台湾・国民党の台中市長が近く訪日 次期総統選へ布石
台湾・国民党の台中市長が近く訪日 次期総統選へ布石(資料照,柯承惠攝)
台湾最大野党・国民党の盧秀燕台中市長が今月中の訪日を計画していることが明らかになった。20日の日本経済新聞の取材で、地方自治体や企業関係者との会談を予定していると述べた。国民党の次期総統候補として有力視される盧氏は、将来への布石として日本での人脈作りを積極的に進める意向とみられている。
盧氏は、テレビ記者・キャスターとしてのキャリアを経て、1998年に立法委員(国会議員)に初当選。2018年には台中市長に就任した。日本について「台湾にとって最も重要なパートナー」と位置づけ、台中市長就任後初となる今回の訪日では、東京や名古屋などの訪問を予定している。
日本とのつながりについて、盧氏は外祖父の留学経験や母親の日本での幼少期を挙げた。一方で、父親は中国・山東省出身であり、中国大陸とも深い関係を持つ。与党・民主進歩党(民進党)と中国の対立が深まる中、盧氏は民進党と一定の距離を保ってきた。特に賴清德政権に対しては、トランプ氏の米大統領再選や複雑化する国際情勢の中で、政局に過度なエネルギーを費やしていると批判的な立場を示している。
2028年の総統選への出馬可能性について、盧氏は「期待していただき感謝している」としながらも、「市長として2026年の任期に専念したい」と明言を避けた。2024年には台中市長として初めて訪米を実現し、台湾では総統選出馬を目指す政治家の通例とされる訪米を果たしたことで、将来への布石との見方が広がっている。
また、2025年後半に予定される国民党主席選についても「検討中」と述べ、主席就任を経て総統選に出馬するとの観測も出ている。盧氏は「全世界外交」を掲げ、台湾の主権は議論の余地がなく、いかなる政権の付属物にもならないと主張。米中双方と一定の距離を置く立場を示している。
親中とされがちな国民党の中で、盧氏は日本など民主主義国との連携強化を図り、台湾の独立でも統一でもない「現状維持派」の中間層の取り込みを目指しているとみられる。2024年11~12月に実施された民間テレビTVBSの六都市長施政満足度調査では、66%という高い支持率で首位を獲得。若年層から中高年まで幅広い支持を得ており、若手の新星である蔣萬安台北市長(54%)との差も開いている。
国民党関係者は、2024年立法委員選挙での台中市における国民党の躍進(8選挙区中6区で勝利)について、盧氏の人気が大きく貢献したと分析している。台湾の政治地図において、北部が国民党、南部が民進党支持という構図の中、台中市の投票動向は総統選・立法委員選の結果を左右する重要な要素となっており、国民党が立法院で第1党となった要因の一つとも評価されている。
なお、1961年に台湾北部・基隆市で生まれた盧氏は、台湾政治大学を卒業後、中華テレビに入社。台湾省議員、立法委員6期を経て現職の台中市長を務めている。
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