台湾・台北市の繁華街で11月7日、日本の岩手県職員・佐々木貴法容疑者(33)が女性のスカート内をスマートフォンで盗撮したとして、台湾警察に現行犯逮捕された。佐々木容疑者は今年6月にも同じ台北市中山駅周辺で盗撮を行い逮捕・起訴されており、現在もその控訴審が進行中だった。再犯の知らせは台湾と日本の双方で波紋を広げている。
現場で市民が取り押さえ、携帯から多数の盗撮画像
事件が起きたのは7日午後5時過ぎ。台北市南京西路の中山駅近くで、20代女性を背後から尾行し、バッグに隠したスマートフォンでスカート内を撮影していたところを、通行人が不審に思い制止。もみ合いの末、男が地面に押さえつけられ、通報を受けた警察官に引き渡された。
警察が携帯電話を調べたところ、被害女性の画像のほかにも複数の女性を撮影したとみられる映像が多数保存されており、男は容疑を認めている。警察は他の被害者が存在する可能性もあるとみて捜査を進めている。
今年6月にも同じ場所で犯行 「再び中山駅で」
佐々木容疑者は岩手県農林水産部久慈農業改良普及センターに勤務する職員で、修士号を持ち、農業視察を目的に台湾を訪れていたとされる。今年6月8日、旅行中に台北市の中山駅エスカレーターでGoProカメラを使い、25歳女性のスカート内を撮影したとして逮捕・起訴された。当時は「女性の足に目を奪われた」と供述していたという。
台湾の地裁は7月に懲役4か月・罰金刑を言い渡し、服役は免れたものの検察が「刑が軽すぎる」として控訴。2審判決を待つ間、佐々木容疑者は台湾からの出国を禁じられており、弁護士の監督下でホテルに滞在していたという。その最中の11月6日、再び台北の繁華街で盗撮を行ったとみられ、翌7日に逮捕された。
台湾と日本で波紋 岩手県が謝罪「極めて悪質。早期に処分」
岩手県庁は10日夜、記者会見を開き、大森健一・県農林水産部副部長が「被害に遭った女性、台湾や県民の皆様におわびします。極めて悪質な行為。早期に処分をする方向で調整する」と謝罪した。
県は6月の初犯時にも記者会見で幹部が深々と頭を下げ、再発防止と法令順守の徹底を誓っていたが、再犯が判明したことで庁内に衝撃が広がっている。
現地での裁判継続、台湾社会でも注目
台湾メディアによると、佐々木容疑者のスマートフォンには「大量の不明女性の盗撮画像」が保存されていたといい、今回の再犯が偶発的なものではない可能性があるとみている。警察はこれまでの犯行経緯や被害範囲を精査中。
士林地検署は佐々木容疑者を妨害性隠私罪(性的プライバシー侵害罪)で送検。前回の判決とは別に、新たな事件として再び審理が行われる見通しだ。
二度の逮捕に両国で非難の声
岩手県の地方公務員が海外で二度にわたって性的犯罪を起こしたことに対し、日本国内では「公務員としての倫理が欠如している」との批判が殺到。台湾のSNS上でも「なぜ前回の事件後も滞在が許されたのか」「日本人観光客のイメージを損なう行為だ」と非難が相次いでいる。
佐々木容疑者は現在、台北市内の警察施設に身柄を拘束されており、地検の取り調べを受けている。台湾当局は証拠映像や過去の判決資料をもとに、常習性を含めて厳しく追及する方針だ。
編集:梅木奈実 (関連記事: 岩手県職員、台湾旅行中にスカート内盗撮容疑 地下鉄で現行犯逮捕 | 関連記事をもっと読む )
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