政府が昨年7月、初めて「大統領引き出し権限」(Presidential Drawdown Authority)を発動し、台湾に3億4500万米ドル相当の国防物資を提供した。米国在台協会(AIT)は、この援助物資の多くが期限切れの弾薬で、防弾プレートにはカビが生えていたと明らかにした。これに対し、退役中将の帥化民氏は政治討論番組《新聞大白話》で、「台湾は弾丸生産国なのに、なぜ1983年製の期限切れ弾薬が必要なのか。国防部はなぜ声を上げないのか。米国の暴露を待つ必要があったのか」と指摘した。
帥氏は、かつて聯勤の署長を務め、機関銃、小銃、弾薬の製造は自動化されており、イラク戦争時に米国に多くの弾薬を売却したと述べた。彼は、40年前の古い弾薬が発射可能か不明であり、防弾チョッキについては倉庫「不良品」を国軍に与えたと指摘。台湾が資金を払い購入したのであればさらに損失だと述べた。
先日の天馬演習でTOW対戦車ミサイルが17発中7発しか命中しなかったことについて、帥氏は「これが期限切れ弾薬でなければ何なのか」と指摘。又、彼は軍務中に多くの期限切れ弾薬を発射したが、それは台湾防衛のための備蓄だったとのべた。金門の弾薬庫の70%が期限切れだと指摘し、米国は期限切れ品で済ませようとしていると批判した。
帥氏は、台湾は弾丸生産国として米国に数百万発の弾丸を売却した経験があり、台湾に不足しているのは弾丸ではなく高度な武器だと指摘。国防部が沈黙を守り、米国の暴露を待ったことも批判した。また、1997年に聯勤署長として購入拒否をした電子戦ポッドが現在は生産中止となり、今、台湾が米国から購入すれば「生産ライン再開」費用も追加で必要になると述べた。
編集:佐野華美
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