【多国籍人材獲得戦4】20歳高専生が即戦力になる理由 日台の職業教育を比較

台湾大学の合同企業説明会、TSMCのブース。(顔麟宇撮影)
台湾大学の合同企業説明会、TSMCのブース。(顔麟宇撮影)

TSMCの熊本進出に伴い、日本の高専生が人材獲得競争の最前線へと押し出されている。

本連載の過去3回では、日本の高専生の求人倍率が20倍を突破したこと、台湾の産官学界が海を越えて九州へ学生募集に動いていること、そして日本政府も全国の高専を半導体人材の育成拠点へと改造し始めているという3つの現象を見てきた。

第4の注目すべき問いは、「なぜ高専生は20歳そこそこで、企業から優秀なエンジニア人材として見なされるのか」という点である。

その核心は、日本の高専制度が「技術訓練」「進学への接続」「企業における職級」「給与による評価」という一連のプロセスを、途切れることのない一つの道として整備していることにある。学生は15歳からエンジニアリングの感覚(手探りの実務感覚)を養い、20歳前後で卒業する頃にはすでに企業の現場に立つことができる。さらに、「専攻科」に進めば学士号や大学院への道も開かれている。

この制度は、職業教育における出口を明確にしている。企業にとって高専生は長期的に育成可能なエンジニア人材であり、学生にとっても、自らのキャリアパスが目に見える形で伸びているのである。

15歳から始まる、5年連続の実践的技術訓練

日本の「高専」は、正式名称を高等専門学校という。通常、中学校卒業後の15歳で入学し、本科で5年間学び、20歳前後で卒業する。

この5年間は、実践型エンジニアの育成を目標としている。学生は低学年のうちから実験、実習、設計、ものづくり、そして課題研究に触れ、理論と実践の間で反復訓練を重ねる。

高専制度における最大の特徴は、技術訓練の「連続性」である。

台湾の職業教育(技職教育)の学生も実技カリキュラムを履修するが、技術型高校(高職)の3年間を終えた後、多くは統一入学テストや進学に向けたコース分けに直面する。より良い科技大学(技術系大学)に進学するため、学生は受験勉強に時間を割かざるを得ない。科技大学への進学後も実技や産学連携はあるものの、技術の養成プロセスは「進学」という節目によって分断されてしまう。

一方、日本の高専生は本科の5年間、一本の技術訓練ラインを維持し続ける。実験、実習、企業連携、課題開発が連続して組み込まれている。20歳で卒業する頃には、長期間にわたり設備、材料、プロセス、そして現場の課題に触れ続けたことによる「エンジニアリングの感覚」が蓄積されている。半導体、機械、電機、化学などの産業にとって、こうした感覚は短期的な訓練では決して補えない能力である。

「言われた通りに作る」から「課題を解決する」への教育転換

従来、高専生に対する企業のイメージは、製造業の現場における「実践型人材」であった。すなわち、機械や回路に精通し、設備を操作でき、工場に配属されれば即戦力になるという評価である。 (関連記事: 【多国籍人材獲得戦3】TSMCが日本人材を本格確保 初任給4割高で高専改革にも波及 関連記事をもっと読む

しかし近年、高専の教育にはAI、データサイエンス、半導体といった新領域が組み込まれ始めている。

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