日本の放送文化の質的な向上を目指し、テレビやラジオの番組および関係者を顕彰するNPO法人放送批評懇談会は、2026年8月度のギャラクシー賞テレビ部門における「月間賞」の選定結果を発表した。
今年で64年の歴史を誇る同賞のテレビ部門では、日常の視聴活動に基づき毎月自主的に推奨番組を選出している。今回選ばれた月間賞は、各社からの応募作品とともに年間を通じて審査が行われ、2027年6月上旬に開催予定の贈賞式において大賞をはじめとする各賞が決定、表彰される運びとなっている。
NHKスペシャルやTBS報道特集など4作品が選出
8月度の月間賞として選出されたのは、NHKの特集ドラマ「笹まくら」、NHKスペシャル「知られざる核危機 ハルペリン文書の警告」、TBSテレビの報道特集「戦後81年 きょう終戦の日 子や孫に連鎖する『戦争トラウマ』」、NHKスペシャル「地球超解析 宇宙から解く!熱波と豪雨の謎」の計4作品である。
8月8日にNHKで放送された特集ドラマ「笹まくら」(日本放送協会、テレビマンユニオン)は、徴兵忌避を選んで逃亡し、戦後もその事実と後ろめたさを抱え続けて心休まることのない主人公を、森山未來がヒリヒリするような演技で体現した。
劇中にいわゆる戦場シーンは登場しないものの、戦争が人間にもたらす心の傷の深さや、辛苦を味わった人間による同調圧力など、現代にもつながる恐ろしさが迫ってくるドラマとして高く評価された。
核危機と戦争トラウマを描いた報道作品
8月9日に放送されたNHKスペシャル「知られざる核危機 ハルペリン文書の警告」(日本放送協会)は、元米政府高官のハルペリン氏が1966年にまとめた極秘文書を取り上げた。
アメリカが中国に対して核兵器の使用を現実的に検討し、日本も巻き込まれる可能性があったという恐るべき実態を明らかにした緊迫感あふれるドキュメンタリーであり、山田遼志氏による卓越したアニメーションが若者にも見やすい質の高い作品に昇華させたと評された。
8月15日に放送されたTBSテレビの報道特集「戦後81年 きょう終戦の日 子や孫に連鎖する『戦争トラウマ』」は、旧日本軍が兵士の精神疾患を恥とみなして実態を隠蔽し、心を壊された兵士を隔離して存在そのものを否定した歴史に迫った。
その苦しみが戦後も暴力や自死となって子や孫へと連鎖し、3世代にわたるトラウマが今なお続いている実態を捉え、恥とされた時代から因果関係が問われる時代への転換を通時的に描いた力作と位置づけられた。
気候危機を映像で伝えたNHKスペシャル
8月23日に放送されたNHKスペシャル「地球超解析 宇宙から解く!熱波と豪雨の謎」(日本放送協会)は、気候変動の現状や環境問題の原因を映像の力でわかりやすく解説した。
迫り来る気候危機をいかに伝え、共通認識を形成するかという観点において、放送番組が果たす役割の大きさを再認識させた作品であり、より広く周知して幅広い年代に届けられるべき重要性が指摘された。
なお、今回の選考に関する詳報は、放送批評懇談会が編集・発行する月刊誌「GALAC」2026年11月号(10月6日発売)に掲載される予定である。
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編集:小田菜々香


















































