重要インタビュー》頼清徳の発言は民主党寄り?中央研究院学者が警鐘:トランプは「第一列島線」に関心なし、台湾が取るべき現実的戦略とは

2025-03-05 12:59
中央研究院院士の吳玉山が《風傳媒》のインタビューに応じ、台湾はトランプへの対応方法を見出す必要があり、与党の発言が「民主党に似すぎている」と思わせないようにすべきだと提案。(顏麟宇撮影)
中央研究院院士の吳玉山が《風傳媒》のインタビューに応じ、台湾はトランプへの対応方法を見出す必要があり、与党の発言が「民主党に似すぎている」と思わせないようにすべきだと提案。(顏麟宇撮影)

トランプ(Donald Trump)は台湾の半導体産業に強い関心を示し、選挙期間中には台湾がアメリカからチップを「盗んだ」と非難していた。トランプとTSMCの董事長であるウェイ・ツェルチア(魏哲家)は3日、TSMCが米国に1000億ドルを追加投資し、3つのウェハー工場と2つの先端パッケージング工場などの施設建設に充てると共同発表した。TSMCは本当に「アメリカSMC」になるのか?中央研究院院士の呉玉山は『風傳媒』の独占インタビューで、台湾はトランプへの対応方法を見つける必要があり、与党の発言が「民主党に似すぎている」とトランプに思わせないようにし、米中台の三角関係において柔軟性を保つべきだと提案した。

『風傳媒』は7日に「大波の到来:2025サミットフォーラム」を開催し、中央研究院院士の呉玉山と国民党副主席の夏立言を招いて「グローバルパワーの再構築?アメリカのリーダーシップの挑戦と将来の変化」について対談する予定だ。その前に、呉玉山は『風傳媒』のインタビューに応じ、トランプの影響とグローバル秩序の変化について詳細に語った。

第一列島線について言及したことがなく、トランプの頭の中はビジネスだけ

トランプは経済的観点から米中競争を理解し、アメリカと中国の経済格差に関心を持っている。この図式の中で、台湾の位置はどこにあるのか?呉玉山は、トランプが「第一列島線」という言葉を一度も使ったことがないと指摘し、台湾を「ペン先」のようだと表現し、中国本土は「オフィスデスク」のように大きいと言ったことがあると述べた。2016年にトランプが当時の蔡英文総統と電話で会話した際、台湾は喜んだが、実際彼の頭の中にあったのは台湾との取引や武器購入量だけだった。「ビジネスはビジネス」なので顧客からの電話を受けただけだという。

先日、頼清徳総統は国家安全保障ハイレベル会議後、国防支出をGDPの3%以上に引き上げると約束した。呉玉山の見解では、トランプから武器を購入することは確かに有用だが、問題は台湾が購入できる武器には限りがあることだ。台湾は昨年(2024年)、日本と韓国を超えてアメリカの第6位の貿易赤字パートナーとなり、アメリカから739億ドルを稼いだが、武器購入に使えるのは最大で70億ドル程度だ。「トランプはこれで十分だと思うだろうか?」と呉玉山は疑問を投げかける。 (関連記事: 重要インタビュー》トランプ政権下で「台湾放棄論」が再燃!国民党副主席が警告「対米外交には"トランプ理解者"が不可欠」 関連記事をもっと読む

川普在白宮記者会上,形容魏哲家是「傳奇人物」。(圖/AP)
米国大統領トランプとTSMC会長の張忠謀は3日、TSMCが米国に1000億ドルを追加投資すると共同発表した。注目すべきは、トランプが記者会見で張忠謀を伝説的人物と絶賛し、さらに「彼が今この会議室で最も重要な人物だ」とまで述べたことである。(AP通信)

呉玉山は、トランプが台湾は半導体でアメリカからお金を稼いでいることを明確に理解しており、半導体産業を台湾からアメリカに移せば貿易バランスが取れると考えていると指摘する。「これが彼の最も気にしていることだ」。呉玉山によれば、実はこの問題はバイデン(Joe Biden)政権時代にすでに浮上していた。例えば、レイモンド前商務長官(Gina Raimondo)は、先端チップがすべて台湾で生産されていることは「受け入れられないこと」だと発言していた。

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