台日ハーフの右投手高橋翔聖(徐翔聖)は、2023年ドラフト会議で、育成選手として東京ヤクルトスワローズから1位指名を受けた。これは台湾人として初めて、高校卒業前に日本プロ野球チームから指名された快挙だ。2024年6月の卒業時には、正式に契約に至った。
初めて台湾メディアの単独インタビューに応じ、これからの日本プロ野球でのキャリアに平常心で臨む高橋は、『風傳媒』に対し、最初の目標は「シーズン全体を投げ抜けるだけの体を作ること」が最も重要だと語る。
高橋翔聖の身長は188cm、体重81kg、最速151km/hの投球だ。日本プロ野球での登録名は「翔聖」だ。2024年6月10日に入団記者会見を開いた際、高橋は母親が野球好きで、小さい頃から一緒に中継を見ていて、いつか日本プロ野球の舞台に立てることを願っていたと述べた。野球を始めたきっかけは、2013年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)だ。当時小学5年生だった彼は、日台戦を見て興味深々に。学生時代は台湾で野球を続け、福林少年野球、長安青少年野球、鶯歌工業高校で過ごした。母親が日本人であることから、日本プロ野球ドラフトに参加する資格を有した。
孫易磊とプライベートで交流 「日本語の上達が速くて驚いた」
高校卒業後に日本でのキャリアを決意した理由について、高橋は「高校に進学する際、日本のコロナ状況をより深刻に感じた。台湾は特に問題がなく、そしてやはり住み慣れていたこと、又、学校や王傳家監督からも期待して頂いたこともあり、まずは台湾で高校卒業を決めた」と語った。ヤクルトスワローズに指名されたことは非常に嬉しく、6月に高校卒業後、すぐに日本で練習を開始した。
高橋はまた、現在日本の独立リーグ栃木ゴールデンブレーブスでプレーしている張為瀚が以前の先輩であり、北海道日本ハムファイターズの育成選手である孫易磊とも仲が良く、よく一緒に出かけると話した。孫易磊が日本で1年過ごしただけで急速に上達したことについて、「自分も驚くほどだった」と語った。
フェニックスリーグ参加が決定 二軍戦で登板機会も
10月7日から28日まで開催される、若手選手の育成を目的とした日本プロ野球の秋季教育リーグ「宮崎フェニックスリーグ」に、高橋の参加が決定している。現在の目標について高橋は、今年は体力向上を主な目標としており、技術面では現時点であまり追求すべきところはないと述べ、チームのトレーニング方法にもよく慣れていると話した。家族やコーチたちも自分をとてもサポートしてくれており、高校時代のコーチからもプロの環境では必ず自己管理が必要だと助言されたという。
他の台湾選手とは異なり、高橋は日本語に障壁がなく、質問があればチーム内の選手や先輩、コーチに直接尋ね、多くの知識を得ている。初の実戦登板について高橋は、必ずしもフェニックスリーグでの登板とは限らず、シーズン後半の二軍戦でも登板機会があるかもしれないと語った。初登板に緊張はなく、最初の目標は良い投球をすることではなく、まずプロの試合の雰囲気に慣れることが重要だと考えている。
プロの試合数が激増 「まずはシーズン全体を投げ抜ける体づくりが必要」
強化すべき点について高橋は、現時点ではシーズン全体を投げ続けるだけの体づくりが重要だと述べた。体力面では、高校時代は週に1、2試合しか投げなかったのに対し、プロでは年間30試合と大幅に増えるため、後半になって力尽きてはいけないと述べた。ポジションについては、チームは先発を主に考えているものの、最初は中継ぎから試し、1イニングずつ投げていく予定だ。将来的にはやはり先発を目指し挑戦していく。今後の活躍に期待である。
編集:佐野華美
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