舞台裏》呉春城が責任認め辞任!なぜ柯文哲は壮世代を重視したか 仲介者は当時影響力を持った「あの女性」だった

民衆党立法委員の呉春城は「壮世代」推進により利益供与論争に巻き込まれ、最終的に2月25日に立法委員辞任を表明した。(資料写真、柯承惠撮影)
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「机を叩いた事件」の論争から1ヶ月が経過した2025年2月25日、長年「壮世代」を推進してきた民衆党立法委員の呉春城は、立法院会議で卓栄泰行政院長に質問する際、立法委員職の辞任を発表した。呉春城は「自分の立法院での任務は完了した、ハレルヤ!」と述べ、良き戦いは既に戦い終えたとし、今後は伝道師として壮世代の推進を続けると話した。

呉春城は、辞任の10日前に台湾民衆党主席の黄国昌(当時は代理主席)と党秘書長の周榆修に去意を伝えたと述べた。黄国昌は呉春城の慰留を試みたが、呉の「意志は非常に固い」ため、彼の決断を尊重するしかなかったと語った。しかし、民進党団はなお《壮促法》廃止案の提出に意欲を示し、北検も引き続き呉春城の立法委員在任中の行為が利益供与に関わるかどうかを捜査中である。呉春城の「壮士断腕」の行為が関連論争の沈静化につながるのか、また風雨にさらされる民衆党にどのような影響をもたらすのか、今後の情勢展開はなお予測困難だ。

立法院7日三讀通過「壯世代政策與產業發展促進法草案」,朝野各黨立委一同於議場內合影 。(資料照,顏麟宇攝)
立法院は1月7日に壮促法草案を三読通過させ、当時各党の立法委員が議場内で記念撮影した。(資料写真、顏麟宇撮影)

パンデミックでのリモートワークは退屈で…ひとつの思いが呉春城を壮世代推進へと導いた

呉春城は今年63歳、上海復旦大学管理学博士を卒業し、1994年に「戦国策」コンサルティング会社を設立。主な業務は選挙PRと選挙キャンペーンの運営で、業界では「PR教父」と呼ばれている。呉春城は自身の起業精神について書いた中で、理想のPR担当者像は春秋戦国時代に君主を補佐した策士のようであるべきだと述べ、「天下の大勢を見極め、時代の風潮をリードする」ことを目指していると語った。

2021年、呉春城は壮世代教科文協会を設立し、翌年には『壮世代之春』を執筆した。「壮世代」を重視する理由について、呉はかつて自身の経験から生まれたものだと明かしている。以前は会社の会長として、仕事や業務の他に最もよく行っていたのは社会の賢人達と会って意見交換することだったが、2020年に新型コロナウイルスが世界を席巻し、各企業と同様に彼の会社もリモートワークを導入。社会的距離を保ち、一日中家にこもる日々は、60歳近い呉春城にとって非常に退屈で、「毎日何もすることがないのが退職後の生活なのか?怖すぎる!」と思ったという。 (関連記事: 台湾祝日“二二八”とは? 二二八記念日の由来と死者数:80年前の語られざる秘密 関連記事をもっと読む

そのため、呉春城は「壮世代」の推進研究を始めた。彼の見解によれば、台湾人は慣習的に退職後は「シルバー族」「高齢者」「老人」と見なし、孫の面倒を見たり、旅行をしたり、あるいは晩年を楽しむべきだと考えている。しかし現代人の平均余命は延び、65歳で退職した後もしばしば20〜30年の「第三の人生」がある。超高齢社会ではこうした人々が多数を占め、財産を持ち、お金を使う余裕があるにもかかわらず、毎日何もすることがないのはもったいなく、心身の健康にも良くない。これらの人々に学習や再就職などの機会を提供し、長寿経済を推進してパイを大きくすべきであり、さもなければ台湾社会が老人は病床に、若者は「躺平(寝そべる)」状態になれば、台湾の未来は「全体が寝そべった状態」になってしまうと述べた。