台湾、フィリピン・セブに第2の出先機関開設へ 林佳龍外相が明言、「台比経済回廊」推進
台湾の林佳龍・外交部長は15日、セブにおける新たな出先機関の開設作業手が進行中だと認めた。(資料写真/劉偉宏撮影)
台湾の林佳龍外交部長(外相に相当)は昨年8月下旬、訪問団を率いてフィリピンを訪問した後、メディアの単独インタビューに応じ、セブ(Cebu)にフィリピンで2カ所目となる出先機関を開設する意向を示した。また、英字メディア『日経アジア』は最近、消息筋の話として、台湾側は駐セブ出先機関の開設に向けた物件選びなどの準備作業をすでに完了しており、11月中旬にも公式発表される見通しだと報じた。これに対し、林氏は15日、メディアとのインタビューで、駐セブ出先機関の新設に向けた作業が進行中だと認め、現在はオフィス選定や人員配置などの業務を含め、すべて順調に進んでいると明らかにした。
林氏は2025年8月下旬、経済貿易視察団を率いてフィリピンを訪問した後、同年10月に公営放送局、中央広播電台の番組インタビューで、フィリピン南部でより充実したサービスを提供するため、セブでの出先機関開設を希望していると明かしていた。また日経アジアは先ごろ、アジアおよび西側諸国の外交官3人の話として、台湾がフィリピン南部のセブに新たな代表機関を新設する予定で、物件選びなどの準備作業が完了しており、フィリピンが11月中旬に主催する東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の後に詳細が公式発表される可能性が高いと報じた。
これに関して、林氏は15日にラジオ番組「POP撞新聞」の単独インタビューに応じた際、台湾がセブに出先機関を設置する計画が進行中なのは間違いないと述べた。台湾の駐フィリピン代表処(大使館に相当)は北部のマニラに設置されているが、フィリピン南部にも多くの観光客や台湾企業関係者、華僑が存在しており、「往来がある以上、当然サービスを提供しなければならない」と述べた。また自身の外交部長就任以降、フィリピンによる台湾人旅行者への互恵の原則に基づく査証免除(ノービザ)待遇の提供や、台湾・フィリピン間の二重課税回避協定の締結など、二国間関係に大きな進展があったと語った。
このほか林氏は、米国、日本、フィリピンが「ルソン経済回廊」計画を構想しており、台湾もこれに対応して「台比経済回廊(台湾・フィリピン経済回廊)」を提案し、人、モノ、資金など多方面での交流を進めていると説明した。また、フィリピンも中国からの脅威や衝突に直面しており、米比相互防衛条約を締結するなど米国と比較的近い関係にあると指摘。その上で、フィリピンと台湾は地理的に近いだけでなく、人的往来も活発で、さらに「第一列島線」(九州~沖縄~台湾~フィリピン)において緊密に相互依存しているほか、共に自由と民主主義を重んじる国家であり、中国からの圧力を受け、米国と友好関係にあると共通点を強調した。
林氏は、台湾とフィリピンが経済面でいかにしてサプライチェーンのレジリエンス(強靱性)を統合し、日本とも連携していくかという点が、自身がかつて提示した第一列島線の「単一戦区(単一の作戦地域)」構想だと説明した。地政学的なリスクによって安全保障上の脅威を共有しているだけでなく、観光客から台湾企業、さらにはサプライチェーンに至るまで、多様な利益のやり取りがあることがより重要だと指摘。その上で、ドローン産業から沿岸警備隊の交流に至るまで、台湾とフィリピン間の多くの交流は地政学的情勢に即したものだと述べた。新たに出先機関を設置することについては、拠点を増やすことでより多くの人々にサービスを提供し、台湾とフィリピンによる「台比経済回廊」の構築を推し進めることが狙いだと語った。
「この計画はすでに進行中であり、すべて順調だ」と林氏は笑顔で語った。メディアによって駐セブ出先機関に関する情報がすでに報じられているため、「外交部長として否定することはできない。確実に進行中だ」と明言した。開設に向けたタイムテーブルについては、現在準備中だとし、「新たな出先機関を設立するには、オフィスや人員が必要であり、それらに関連する業務を進めているところだ」と付け加えた。
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