ペルシャ湾をめぐる米国とイランの軍事的緊張が、約1カ月ぶりに再び高まった。トランプ米大統領は、イラン最大の石油輸出拠点であるカーグ島を攻撃したと主張。米軍はホルムズ海峡のララク島にあるミサイル発射陣地も破壊した。これに対し、イランは複数の弾道ミサイルとドローンを発射し、ヨルダン国内の米軍空軍基地を攻撃した。
一方、ロイター通信は、トランプ氏がSNSに投稿した爆発映像について、AIで生成された可能性が極めて高いと報じており、米政府や現地からはカーグ島への攻撃を裏付ける具体的な情報は出ていない。
『AP通信』によると、米国とイランが軍事攻撃を応酬するのは、7月29日に米軍が大規模な空爆を実施して以来となる。米中央軍(CENTCOM)は声明で、イラン革命防衛隊(IRGC)がホルムズ海峡の国際航路に機雷を敷設する準備を進めているのを確認したため、差し迫った脅威を排除する目的で「限定的かつ精密な措置」を取ったと説明した。
米軍は、商船の安全な航行と世界貿易を守るための行動だったとしている。同海峡では先週、国際航路の機雷除去作業を終えたばかりだったという。
革命防衛隊、ヨルダンの米軍基地を報復攻撃
米軍の攻撃を受け、イラン革命防衛隊は国営テレビを通じ、攻撃により複数の戦闘員と民間人が死傷したと明らかにした。
革命防衛隊の航空宇宙部隊はその後、弾道ミサイルとドローンを使い、ヨルダン国内にある2カ所の米軍空軍基地を報復攻撃した。標的には、米軍機の配置地点や整備施設が含まれていたという。ヨルダン軍は、防空部隊が領空に飛来したミサイル8発を迎撃したと発表した。
事情に詳しい関係者は英紙『フィナンシャル・タイムズ』に対し、飛来したミサイルは米軍部隊によって迎撃されたと説明。米『FOXニュース』も米側の情報として、基地に重大な被害は確認されていないと報じた。
革命防衛隊のホセイン・モヘビ准将は、米軍の攻撃について、トランプ政権が経済戦争のさなかに犯した「戦略的かつ致命的な過ち」だと非難した。
さらに、「戦局は逆転し、意思決定者にとって不利な方向へ進む」と警告。イランはいかなる軍事行動に対しても厳しく反撃するとし、米国が武力によってイランによるホルムズ海峡の実質的な支配を弱めることはできないと主張した。
トランプ氏「カーグ島を攻撃」と主張 投稿動画はAI生成の可能性
米・イラン双方の攻撃が続くなか、トランプ氏は30日、SNSに「カーグ島は粉々に爆撃されている!」と投稿した。
カーグ島は、今回攻撃を受けたララク島から西へ約660キロ離れた場所に位置する。今年2月に戦闘が始まる前には、イランの原油輸出の最大90%を担っていた重要拠点だ。
しかし、ロイター通信がAIによる画像操作を検出するソフトを使って映像を検証したところ、トランプ氏が投稿した爆発映像は、AIなどによって合成された可能性が極めて高いと判断された。 (関連記事: 米・イラン攻撃激化、ブレント原油が一時90ドル突破 パーム油も約1カ月ぶり高値 | 関連記事をもっと読む )
米国防総省とホワイトハウスは、この件についてコメントしていない。イラン国営メディアや現地からも、カーグ島が実際に攻撃されたことを示す情報は出ていない。


















































