漫画廃棄で親子対立:台湾の裁判所が母親に有罪判決
台湾嘉義県で、息子が所有する日本の人気漫画『進撃の巨人』32冊を母親が廃棄したことをめぐり、親子間の法的争いに発展した事件で、裁判所が母親に対して罰金刑を言い渡した。この判決は、親子関係における個人の財産権の尊重について、重要な問題を提起している。
絶版本含む貴重なコレクションを廃棄:息子の怒りが訴訟に
嘉義地方検察署の起訴状によると、60代の簡姓の母親は今年2月、息子が収集していた『進撃の巨人』漫画32冊を廃棄した。息子はこの事実を知り、一部の巻が既に絶版になっていたこともあり、激怒して母親を告訴した。
示談の試みも不調:裁判所での対決へ
警察の取り調べで、母親は犯行を認め、和解の意思を示した。しかし、検察庁での聴取の際に母親が出頭しなかったことから、息子は告訴を取り下げず、検察は捜査を終結し、器物損壊罪で母親を起訴した。
裁判所「息子の財産権尊重すべき」:親子関係でも個人の権利は重要
嘉義地方裁判所の判事は、「母子関係であっても、母親は息子の所有物に対する権利を尊重すべきであり、勝手に物品を廃棄するのは不適切」と指摘。母親の行為は息子の財産権を尊重していないと判断した。
罰金5000台湾ドルの判決:控訴の可能性も
裁判所は簡易判決で、器物損壊罪により母親に5000台湾ドル(約22,000円)の罰金を科し、労役での代替も可能とした。この判決については控訴の余地がある。
編集:高畷祐子
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