2月14日、八大工商団体が共同で「114(2025)年工商団体春節聯誼」を開催し、総統の賴清德が中央省庁の首長らを率いて工商団体と新年の挨拶を交わしたが、経済部からは高官の出席がなく、局長クラスのみの参加となった。財界は非公式に不満を漏らし、経済部長の郭智輝が産業に関心を向けていないと考え、冗談めかして「本当に産業を気にかける経済部長はどこにいるのか」と探し求めている。
工商団体は毎年旧正月後に集まり、政府と互いに祝福を交わすのが恒例となっている。今年は全国商業総会が主催し、全国工業総会、工商協進会、全国中小企業総会、工業協進会、台湾区電機電子工業同業公会、工業区廠商連合総会、対外貿易発展協会など八大工商団体が共同参加し、例年通り総統の出席を要請した。
経済界と政府との対話も三度四度の要請が必要
許舒博商業総会理事長は、新年に向けて米台関係、両岸関係、経済政策の安定化を期待。与野党関係も「家和」を最高原則とし、経済界が安定と団結を基盤に、グローバル展開を拡大できることを望むと述べた。
しかし、この行事において経済界は非公式に不満を漏らしている。総統が出席する行事であるにもかかわらず、経済部は部長が欠席しただけでなく、次長や主秘などの代理出席もなく、いわゆる「経済部四長」が全員欠席という異例の事態となり、最高位の出席者は投資促進司や中小・新興企業署などの部署長に留まった。

経済界は、かつては経済部との関係が密接で、産業の問題は団体を通じて政府と協議できたが、現在は経済界が政府と対話するのにも三度四度の要請が必要で、ましてや個別企業が「聖上に謁見する」のはさらに困難であり、経済部と面会できることは「恩寵に感謝」しなければならないような状況だと嘆き、政府の関心を感じられないと述べ、冗談めかして「本当に産業を気にかける経済部長」を探し求めていると語った。
郭智輝部長は当日、重要会議のため欠席し、夜には「台湾上場企業協会」の新春交流会に出席したとのことだが、経済界は「国家安全会議」を理由に欠席したことに疑問を呈している。総統が出席できたのに、経済部長が出席できないのは何故かと批判している。
郭智輝の不対応が賴清德の負担を軽減
産業界は昨年520以降、経済部が伝統産業を軽視していることを初めて表明し、さらに現在の郭智輝の指導下では「半導体産業のみを重視している」として、むしろ半導体部に改名すべきだと指摘している。産業界はまた、グローバル経済環境の急速な変化や米国のトランプ政策の急激な変更に直面する中、国内には明確な産業政策がなく、同時にエネルギー供給問題も未解決のまま、産業界の声が届いていないと批判している。
しかし、産業界が悲鳴を上げる中、当初2月に各省庁首長の小規模な異動があるとの噂があり、各界は経済部への異動があるのではないかと期待していたが、2月中旬の時点で内閣改造に関する具体的な情報はない。

民進党に近い人士の話によると、現在郭智輝の地位は極めて安定しており、動揺の兆しは全くないという。主な理由は、各界が経済部に事案の処理を期待するものの、利益配分に関わる問題は避けられず、郭智輝がそれらを全く処理しないため、経済部に要望がある人々を困らせているためだ。しかし、これは賴清德にとっては望ましい事態であり、「経済部が対応しないなら、総統もどうしようもない」という状況を作り出し、賴清德にとっては非常に都合が良く、むしろ郭智輝への信頼を深める結果となっている。
どの勢力も得をせず、奇妙な力の均衡に
政府高官は、従来の経済部長は各勢力の調整に苦心していたが、現在は誰も得をしない状況が、逆に奇妙な均衡をもたらしていると指摘している。
一方で、郭智輝の下での業務は困難を極めているとの声も。民間出身の部長の柔軟な発想と、行政機関の規則に基づく運営との間のギャップが大きく、内部調整に多くの時間を要しているという。
編集:梅木奈實 (関連記事: 民進党の林岱樺立法委員が事務員給与費の汚職疑惑!検察と調査局が自宅・事務所を捜索、取り調べへ | 関連記事をもっと読む )
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