自民党所属・神戸市議が台湾議会乱闘に衝撃「これは民主主義の自殺行為」 昨年賴清徳総統就任式に骨折を押して出席

これまで台湾支持を何度も表明してきた神戸市議会議員の上畠寛弘が総統頼清徳の就任式に招待された。(黄信維撮影)

過去に何度も台湾支持を表明してきた日本の神戸市議会議員・上畠寛弘氏が去年賴清徳総統の就任式に招待され台湾を訪問。早めに台湾入りした上畠氏は2024年5月18日、《風伝媒》のインタビューに応じた。台湾到着後、上畠氏は台湾のニュースに強い関心を示し、2024年5月17日に立法院で発生した衝突について言及。上畠氏は、立法院での法案審議の内容について多くを語る立場にはないとしながらも、流出した映像から「国民党立法委員による多くの意図的な物理的攻撃があり、極めて野蛮と言える。暴力の使用は受け入れられず、台湾でこのようなことが起きてほしくない」と指摘した。

上畠氏は過去に頻繁に台湾支持の発言をし、SNSで台湾基進の陳柏惟前立法委員に対するリコールに反対を表明したこともあり、中国からの圧力を受けた経験もある。名門私立大学の慶應義塾大学総合政策学部を卒業し、現在は京都大学公共政策修士課程に在学中。過去には日本マクドナルド本社で労使紛争処理を担当していた。2013年に鎌倉市議会議員に当選した際には、全日本最年少の地方議員となり、その後2017年に神戸市会議員補欠選挙で当選して以来再選を重ね、現在は自民党議会党団の副幹事長を務めている。

左足の重傷にもかかわらず来台 「国会での暴力」に大きな衝撃

上畠氏は「この国でこのような暴力行為がまだ発生していることを知り、正直なところ非常に衝撃を受け、怒りを感じた」と強調。「日本と台湾は同じ民主主義国家であり、自由、民主主義、法治の関連規範を遵守すべきだ。国会議員がこのような行動をするのを見て、私にとっては大きな衝撃だった。これは民主主義の自殺行為だ」と述べた。

今回の就任式参加に先立ち、上畠氏は怪我をし、左足に骨折の状態があり、医師からは少なくとも1週間以上の入院を勧められていた。しかし、身体の不調に直面しながらも、賴清徳就任式出席の約束を守るべきだと考え、中国が神戸市議会に抗議してきた状況に直面しても台湾訪問を実行した。

かつて「信頼之友会」日本支部の顧問を務め 賴清徳、潘孟安らと早期会談

2023年の選挙期間中、上畠氏は賴清徳「信頼之友会」日本支部の顧問を務めていた。今回の就任式参加に先立ち、2024年5月17日には関係者とともに卓栄泰次期行政院長、徐佳青僑務委員会委員長と面会し、また民進党中央党部で賴清徳氏、潘孟安次期総統府秘書長、江志銘社会運動部主任らとも会談した。

上畠氏は台日友好について「常に行動を起こしてきた」と指摘。「中国との関係を考慮する人もいるかもしれないし、地方議員として外交問題は通常票につながらないが、私は台湾が重要だと考えている。世界保健機関(WHO)や国際民間航空機関への台湾加盟支持など、神戸で日台交流サミットを開催した際には事務局長を務め、中国政府からイベント中止要請があっても断固として反対した。このように強く主張しているのは私一人のように見えるが、国会議員であれ地方議員であれ、このような状況は確かに稀だ」と述べた。

神戸空港が国際空港に転換 上畠氏「台湾への直行便実現を」

上畠氏は「台湾の観光客やビジネスマンが神戸を選べば、自然と利益をもたらし神戸の経済発展を促進する」と分析。「例えば神戸空港は現在国内線のみだが、2025年から国際線の運航を計画している。これらの国際路線が台湾と結ばれることを願っている」と述べ、台湾の航空会社や関係者との協議を試みていることを明かした。「様々な思考は困難だが、神戸空港の国際路線と台湾を結びたいところ、中国側は神戸空港の第一便を中国行きにしたいと考えているようだ。多方面の利益や影響を考慮し、これらの異なるニーズや期待をどのようにバランスを取るかが課題」と語った。

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