日本銀行は1月に再び利上げを実施し、市場は今年も利上げ基調が継続すると見ている。特に最近は円高傾向が強まる中、日本株市場は足踏み状態が続いており、上昇トレンドが持続できるかが注目されている。アナリストらは、日本経済の緩やかな成長と企業収益の良好な見通し、さらに長期資金の流入が、日本株式市場の持続的な上昇を支える重要な原動力になると指摘している。
日本の2024年国内総生産(GDP)が初めて600兆円を突破し、名目成長率は2.9%を記録。これは4年連続のプラス成長となり、インフレを除いた実質GDPもプラス成長を維持。財務省も2月上旬に国際収支統計を発表し、経常黒字額が29兆2,615億円と過去最高を記録した。
第一金量化日本ファンドのアソシエイト・マネージャー、高若慈氏は、最近のグローバル株式市場はトランプ米大統領就任後の各種政策の影響を反映し続けていると分析。石破茂首相はトランプ就任後、ホワイトハウスで2番目に迎え入れられた外国首脳であり、日米友好関係の方向性を示唆している。石破氏は軍事、天然ガス調達、対米投資増加を通じて、ハイテク新産業と消費の下支えを獲得。軍事調達の拡大は、日本の防衛産業重視と日米技術協力の可能性を浮き彫りにしている。
財務省の統計によると、2024年の日本の経常収支黒字は29兆2,615億円に達し、前年比6.7兆円増(29.5%増)となった。円安による輸出競争力の向上で貿易赤字が縮小し、海外投資からの為替収益の増加、訪日観光客によるサービス収支の改善などが成長を牽引している。
高氏は、観光客の消費がGDPと経常黒字の拡大に寄与していると指摘。日本百貨店協会の統計によると、2024年の百貨店売上高は5.99兆円で、成長率は6.8%とコロナ禍前の水準を回復。年間訪日観光客数は3,687万人と日本の総人口の30%に迫り、訪日消費総額は8.14兆円と、いずれも過去最高を更新した。
さらに、4月13日から10月13日まで大阪万博が開催され、年間訪日者数は4,000万人を超えると予想されている。石破首相がトランプ氏を招待しており、実現すれば更なる米国からの観光客増加が期待され、関西圏の消費と経済の起爆剤となることが期待される。
高氏によると、日経平均株価は年初来40,000円前後で推移しており、株価評価は依然として割安で長期的な投資価値があると指摘。調整局面での段階的な投資を推奨している。特に利上げの恩恵を受ける金融株、AIサプライチェーンの恩恵を受けるハイテク株、防衛軍事発展関連の重工業株が最近好調で、注目に値するという。 (関連記事: 台湾、コロナ後の回復率5割未 「消えた日本人観光客の呼び戻しへ」円高前の準備急ぐ | 関連記事をもっと読む )
今年の日本株式市場における4つの投資機会
イーストスプリング・インベストメンツは、日本の利上げは設備投資や賃金データなどを考慮したものであり、経済は緩やかな成長トレンドにあると分析。企業収益は10%以上の成長が見込まれ、長期資金の流入など複数の成長要因が今年の日本株式市場を支えると予想し、投資家に日本株ファンドへの継続的な投資を推奨している。