オランダ議会、台湾の国際参加支持を圧倒的多数で可決

IPACサミットで採択された決議は法的効力を持たず、国連システムにおける「法理上の一つの中国」原則を変えることはできない。その本質は高度な版の「台湾民政府」のようなものだ。写真は7月30日、IPAC年次総会の台湾専門セッションに出席する頼清徳総統。(総統府提供)

オランダ下院は昨日、150名の議員のうち147名の賛成という圧倒的多数で台湾支持の動議を可決した。この動議は、国連総会決議2758号(アルバニア決議)が中華人民共和国の台湾に対する主権を決定したものではなく、台湾の国連や他の国際機関への参加を排除するものでもないと指摘している。

【国連決議2758号 (アルバニア決議)基本情報】1971年採択。中華人民共和国を「中国の唯一の正当な代表」と認定し、台湾に代わり国連代表権を付与。中国は台湾統治の根拠と主張。台湾は決議が台湾の地位に言及していないと反論。近年、台湾の国際参加をめぐり再解釈の動きあり。


中国による国連決議の「歪曲」を拒否

台湾外交部によると、この動議は中華人民共和国による国連総会決議2758号の解釈の「歪曲」を拒否し、中国が台湾の国際参加を妨げていると指摘している。さらに、台湾の国際民間航空機関(ICAO)や世界保健機関(WHO)などの国際機関への参加がオランダの利益にも合致すると述べている。

グローバルな台湾支持の動きが加速

外交部は、オランダ議会のこの動きが、7月の「対中政策に関する列国議会連盟」(IPAC)年次総会での決議採択や、オーストラリア連邦議会上院での関連動議可決に続く、世界で2番目かつ欧州初の類似動議採択であると強調した。

オランダ議会、今年3度目の台湾支持

この親台湾動議は、民主66党(D66)のヤン・パターノート議員ら、IPACオランダ共同議長を含む与野党13名の議員が共同提出したもの。オランダ下院は今年4月に台湾の国際参加を支持する動議を、5月には欧州連合(EU)や理念を共有する国々と連携して中国の台湾周辺での軍事演習に反対し、台湾海峡の現状維持を支持する動議を可決しており、今回が3度目の台湾支持となる。

台湾外交部、オランダの支持に感謝

台湾外交部は、第79回国連総会の開催時期に合わせてこの動議が可決されたことは非常に意義深いとし、オランダ議会の行動に対して高い評価と心からの感謝を表明した。

台湾与党、国際社会からの支持に歓喜

台湾与党・民主進歩党(民進党)の立法院(国会)団は、オランダ議会の決議を歓迎する記者会見を開いた。呉思瑤幹事長は「台湾の民主主義の同盟国が声を上げてくれたことを非常に喜ばしく思う」と述べ、オランダの超党派議員が14の政党を代表して147対3という圧倒的多数で決議案を可決したことを高く評価した。

国連決議2758号の「誤用」を指摘

呉思瑤幹事長は、「この決議は、国連総会決議2758号が台湾の国際舞台での正当な代表権を阻害する道具として使われていることを世界に明確に示すものだ」と指摘。国連に対し、長年中国によって歪曲されてきたこの決議の再評価と正確な解釈を求め、決議が濫用されて台湾が国際社会で抑圧され続けることがないよう保証を求めた。

台湾国会でも支持決議案を提出へ

民進党は、今後開会する立法院の新会期で台湾支持の決議案を提出する意向を示した。呉思瑤幹事長は「国際的な同盟国が台湾のために声を上げ、支援の手を差し伸べてくれる中、台湾の国会も台湾を支持すべきだ。自国は自国で支持しなければならない」と述べ、与野党を超えた支持を呼びかけた。

野党・国民党も台湾の国際参加を支持

一方、野党・中国国民党の李彦秀立法委員は、国連総会決議2758号の議論に関して「『中華民国の主体性』に立ち返るべきだ」と主張。これが中華民国の憲政体制と国家利益に合致すると述べた。国民党は一貫して「中華民国」としての国際組織への参加拡大と、国際社会における台湾の可視性向上を支持する立場を表明している。

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