三菱地所グループの三菱地所レジデンス株式会社および株式会社三菱地所設計は、2026年度グッドデザイン賞において、集合住宅「ザ・パークハウス 代々木大山レジデンス」、伝統工芸支援のためのメディアデザイン「若手の伝統工芸作家のために、マンション共用部を発表の場とするメディアデザイン」、オフィスビル「Hirooka Terrace」の計3件で受賞を果たした。
三菱地所グループとしては1998年度の「クイーンズスクエア横浜」での初受賞以来、2003年度から24年連続の受賞となった。同グループは今後も「人を、想う力。街を、想う力。」というブランドスローガンのもと、まちづくりを通じた社会貢献を進めるとしている。
バルコニーを居住空間に活用した集合住宅が受賞
住宅事業グループとして23年連続受賞となった「ザ・パークハウス 代々木大山レジデンス」(三菱地所レジデンス)は、渋谷区大山の環境を活かし、「室内から外へと広がる開かれた暮らし」を実現した分譲マンションである。
奥行3メートルのバルコニーにガラススクリーンを設けることで、従来の付帯設備から居住空間としての積極的活用へと再定義した。リビング、洋室、バルコニーを一体にも個別にも利用できる「トリプル・リビング」の構想を提案し、自然環境を享受する心地よさと多様な生活様式への対応を両立させた。
審査委員からは、広さではなく使用頻度を評価軸に据え、天候や視線、設備への配慮を順に配した点や、窓先空地と突出バルコニーの交互配置により法規上の要請を緑の緩衝帯へ転化させた発明的な手法が高く評価された。
また、同じく三菱地所レジデンスによる「若手の伝統工芸作家のために、マンション共用部を発表の場とするメディアデザイン」は、若手伝統工芸職人の活躍機会創出を目的とした取り組みである。
分譲マンションの共用部を継続的な展示空間と位置づけ、物件のコンセプトや地域性を踏まえたオーダーメイド作品の制作・発表の場として機能させている。
ウェブサイトやSNS、モデルルーム、実空間を一連の接点として構築し、生活者と伝統工芸の継続的な出会いを生み出している点や、作品を職人自身のポートフォリオとして活用可能にし、分譲事業の枠組みの中に工芸支援を組み込んだ持続可能な仕組みが審査で称賛された。
環境配慮型オフィス「Hirooka Terrace」も高評価
株式会社北國銀行と株式会社三菱地所設計が手掛けたオフィスビル「Hirooka Terrace」は、会話や協創を促す共用部を中心に据えたテナントオフィスビルである。
2014年竣工の北國銀行本店ビルとブリッジで接続して機能を共有し、13階には金沢の街並みを望むスカイラウンジや複数の会議室を配置した。全テナント利用のテラスやラウンジは階段や吹き抜けを介して立体的に連続し、温熱・風環境シミュレーションに基づいて快適性を最適化している。
さらに、地域資源の活用と創エネルギーの最大化により、延床面積2万平方メートル超の高層テナントオフィスビルとして全国で初めて「Nearly ZEB」およびBELS最高評価を取得した。審査では、北陸の気候特性を積極的に取り入れた半屋外空間の活用や、環境配慮型建築としての新たな可能性が評価された。
三菱地所グループはこれまでにも、丸の内ビルディングや新丸ビルなどの大規模再開発をはじめ、各地域の住環境開発や環境技術、コミュニティデザインなど多岐にわたる分野で受賞を重ねており、今回の受賞を通じて長年にわたる設計・開発思想の確かさを改めて示した。
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