長栄グループ6200億円遺産戦争に急展開:星宇航空会長の次男が兄を「背任」で告訴

2024-09-18 17:25
星宇航空の張国煒会長(写真参照)は9月18日、弁護士を通じて台北地方検察庁に告訴状を提出。兄の張国華氏と長栄グループの古参幹部である柯麗卿氏、戴錦銓氏、劉孟芬氏、呉界源氏ら5名を、張栄発氏の遺言を故意に無視した疑いで告発した。(資料写真、呉逸驊撮影)
星宇航空の張国煒会長(写真参照)は9月18日、弁護士を通じて台北地方検察庁に告訴状を提出。兄の張国華氏と長栄グループの古参幹部である柯麗卿氏、戴錦銓氏、劉孟芬氏、呉界源氏ら5名を、張栄発氏の遺言を故意に無視した疑いで告発した。(資料写真、呉逸驊撮影)
目次


「遺言無視」と「資産の不正処分」で兄と元幹部5人を刑事告訴、海運・航空業界に衝撃

台湾の海運大手、長栄グループの創業者張栄発氏の遺産相続問題が、思わぬ方向へと急展開した。約140億台湾ドル(約6,200億円)の遺産を単独で相続することが認められた次男で星宇航空会長の張国煒氏が、18日、兄の張国華氏と長栄グループの元幹部4名を背任の疑いで告訴。8年に及んだ法廷闘争は新たな局面を迎えた。

「勝訴後の衝撃告発」8年越し遺産争いに急転直下の展開

張栄発氏は2016年に他界。生前に作成した「密封遺言」で、遺産のすべてを次男の張国煒氏に相続させ、同氏を総裁に任命する意向を示していた。これに不満を持った長男の張国政氏が遺言の無効を訴え、8年間に及ぶ法廷闘争となっていた。

最高裁が今年、張国政氏の上告を棄却し、張国煒氏の相続が確定。これにより、長年の争いに終止符が打たれたかに見えた。

「兄による裏切り」星宇航空会長が告発する衝撃の内幕

ところが、星宇航空の会長でもある張国煒氏は予想外の行動に出た。兄の張国華氏と長栄グループの元幹部4名を、台北地方検察庁に告訴したのだ。

張国煒氏の弁護士、林文鵬氏は「4名の遺言執行人と張国華氏は、張栄発氏の遺言が長栄グループの経営権を張国煒氏に委ねるものだと承知していながら、2016年3月24日の遺言執行人会議で張国華氏を長栄グループの主要持株会社であるパナマ長栄国際の常任取締役および常任総裁に選任した」と指摘した。

「6200億円の行方は?」資産の不正処分疑惑が浮上

林弁護士はさらに、「この行為により、張国華氏が違法に長栄グループの資産を処分し、現在まで支配している」と主張。これらの行為が刑法の背任罪に該当するとして、告訴に踏み切ったという。

加えて、4名の遺言執行人が職務を積極的に遂行せず、遺言の執行が進んでいないとして、台北地方裁判所に4名の解任と新たな遺言執行人の指定も申し立てた。編集:高畷祐子 (関連記事: 台北市議員・許家蓓、ガンにより47歳で逝去 勤勉な政治活動家だった 関連記事をもっと読む

台湾ニュースをもっと深く:風傳媒日本語版Xをフォロー👉 @stormmedia_jp

最新ニュース
台中以南がお得に!台湾高鉄、外国人向け「2人で1人分無料」キャンペーン開始
「私の製品じゃない!」レバノン爆発で疑惑の的、台湾企業社長の無実訴え
結成10年「康士坦的變化球」、日本初公演:「眠月線列車」の最終目標を語る
U18台湾代表エース陳睦衡が日本へ? 海外メディアがオリックス入団を報道 契約金も明らかに
台湾世論調査:賴政権を評価! 賈永婕台北101董事長就任4割が支持 姚立明司法院副院長指名に4割超が反対
トランプ暗殺未遂容疑者、 過去に台湾支持を表明:防衛部隊招集も提案
台湾鉄道・総統専用車両が初の一般公開! 花蓮・台東ツアー、18日から販売開始!
台湾出身、黄鼎仁が東京六大学野球リーグで初登板! 夢が実現:将来は台湾で医学の道へ
【独占インタビュー】中国の台頭「後発優位」に 関中氏:米国、台湾を守れず 守る勇気もない
「AITの懸念は100%事実だ!」蕭旭岑が柯文哲事件の影響を明かす:米国の重要な学者たちも警告
桃園台北MRT・京成電鉄が共同で周遊券を販売 日台旅行がさらに便利に
オランダ議会、台湾の国際参加支持を圧倒的多数で可決
【深層】民衆党の「宮廷政治」:柯文哲逮捕で浮上する3人の女性の権力闘争
雲林県で2024国慶花火の打ち上げテスト!穴場観賞スポット・打ち上げ時間・交通規制情報 まとめ
「目標は一軍の戦力に」台湾18歳左腕・黄錦豪、巨人入団で熱い決意
中国、沖縄で「危険な一手」-琉球研究センター設立で台湾問題における日本牽制か
気候変動で揺れる台湾椎茸産業、日本の技術で振興に期待
台湾鉄道の「秘密の特急」が人気急上昇!自強号より速く、莒光号より安い「史上最も美しい区間車」
台湾外交の最後の砦が揺らぐ:アフリカ唯一の外交関係国スワジランドに忍び寄る中国マネー
「台湾のマンデラ」発言が火種に:時代力量党が民衆党を「邪教化」と非難 黄国昌:品格に欠ける
【徹底分析】鴻海のインド進出、無事撤退できるか?「外資の墓場」で蔓延する「飼い殺し」戦略の実態
台湾鉄道、35.6%値上げへ 29年ぶり運賃改定 - 短距離利用者に影響大
社説:柯文哲氏勾留で露呈した「捜査非公開」の虚構 - 台湾司法の信頼性が問われる事態に
司法の「二重基準」を問う - 趙少康氏、民進党の汚職も捜査せよと主張
【特集】台湾民衆党、二重の危機に直面柯文哲主席拘留中、発言人が記者に暴言で窮地に
速報:柯文哲氏、京華城案で勾留決定