次なるパンデミックへの備え 前欧州委員長が台湾に語る5つの対策

2026-06-02 11:05
2026年5月6日、《風傳媒》の単独インタビューに応じる前欧州委員会委員長および元ポルトガル首相のジョゼ・マヌエル・バローゾ氏。(写真/劉偉宏提供)
2026年5月6日、《風傳媒》の単独インタビューに応じる前欧州委員会委員長および元ポルトガル首相のジョゼ・マヌエル・バローゾ氏。(写真/劉偉宏提供)

新型コロナウイルスの感染対策や国境封鎖が台湾で解除されてから3年余りが経過した現在、台湾は新たな越境感染症の脅威に直面している。ネズミを媒介とするハンタウイルスの国内感染例が今年2月から少数ながら確認されているほか、平均致死率が50%に達するエボラウイルス(Ebola)がアフリカで蔓延しており、市民の間に緊張が走っている。

元欧州委員会(EU)委員長のジョゼ・マヌエル・バローゾ(José Manuel Barroso)氏は、2021年から2025年までGaviワクチンアライアンス(GAVI)の理事長を務め、コロナ禍の全容を経験した人物である。

バローゾ氏がGAVIを率いてコロナ禍に対応した経験から、台湾が次なる感染症のパンデミックに向けてどのような準備をすべきかを探る。

コンゴでエボラ出血熱が発生、WHOは5月に国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態を宣言

2026年上半期の国際社会における重大事態として、トランプ米大統領が主導したベネズエラへの「電撃戦」や、米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦に加え、数年間沈静化していたエボラウイルスの再興が挙げられる。事態を重く見た世界保健機関(WHO)は5月中旬、中部アフリカのコンゴ民主共和国で発生したエボラ出血熱の流行に対し、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言した。これはWHO基準で最高レベルの警戒である。

WHOの統計によると、5月15日にエボラ出血熱の国境を越えるパンデミックが宣言されてからわずか5日後の19日までに、コンゴ民主共和国ではすでに500件以上の感染例と130人の死亡が確認された。さらに、隣国ウガンダでも2件の感染と1人の死亡が報告されている。

過去最悪のエボラ出血熱の流行として記録されているのは、2013年12月から2016年3月にかけて西アフリカで発生した事態である。当時、10カ国で2万8000人以上が感染し、1万1000人以上が死亡したが、そのうち99%はギニア、シエラレオネ、リベリアに集中していた。

台湾衛生福利部疾病管制署(CDC)の発表によると、エボラ出血熱の感染拡大を受け、今週火曜日(6月2日)午前0時より、4つの特定対象者を除き、コンゴ民主共和国およびウガンダの居住者に対する台湾への入国を今後90日間にわたり一時停止し、海外からの流入リスクの低減を図るとしている。

米国疾病予防管理センター(CDC)が5月31日に発表したアフリカにおけるエボラ出血熱の流行図。主にコンゴ民主共和国東部で感染が発生していることを示している。(米国CDC公式サイトより)
米国疾病予防管理センター(CDC)が5月31日に発表したアフリカにおけるエボラ出血熱の流行図。主にコンゴ民主共和国東部で感染が発生していることを示している。(写真/米国CDC公式サイト提供)

台湾、コロナ発生翌年にCOVAXを通じワクチンを獲得

現在70歳のバローゾ氏は、GAVI理事長在任中に世界中で猛威を振るった新型コロナウイルスに直面した。そのため、各国の防疫対策の調整や、あらゆる勢力を動員したパンデミック対策において豊富な経験を有している。 (関連記事: 森ビル、夏休み子ども向けワークショップ開催 AI・金融教育・職業体験など100種類 関連記事をもっと読む

衛生福利部の公式サイトによると、新型コロナウイルスが2019年12月から2020年1月にかけて感染爆発を起こした後、台湾は2020年9月にGAVIと協定を締結し、COVAXファシリティを通じて476万回分のコロナワクチンを調達することを約束した。そのうち、第1陣となるアストラゼネカ(AZ)製ワクチン102万回分が2021年に台湾に到着し、2022年にはノババックス(Novavax)製ワクチン226万8000回分の供給を受けた。

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