【単独取材】台湾はビットコインを国家準備資産にできるのか 暗号資産新法成立で議論加速

「暗号資産サービス法」は6月30日、台湾の立法院で三読を通過した。同法成立を後押しした一人である国民党の葛如鈞立法委員が、台湾メディア『風傳媒』の英語版ニュースサイト「The Storm Media」の単独インタビューに応じた。(写真/張渝萍撮影)
「暗号資産サービス法」は6月30日、台湾の立法院で三読を通過した。同法成立を後押しした一人である国民党の葛如鈞立法委員が、台湾メディア『風傳媒』の英語版ニュースサイト「The Storm Media」の単独インタビューに応じた。(写真/張渝萍撮影)

台湾の立法院(国会)は6月30日、「暗号資産サービス法」(Virtual Asset Service Act)を三読で可決し、成立させた。これにより、台湾の暗号資産業界は、マネーロンダリング防止法に基づく登録管理のみの過渡期を脱し、本格的な事前許可制へ移行する。

同法案は、立法委員の葛如鈞氏が今年3月20日に19人の委員と共同提出した委員版草案の一つで、財政委員会で行政院(内閣)案と併せて審議された後、三読を通過した。AIガバナンス、サイバーセキュリティ、デジタルインフラに長年関心を寄せてきた葛氏にとって、これは10年越しに待ち望んだ瞬間だった。

葛氏は台湾メディア『風傳媒』の英語版ニュースサイト「The Storm Media」の単独インタビューで、「一言で言えば、ついに、だ。三読通過は台湾にとって、規制の方向性が明確になった瞬間だった」と語った。

同氏は、同法の意義は単なる監督・管理にとどまらないとみる。暗号資産やデジタル資産につきまとってきた負のイメージを取り除き、葛氏が長く提唱してきた「国家ビットコイン戦略準備」構想に向けた最大の制度的障壁を取り払うものだという。葛氏は「台湾は次のデジタル金融時代に乗り遅れることはない」と強調した。

立法院は6月30日、「暗号資産サービス法」を三読会で可決した。(国会チャンネルより引用)
台湾の立法院(国会)は6月30日、「暗号資産サービス法」を三読で可決し、成立させた。(画像/国会チャンネルより)

VASP規制、登録制から許可制へ 10年の「様子見」に終止符

​金融監督管理委員会(金管会)の発表によると、暗号資産サービス法は、暗号資産サービスプロバイダー(VASP)を交換業者、取引プラットフォーム業者、移転業者、カストディ業者、引受業者、レンディング業者、その他の計7類型に分類する。

事業者には、資本金、責任者や業務担当者の適格性、内部統制・内部監査制度、情報セキュリティ管理、暗号資産の上場・廃止審査の仕組み、顧客資産の分別管理などについて、法定基準を満たすことが求められる。

移行措置として、すでにマネーロンダリング防止法に基づく登録を終えている既存業者は、新法施行後12カ月以内に金管会へ許可を申請し、21カ月以内にライセンスを取得しなければならない。必要な場合は、1回に限り3カ月の延長が認められる。

PwC台湾(資誠聯合会計士事務所)の分析では、台湾のVASP監督体制はこれにより、マネーロンダリング防止に限った単一の枠組みから、業務監督、投資家保護、金融安定を含む包括的な規制体系へ移行することになる。

葛氏はインタビューで、台湾がブロックチェーン技術の早期参加者だったことを振り返った。2010年から2014年にかけて、台湾の開発者はオープンソースコミュニティで活発に活動し、ビットコイン関連のハッカソンにも参加して複数回受賞した。2014年から2016年にかけては、コンビニエンスストアでビットコインを購入できる仕組みが一時、国際的な話題となった。
(関連記事: 【独占】ビットコインは国家の戦略的準備資産になるか BPI専門家が語る台湾・半導体・AI時代の地政学リスク 関連記事をもっと読む

しかし、2016年以降、政府の監督姿勢は保守的になった。葛氏は「開発者にとっても、台湾の取引所にとっても、私のような技術愛好家にとっても、健全とは言いにくい状況だった」と語った。

最新ニュース
味の素が1本で味が決まるチューブ型洋風調味料テイスティペイスティを8月22日に新発売
味の素、酸味を抑えた「ふわあま」マヨネーズ発売 はちみつでまろやかな味わいに
マクロン氏元側近「製造は台湾抜きで成り立たない」 鴻海の仏投資、欧州AI・半導体拠点化を後押し
麻布台ヒルズ「チームラボボーダレス」に新作 光と鏡が交差する特別展「宇宙の非対称性について」
「有名だから」ではなく「好きだから」選ぶ 新セレクトショップ「Anti.」誕生
【寄稿】日本で会社を経営する外国人が見落としやすい3つの年次手続き
「PFFアワード2026」入選23作品が決定 応募834本から高校生監督や台湾出身監督も選出
【スクープ】国民党内で「総統選の指揮権一本化」提案 党主席任期を総統任期に連動へ
米イラン停戦合意、事実上崩壊か トランプ氏が報復攻撃を示唆「協議は時間の無駄」
U-NEXTが米エンタメ界最高峰「第78回エミー賞」を9月15日に独占ライブ配信決定
横浜赤レンガ倉庫に初のディスコ空間、人気DJ陣が集結し新たなナイトカルチャーを創出
ロイヤルホスト、7月15日から夏のマンゴーデザートフェアを開催 アジアン食材との融合やスタンプラリーも実施
TABASCOブランドがフジロックに初協賛 20か所以上の「給辛所」でフェス飯にシゲキを提供
台湾の伝統人形劇「布袋戯」を早稲田で体感 1934年寄贈の貴重な舞台や人形を公開
矢板明夫氏襲撃事件、中国国台弁が「義憤による行動」と主張 台湾陸委会は「暴力の美化」と非難
台湾から与那国島や蘭嶼がくっきり 台風接近前の「視界良好」に科学的理由
フジロック2026、タイムテーブル一部変更 ANGINE DE POITRINEが夕方枠へ、USが新たに出演
国際園芸博覧会初の快挙、GREEN×EXPO協会が持続可能なイベント運営の国際規格「ISO 20121」認証を取得
入管庁、在留カード更新手続きの詳細を公表 一部対象者は6か月前から申請可能に
JR東日本クロスステーション、SuicaのペンギンとBRUNOコラボ家電第2弾を限定発売
MESが描く「Night Museum」六本木・西麻布で7月17日開幕
東京ゲームショウ2026が来場者向け情報を一斉公開 30周年の節目に初の5日間開催やプレミアムチケット新設など注目情報が目白押し
「Pokémon GO Fest 2026:グローバル」台風接近で7月11日の中山線形公園コミュニティ祝典および現地イベントが中止に
台風9号(バービー)、週末に台湾へ最接近 北部で暴風警戒、交通影響にも注意
大谷翔平、MLB通算300本塁打達成 記念グッズが公式オンラインショップに登場
東京ゲームショウ2026出展社一覧が公開、過去最多の51カ国・地域が参加へ
日本国内No.1タクシーアプリ「GO」とナビタイムジャパンが機能連携
たこ焼き×天ぷら×超炭酸ハイボールの新業態「タコとハイボール 神田駅前店」が7月9日にグランドオープン
台湾の食用油問題、対象製品401品目に拡大 即席麺や冷凍食品、外食チェーンにも影響
台湾外交部、第一列島線でのドローン規制統一に意欲 日本など関係国と協議へ
中国、戦略原潜からミサイル発射 米国には事前通告なしか、専門家「対米シグナルの可能性」
Nothing、新イヤホン「Ear (3a)」発表 音を保存できる新機能搭載、Phone (4b)も公開
東京都、酷暑の夏へ「我慢しない節電」呼びかけ 冷房利用とHTTで賢くエネルギー管理
RX Japan、AI活用の成熟度別展示会「AI人工知能EXPO NEO」を初開催 2026年8月に東京国際フォーラムで
東ハトがポケモン30周年記念の特別仕様「ポケモンスナックボックス チョコレート味」を7月13日より全国で新発売
ハーモニーランド開園35周年でJR暘谷駅がリニューアル、藻類キティ展示やセレモニーで地域一体の「ハーモニータウン」へ
【北京観察】中国、戦略原潜から潜水艦発射型ミサイルを初公開 抗戦記憶から核抑止外交へ
【寄稿】誰がホワイトハウスを率いても、米国の台湾への約束は揺るがない
台風9号(バービー)、10〜11日に台湾へ最接近 北部・北東部で大雨・暴風に厳重警戒
先進的なLED映像技術と伝統の縁日が融合「TOKYO レインボー夏祭り」がお台場で開催へ
東京駅グランスタで「ひんやりフルーツ。」フェアが初開催へ、夏を彩る限定スイーツなど全22商品が集結
NBA実使用ボールの破片を封入した限定額装フォトパネルが発売へ、世界250個限定でコレクター必見のアイテム
コロナビール、アーティスト・山瀬まゆみ氏とのコラボレーションによる限定デザインバケツを発売
矢板明夫氏襲撃、香港旅券所持の男を勾留請求 同行者は犯行前日に台湾出国
道頓堀にミャクミャク新モニュメント登場 かに道楽前に「いらっしゃい」設置
【北京観察】米国建国250年と中国「民族団結」新法 民主主義と統制モデルが映す米中覇権争い
森崎ウィン、日本語パートナーズのアンバサダーに就任 浴衣姿で「アジアが一つに」と願い
外国人の永住許可手数料、10月から20万円へ 現行1万円から大幅引き上げ
李逸洋駐日代表、各国大使らと安倍晋三回顧展を視察 襲撃当日の遺品や台湾との交流を伝える品々も
トランプ氏がFIFAに直談判 米代表FWの出場停止処分が猶予、政治介入批判も