【独占】人手不足時代の建設DXの本質とは?家入龍太氏「無駄な移動を減らすことから始まった」

家入龍太氏、2024年問題を経てBIM活用やプレハブ化による生産性向上を説き、日台連携を通じた建設業の輸出産業化への期待を表明。(写真/黃信維提供)
家入龍太氏、2024年問題を経てBIM活用やプレハブ化による生産性向上を説き、日台連携を通じた建設業の輸出産業化への期待を表明。(写真/黃信維提供)

台湾メディア「風傳媒」のインタビューに応じた建設ITジャーナリストの家入龍太氏は、日本の建設業界が直面する人手不足と「2024年問題」を背景に、建設DXの本質は単なる新技術の導入ではなく、現場に蓄積してきた無駄をどう減らし、生産性をどう高めるかにあるとの認識を示した。家入氏は、時間外労働の上限規制が始まったことで、従来のように残業で工期遅れを吸収する発想が通用しにくくなり、業界全体で時間短縮への意識が一段と強まったと説明した。

家入龍太氏、2024年問題を経てBIM活用やプレハブ化による生産性向上を説き、日台連携を通じた建設業の輸出産業化への期待を表明。黃信維
家入龍太氏、2024年問題を経てBIM活用やプレハブ化による生産性向上を説き、日台連携を通じた建設業の輸出産業化への期待を表明。(写真/黃信維提供)

家入氏は、建設DXの出発点としてまず「移動の無駄」を挙げた。建設現場では、関係者が現場と事務所を往復したり、複数の現場を担当する監督が移動に多くの時間を費やしたりする場面が少なくないが、その時間は直接的に生産性を生まない。こうした構造的な非効率に対し、各社はクラウドを活用した情報共有やペーパーレス化を進め、情報を取りに行くための移動や、紙の資料配布を前提とした会議の頻度を減らすことで、まずは「無駄を省く」ことからDXに着手してきたと振り返った。

AIの活用についても家入氏は、建設業界における新技術の価値を「話題性」ではなく実務上の時間短縮という観点から位置づけた。これまで人が考え、調べ、判断するために費やしていた時間の一部を機械やコンピューターが担うことで、現場や設計・管理部門の業務負担を軽減できるとし、AIは建設現場における効率化の一手段として実装が進んでいくとの見方を示した。

大規模開発で重要性が高まるBIMCIMについては、日本では海外と比べて普及が遅れた側面がある一方、近年はその必要性が急速に増していると指摘した。背景には、熟練技能者の減少に加え、外国人労働者の増加などによって、従来のように図面だけを前提に現場が成立する環境ではなくなってきたことがある。家入氏は、3Dモデルを用いて建物の完成イメージを共有することで、専門家だけでなく発注者や関係者を含む多様な立場の人が誤解なく内容を理解しやすくなり、設計段階での手戻りの削減につながると説明した。

施工段階におけるBIMCIMの効果についても、家入氏は具体的に言及した。鉄骨、配管、空調設備などが現場で干渉して施工し直しが発生するケースは少なくないが、3Dモデル上で事前に干渉を検出し、データの段階で修正しておくことで、現場で一度つくったものを壊してやり直すといったロスを減らせるという。その結果、コスト抑制に加え、工期短縮の面でも大きな効果が出ると強調した。 (関連記事: 【独占】人口減少時代の都市をどう再設計するか 早稲田大・森本章倫教授が語る「2050年の街づくり」 関連記事をもっと読む

家入龍太氏、2024年問題を経てBIM活用やプレハブ化による生産性向上を説き、日台連携を通じた建設業の輸出産業化への期待を表明。黃信維
家入龍太氏、2024年問題を経てBIM活用やプレハブ化による生産性向上を説き、日台連携を通じた建設業の輸出産業化への期待を表明。(写真/黃信維提供)

また家入氏は、BIMモデルの価値は単なる「形の可視化」にとどまらないと述べた。建物の強度、コスト、環境性能、CO2排出量などの情報を統合し、QCDSE(品質・コスト・工期・安全・環境)を一体的に管理できる点に大きな意味があるとし、データの整合性を高めてミスを減らせるだけでなく、環境性能が建物の価値として重視される時代において、意思決定のスピードを上げるうえでも有効だと語った。

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