台中市長が札幌ドームを視察、多機能設計に感銘 「人間中心」の理念を台湾へ持ち帰る

台中市の盧秀燕市長が札幌ドームを視察し、多数の機械設備や用途に応じて調整可能な座席配置に感銘を受けた。(写真/台中市政府)

台湾・台中市の盧秀燕市長は日本視察団を率いて、25日早朝に日本六大ドームの一つである札幌ドームを視察し、取締役事業本部長の西出幸広氏が自ら応対した。盧市長は、札幌ドームはすでに20年の運営歴史があり、建設時から多目的機能を設計し、室内の人工芝及び屋外の天然芝があり、野球、サッカーだけでなく、雪上競技や氷上スポーツも開催できると述べた。また、多数の機械装置により、異なる用途に応じて座席を調整できることに感嘆し、台中市の参考になると話した。

盧市長は25日、施設職員の案内のもと、座席、競技場、ブルペン、選手控室及び展望台等の設備を順次視察した。このドームが可動式芝生、90度回転して収納できる観客席を備えているだけでなく、ホームチームとビジターチームの公平性を考慮し、施設周辺には遮光の開閉設計があることに、日本の職人の心遣いとプロ意識を十分に感じ、台湾にとって非常に参考になると評価した。

市当局の説明によると、札幌ドームは2001年に開業し、約5万3千人の観客を収容可能で、野球とサッカーの共用施設となっている。空気圧浮上技術を用いた可動式天然芝サッカー場により、柔軟に会場を切り替えることができる。これまでFIFAワールドカップ、アジアカップ、キリンチャレンジカップ(国際親善試合)、東京オリンピックサッカー競技等の国際サッカー大会、さらにコンサートや展示会などのイベントも開催してきた。台中市では現在大型ドームを計画中であり、今回の視察を通じて関連する成功経験を吸収し、将来の施設設備計画がよりニーズに合ったものになることを期待している。

台中市長盧秀燕參訪AOAO SAPPORO水族館,盛讚整體布展走精緻路線,讓每個水族箱都像一幅畫。(圖/台中市政府)
台中市の盧秀燕市長がAOAO SAPPORO水族館を視察し、全体の展示が精緻な路線を取り、各水槽が一幅の絵のようだと絶賛した。(写真/台中市政府)

台中の海洋館が今年の夏季に開業予定であることから、盧秀燕市長は午前中の札幌ドーム視察後、午後には札幌市中心部にある「AOAO SAPPORO」水族館を視察団と共に訪問し、館長の山内将生氏が自らガイドを務めた。

盧秀燕市長は、郊外の広大な敷地を持つ水族館と比較して、AOAO SAPPORO水族館は札幌市の都会のビル内に位置し、全体的な展示は洗練された路線を採用していると指摘した。さらに日本庭園と「禅」哲学の概念を組み合わせ、各水槽が絵画のようになっており、空間に漂う香りのアロマオイルによって、自然と共存する静かでリラックスした雰囲気を作り出していると述べた。

特に同館は「人間中心」の考え方を採用し、水族館の展示とカフェが同一空間に共存し融合しており、適切に飲食を許可しながらも生物環境の維持に影響を与えないよう配慮し、消費者のニーズに応えている点が印象的だった。

盧秀燕市長は館長と館側の心のこもった手配に感謝し、視察団が都市型水族館の経営モデルを理解する機会となったと述べた。同館長は過去に台中海洋館の初期設計にも関わっていたことから、盧市長は直接館長を今年の海洋館のオープニングセレモニーに招待した。

これに対し、館長は前向きな返答をし、市長一行が各展示スペース細かく観察し、濃厚な興味を示したことに喜びを表明。市長が市府団を率いて視察・交流に訪れたことに感謝し、機会があれば台中を訪問したいと述べた。

市当局によると、AOAO SAPPORO水族館は2023年7月に開業し、独自の都市型水族館コンセプト、没入型展示技術と環境に配慮した経営モデルにより、日本の水族館界に新たな基準を打ち立てた市当局は、この成功経験を参考に台中海洋館の将来の運営に役立てたいと考えている。

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