ショートショートフィルムフェスティバル2026の実行委員会は、今年の映画祭における台湾関連のゲスト登壇情報およびノミネート作品の詳細を発表した。ゲストとして、台北を拠点に活動する台湾出身の映画監督・ビジュアルアーティストがQ&Aに登壇する。また、日本作品「shady」のキャストである塗茂るな氏もQ&Aに登壇予定である。塗茂氏は2020年に単身で台湾へ渡り、現地で中国語を勉強しながら俳優デビューを果たした。約4年間の台湾生活を経て2024年に日本へ本帰国し活動拠点を戻しているが、ドラマ「台北女子図鑑」にも出演した経歴を持つ。
台湾から4作品がノミネート、アニメーションから実験映画まで多彩に
ノミネートされた台湾の短編映画は4作品あり、いずれもオンライン配信が行われる予定だが、監督の来日は予定されていない。1作目はエンジェル・ウー監督のアニメーション作品「力×変位(Force Times Displacement)」(11分51秒、2025年)である。出演者はFen Cheng、Yin Han Liu、Hua En Wu、Wei Chueh Wu。本作は尽きることのない野心に突き動かされる工場で、謎めいた木製の偶像があらゆる成功の願いを叶え、若い労働者がそれに身を捧げるが、やがて隠された部屋が別の世界を明らかにし変化への欲望を呼び起こすという、働くことの意味を問う物語である。ロカルノ国際映画祭2025にてMedien Patent Verwaltung AG Awardを受賞した。台北生まれのエンジェル・ウー監督は、2020年に国立台北芸術大学を卒業し、鉛筆やインクなどを使い自身の問いを形にしており、前作「drawn undrew draw」は2021年のザグレブおよびアヌシー国際アニメーション映画祭でノミネートされた実績を持つ。
2作目はチエン・ユー・リン監督のエクスペリメンタル作品「満たされない私たち(What it Says About Us)」(13分36秒、2025年)である。物質主義が広がる現代社会の欲望やニーズをモノの視点から不思議な世界として描き、高雄映画祭2025にノミネートされた。台北を拠点とするチエン・ユー・リン監督はロンドン・フィルム・スクール卒業の監督・脚本家で、デビュー短編「The Sound of Falling」が2019年クレルモン=フェラン国際短編映画祭Prix Festivals Connexionなどをはじめ国際的な賞を受賞しKFFスペシャルメンションを獲得、2作目「鍵師」も2024年サンダンス映画祭アジアで審査員賞を受賞している。
国際映画祭で評価された台湾作品、若手作家の表現にも注目
3作目はシャオシャン・ホアン監督のアニメーション作品「風に揺られて(Rocked by the Wind)」(13分36秒、2025年)である。出演者はJason Li、Shao-Hua Chang Jia-Yin Tsai、Chia-Chuan Lin。卒業を控えた高校生が家族の期待から逃れて街へ向かう途中、台風に巻き込まれ試練に直面する物語である。本作はゴールデンハーベスト賞2025(Golden Harvest賞)、台北映画祭2025アニメーション部門最優秀賞、高雄映画祭2025アジア・ニューウェーブ賞、台中国際アニメーション映画祭2025グランプリを受賞し、Anifilm 2026、Golden Horse Festival 2025、Women Make Waves International Film Festival 2025、New Orleans Film Festival 2025(アメリカ)にも参加・出品されている。シャオシャン・ホアン監督は脚本家・アニメーターとしても活動し、前作「Grand Adventure Railroad」で2020年台北映画賞および2021年ゴールデンハーベスト賞の最優秀アニメーション賞を受賞している。
4作目はポーリー・ホアン・チーチア監督のドラマ作品「時空のどこかで(Somewhere in Time, River and Stone)」(24分13秒、2025年)である。出演者はAngel Lee、Diane Lin。ストーンとリバーが寿山で洞窟探検を楽しむ中、自然の中で美しい瞬間を共有しつつも置き去りにされる不安を抱えるという、純粋な喜びに満ちた転生の物語をシンプルな表現で描いた作品で、台北金馬映画祭2026にノミネートされている。ポーリー・ホアン・チーチア監督は監督・脚本・編集者であり、2012年にホウ・シャオシェン監督作「黒衣の刺客」でスクリプター兼編集を担当し、2018年の長編デビュー作「じゃあまたね」は釜山国際映画祭でプレミア上映された経歴を持つ。
なお、ショートショート実行委員会の田中冬弓氏によると、対象となるノミネート作品はオンライン視聴が可能であり、メディア向けの視聴リンクの提供や取材の申し込みも随時受け付けているという。
編集:小田菜々香


















































