LGBTプライド前夜、故・許家蓓氏の伴侶・呉沛憶氏が語る 「性別関係なく、愛したい人を愛していい」
民進党の立法委員、呉沛憶氏(左)が本日(19日)未明、許家蓓氏(右)を追悼する文章を投稿した。(出典:呉沛憶氏Threads)
民進党の台北市議員、許家蓓が先月、子宮内膜がんにより死去した。その伴侶であり、同党の立法委員である呉沛憶も二人の恋愛関係を公表した。LGBTプライド・パレード開催の一か月前に、呉沛憶はBBC中文のインタビューに応じ、この過去について公に語った。彼女は、このような公表が派手すぎるのではないかと懸念したが、完全な物語を語る責任があると自覚したと述べた。呉沛憶は、LGBT当事者であることを公表後、攻撃よりも支持の声の方が多く寄せられ、「その人がどんな性別であれ、愛したいと思えば愛することができる」と考えていると語った。
インタビューで呉沛憶は、二人が選挙を通じて知り合ったと語った。2018年に呉沛憶が初めて台北市議会議員選に出馬した際、許家蓓は再選を目指していた。許の豊富な経験により、選挙の進め方を教わっただけでなく、政治参加に対する考え方も変わったという。二人の交際過程は一般のカップルと変わらず、ただし約会の時間が特に遅く、地域活動や村里長との食事会をこなした後でないと一緒に夕食を取ることができなかった。二人は長年共同生活を送っており、知人や市議会の元同僚らも、彼女たちの関係を概ね知っていたという。
呉沛憶はインタビューで、以前は男性と交際経験があるが、許家蓓が初めての同性のパートナーだったと述べた。二人は初対面から互いに好感を持っていたが、許家蓓からの積極的なアプローチがきっかけでこの恋愛関係が始まった。選挙期間中にのど飴を箱ごと届けてくれたり、忙しいスケジュールの時に車で送迎してくれたりと、全面的な支援をしてくれたと語った。
民進党の選挙惨敗 同性婚が標的に
しかし2018年末の民進党九合一選挙での惨敗後、週刊誌が表紙で二人の同性カップルとしての関係を暴露しようとした。呉沛憶は、それは衝撃と恐怖を感じた経験だったと述べた。当時、週刊誌は半年以上に渡って二人を尾行し、アパートの出入りや仕事後のデートを記事にした。「強制的に覗き見られているような感覚で、拒否もできなかった」と語った。当時、民進党の同性婚支持が敗因の一つとされ、呉沛憶は「議会で真面目に仕事をせず遊んでいる」「議員になったばかりなのにスキャンダルを起こして」などの抗議の電話が事務所に殺到したという。これらの電話は直接的に同性愛者であることを非難するものではなかったが、差別と不信感が含まれていた。呉沛憶は、当時二人は肯定も否定もせず「親友」と説明したのは、家族がまだ交際を知らなかったためだと説明した。彼女は冷静に公衆に対応するよう自分に課し、「私は何も悪いことをしていないのに捕まったわけではない。勇気がないわけでも隠れているわけでもない。私たちはあなたたちと同じ普通の人間で、多くの社会関係を処理しなければならず、選挙はその一部に過ぎない」と述べた。
「未亡人」として告別式に参列
呉沛憶は、許家蓓の死が予期せぬものだったと率直に語った。許家蓓の告別式で、呉沛憶は位牌を捧げ持った。二人は法律上の配偶者関係はなかったが、双方の家族の承認のもと、呉沛憶は伝統的な葬儀において「未亡人」の役割を務め、最後の別れに付き添った。
許家蓓の死後、呉沛憶の事務所には200通以上の手書きの手紙が届いた。ある男性同性愛者は、許家蓓の最後の外出時に衣服を販売した店員だったと伝え、また病気と闘っている同性カップルからは、彼女から慰めと勇気をもらったという声が寄せられた。呉沛憶は、行動が偏見を打ち破る方法だと考え、同性愛者であることを公表した後、攻撃よりも支持の声の方が多かったと述べた。「好きな人がいれば、勇気を持ってその人に近づけばいい。性別は社会的な枠組みに過ぎず、多くの人々がその枠組みを取り除き、打ち破ろうとしている。私たちが本当に望む世界は、勇気すら必要とせず、愛したいと思えば、相手の性別に関係なく愛することができる世界だ」と語った。
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