中国軍機、日本領空侵犯で緊張高まる
最近、中国軍機が短時間ながら日本の領空に侵入する事態が発生し、日本側の抗議と高い関心を集めている。『日経アジア』の元中国支局長、中澤克二氏は12日、日中関係に詳しい研究者の見解として、中国が日本の戦略的焦点を沖縄に向けさせようとしており、「危険な第一歩を踏み出そうとしている」と指摘した。
大連海事大学に「琉球研究センター」設立へ
香港の『星島日報』の報道によると、中国の大連海事大学が「琉球研究センター」の設立を計画している。これは中国の高等教育機関として初めての沖縄専門研究センターとなる。琉球は現在の沖縄県の古称で、1429年から1879年までの450年間、琉球王国の領土だった。
中国、「沖縄カード」で日本牽制か
『星島日報』は、中国が「琉球カード」を準備していると示唆。これは沖縄の日本領土としての地位に疑問を投げかけ、東京に台湾問題への介入を控えるよう警告する重要な手段となる可能性がある。
習近平政権下で沖縄への言及増加
中澤氏によると、習近平国家主席就任後まもなく、中国は沖縄の地位に関する立場を修正し始めた。2013年5月8日、『人民日報』が「歴史的に未解決の琉球問題を再検討する時期が来た」と主張する記事を掲載。これは『人民日報』が初めて沖縄の地位未定論を提起したものだった。
「海洋強国」戦略の一環か
大連海事大学は1960年代から「半軍事化管理」を実施しており、軍警系統に属している。習近平主席の「海洋強国建設」戦略の下、大連の役割はますます重要になっている。
毛沢東時代の立場と矛盾
しかし中澤氏は、中国が正式に沖縄の地位問題を提起すれば、毛沢東時代の立場と完全に矛盾すると指摘する。毛沢東は1960年代に「沖縄は日本の領土」と明確に認め、米国による日本への返還を支持していた。
米軍基地問題で緊張高まる可能性
沖縄は日米同盟の重要拠点であり、多くの米軍基地が存在する。中国が沖縄の地位認識を変更すれば、米軍との潜在的衝突を引き起こす可能性がある。中澤氏は、中国が「沖縄カード」を使って日本の台湾問題への立場を牽制しようとしているようだが、この戦略は危険で逆効果になる可能性があると警告している。 編集:高畷祐子
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