。声明は、2機が同事案に巻き込まれ、1機が墜落、もう1機は無事に着陸した事実を認めている。米中央軍はKC-135の墜落が「敵の攻撃や友軍の誤射によるものではない」と強調した上で、「現在、捜索救難活動が進行中である」とし、詳細の究明に向けて冷静な対応を求めた。

除氷作業を行う米軍のKC-135空中給油機。(米空軍公式ウェブサイトより)
除氷作業を行う米軍のKC-135空中給油機。(米空軍公式ウェブサイトより)

米紙『ワシントン・ポスト』は3名の米政府匿名当局者の話として、無事に着陸した2機目も同様にKC-135空中給油機であったと報じた。米CNNは米政府当局者の情報として、墜落したKC-135には少なくとも5名の乗員が搭乗していたと伝えている。一方、米CBSニュースはイラクの消息筋を引用し、墜落現場がイラクとヨルダンの国境に近いトレイビル(Turaibil)付近であると指摘した。

米CBSニュースによると、墜落した軍用機に対する米軍の捜索救難活動は一般的に「TRAP(航空機・乗員戦術回収)」と呼ばれる。この任務は、敵対勢力が到達する前に負傷あるいは殉職した可能性のある乗員を迅速に発見し、同時に機密機器の回収・破壊を行う必要がある。航空機の飛行状況を追跡するウェブサイト「フライトレーダー24(FlightRadar24)」のデータによれば、事案に巻き込まれたもう1機のKC-135は、12日夜にイスラエルのテルアビブ(Tel Aviv)へ無事に着陸したという。

グアムでの演習に向かう途中、KC-135から空中給油を受ける米海兵隊のF-35B戦闘機。(写真/米空軍)
グアムでの演習に向かう途中、KC-135から空中給油を受ける米海兵隊のF-35B戦闘機。(写真/米空軍)

空中給油は現代の航空戦において最も複雑かつ危険な任務の一つである。『ワシントン・ポスト』は、戦闘機の燃料搭載量には限界があるため、攻撃任務を遂行する際、空中給油機が空中で待機して支援を行う必要があると指摘している。給油機のパイロットはこの巨大な機体を安定して飛行させ、後部キャビンのオペレーターはジョイスティックで給油ブームを操作し、接近する受油機に慎重に結合させる。少しのミスが致命的な大惨事につながりかねない。

米軍事専門サイト『ブレイキング・ディフェンス』は、KC-135がアイゼンハワー政権時代から運用されている旧型機体である点に言及した。現在も米軍の空中給油の主力として2050年までの運用が予定されているものの、射出座席が装備されておらず、緊急時における乗員の生還率を大幅に低下させている。同メディアによると、KC-135の墜落は、離陸直後に3名の乗員が死亡した2013年の事故以来となる。 (関連記事: 米301条調査は台湾半導体狙いか、有識者が解く新関税戦略と米中首脳会談 関連記事をもっと読む

「エピック・フューリー」作戦の甚大な消耗

2月28日にイランへの戦争を開始して以来、米軍の攻勢はまさに圧倒的な規模となっている。『ワシントン・ポスト』によると、過去2週間足らずで5万人以上の米軍部隊が対イラン作戦を支援するために展開され、米軍は空軍機隊のほぼすべての戦闘機タイプを投入した。イランの弾道ミサイル基地、防空システム、武器製造施設に対して、これまでに6000回以上の空爆が実施されている。イランの弾道ミサイルの射程を避けるため、国防総省は開戦の数日前から多数の軍用機を欧州各地の基地へ移動させ、ギリシャのクレタ島(Crete)には複数の空中給油機が配備された。

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