日本の防衛政策や安全保障環境の激変について議論するため、日本外国特派員協会において「不確実な世界における日本の安全保障」と題する記者会見が開催された。
新たに設立された先端イノベーション・地政戦略研究所の神保謙氏と古谷知之氏が登壇し、地政学的な競争の激化や防衛領域における人工知能の活用に関する課題と提言を行った。
激化する地政学競争 日本に求められる防衛能力の強化
神保氏は、現在の日本の安全保障環境が直面する変化として、中国による海洋進出などの地政学的競争、ドローンやミサイル、サイバー空間における脅威の速度と規模の拡大を指摘した。
これに対応するため、同氏は軍事技術のプロトタイプから実際の調達に至る間の「死の谷」と呼ばれる課題を乗り越え、システム設計、試験、訓練、維持管理を含めた総合的な運用能力を迅速に構築することの重要性を強調した。
また、日米同盟の統合や共通データの活用を通じて、日本が国際的な防衛体制に積極的に貢献すべきであると述べた。
古谷氏は防衛AIと指揮統制システムの観点から、AI覇権は単なるアルゴリズムの競争ではなく、計算資源や電力を伴う総合的なサプライチェーンの競争であると説明した。
日本の防衛システムにおいては、主権を維持しつつ外国の先進AI技術を試験・統合するための四層の機能分割アーキテクチャが必要であると提言した。さらに、従来の国籍に基づく脆弱な規制から、証拠に基づく厳密な検証パラダイムへの移行が急務であると指摘している。
台湾有事や無人機脅威に対応 AI時代の新たな安全保障を議論
質疑応答において台湾有事への対応が問われると、古谷氏は台湾企業が赤いサプライチェーンを排除した革新的なエコシステムを日米との間に構築し始めている点に言及し、日本の防衛産業との連携における重要性を説いた。
また、米国政権の移行に伴う日米同盟の負担に関する懸念に対して神保氏は、日本には欧州のような代替案が存在しないと明言した上で、日本の製造業や技術力を米国の優先事項と結びつけ、不可欠な同盟国としての価値を証明し続ける必要があると主張した。
イランのドローン攻撃を教訓とした新たな脅威への対応については、中国や北朝鮮、ロシアによる無人機の運用拡大を防ぐ対策が議論された。
また、日本における核抑止をめぐる議論が未熟である現状に触れつつ、AI分野においては信頼性や責任を示す評価指標を設け、「AI抑止」に関する国際的な議論の枠組みを構築していく必要性が示された。
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編集:小田菜々香













































