内幕》民進党高層は以前から林岱樺との調整を望んでいた?「防風林」が形成され 高雄市長予備選は単純化へ

2025-02-24 10:47
民進党の立法委員林岱樺が助手手当問題で発覚し、緑営の高雄市長予備選に変数を投じた。(資料写真、陳昱凱撮影)
民進党の立法委員林岱樺が助手手当問題で発覚し、緑営の高雄市長予備選に変数を投じた。(資料写真、陳昱凱撮影)

2026年の高雄市長選挙への出馬意向を示していた民進党の林岱樺立法委員は、助手手当の詐取疑惑などで、立法院事務所と地方事務所が捜査当局の家宅捜索を受け、取り調べ後21日未明に100万台湾ドルの保釈金で釈放された。この事態は2026年の民進党高雄市長候補者指名戦に変数が生じることとなった。党幹部は、林岱樺は独自の路線を行く性格で、党内各派とは疎遠であり、上層部は当初から調整を試みる意向であったが、林岱樺の勢いが衰えない場合、他の立候補者たちで「防風林(防風壁)」を形成し、一致団結して林氏と対決、林以外の最有力候補の勝利を目指す可能性があると指摘している。

民進党の予備選制度について、党幹部は『風傳媒』に対し第一、二、三類公職候補者指名世論調査方法」の規定を説明。大統領、直轄市長、県市長選挙では「対抗馬比較方式」のみを採用する。対抗馬の選定は特定の優先順位に従い、まず予備選候補者が認める対抗馬、次に主要対抗政党が正式に指名した候補者を考慮するとしている。これは党内予備選では対抗馬との世論調査で勝負を決めなければならないことを明確に示している。

この党幹部は先日の『風傳媒』による高雄市長選の世論調査を例に挙げ、民進党内の調査ではまず対抗馬との比較を行い、全員に勝った場合に支持率の高低を比較するが、対抗馬との差は比較しないと説明。そのため、党内の邱議瑩立法委員の支持率32.7%は林岱樺氏の31.9%をわずかに上回り、民進党規則では差ではなく支持率を比較するため、邱議瑩氏が林岱樺氏をリードしているとされる。

20250220-高雄地檢署20日搜索民進黨立委林岱樺立院辦公室。(顏麟宇攝)
高雄地方検察署が20日に民進党林岱樺立法委員の立法院事務所を捜索。(資料写真、顔麟宇撮影)

独行性の強い林岱樺氏に地方から異論 幹部は調整を意図

民進党の高雄地方関係者は、林岱樺氏が正国会に加入しているものの、その性格から他者との関係構築が常に困難だったと指摘する。実際、2020年の韓国瑜市長リコール後、現職の陳其邁高雄市長が「高雄奪還」を掲げて林氏の選挙区で街頭活動を行った際、林氏が欠席するという事態が発生し、多くの地方関係者が私的に林氏に対して強い不満を抱いているという。

そのため、この期間、林岱樺氏の世論調査での支持率が高かったにもかかわらず、党幹部が仲介に乗り出し、党内の立候補希望者たちが共通候補を擁立して林氏の指名阻止を図ることを期待している。特に国民党から高雄市長選への出馬が最も有力視されている柯志恩立法委員は、最近、国民党と民衆党による立法院での総予算凍結解除削減の影響を受けているものの、一定の存在感を保っており、民進党にとって2026年の高雄市長選は容易な戦いとはならないだろう。 (関連記事: 林岱樺議員の捜査は黒幕の仕業か?郭正亮氏が柯文哲案との類似性を指摘:地方の確執が関係か 関連記事をもっと読む

20250220-國民黨政策會執行長柯志恩20日出席「2025民生議題調查系列:長照保險制」民調發布會。(顏麟宇攝)
国民党政策会執行長の柯志恩は国民党高雄市長の有力候補とされている。(資料写真、顔麟宇撮影)

邱議瑩氏の勢い上昇 高雄予備選の情勢が明確化

林岱樺氏以外では、与党内部で邱議瑩氏の勢いが徐々に上昇していることが観察されており、中央評議会主任委員を務める賴瑞隆氏も積極的に活動を展開。現在、幹部が望む共通候補の姿が次第に浮かび上がってきている。陳其邁市長は公に支持を表明しないものの、2025年2月7日に高雄で開催された邱議瑩氏の「生命の温かい戦歌」新書発表会で陳市長は応援に駆けつけ、同性婚支持の際に邱氏が「立法委員など大したことではない、人権・自由の方が重要だ」と述べたことを引用し、困難な状況下でも理念を貫く姿勢を評価。もともと邱議瑩氏を強く支持する蘇系に加え、陳其邁市長の発言にも肯定的な意味合いが感じられる。

最新ニュース
鹿児島県出水市長が台湾・桃園市訪問 桃園市の蘇副市長が外交の秘密兵器を披露
韓国の半導体技術水準、中国に逆転される!トランプ氏のTSMC圧力とインテル救済がサムスンの転換点に
DeepSeekの奇襲で2億ドルが蒸発!中国が米国のビッグ・テック7社を複製中
世論調査》大規模リコールが自身に飛び火?頼清徳氏の信頼度が50%を下回り、不満度は就任以来最高に
特報インタビュー》関税より科学技術戦が主戦場へ―中央研究院・朱敬一院士が語る台湾半導体の優位性
内幕》45日かかった柯文哲に対し、黄国昌はたった3日で彼女の同意を得る この人物の民衆党復帰が最強の政治的布石に
日本で餃子店経営 9億元稼ぐも、自身は破れた畳で生活…100歳の台湾独立革命家・史明の私生活明らかに
YouTubeクリエイターに没頭 クォーターのZuzuさん、日台友好の架け橋目指す
『雨の中の情欲』東京国際映画祭コンペティション部門に 金鐘奨・助演女優賞の李杏「監督の特別な指導」を明かす
金馬奨受賞の李康生 主演映画、『黒の牛』東京国際映画祭に登場! 撮影中「牛から振り落とされ…」と告白
内幕》曹興誠はなぜ彼女の魅力された?中国籍愛人の驚くべき経歴が明らかに 広州企業に1.3億元投資、多岐にわたる事業は
台湾のバンドが日本語で創作! “ゲシュタルト乙女”インスピレーションの源を明かす、バンド名は心理学から
台湾人投手・王彦程選手インタビュー》心境の変化を語る「来年は100イニングを」
初の個展を日本で開催!音楽専攻出身の潘克定 中年での「人生リスタート」新進気鋭の写真家に
「大規模リコール」で全台湾動員 連勝文氏が民進党を批判「権力争奪を画策」:中国の文化大革命と変わらない
台湾・国民党の台中市長が近く訪日 次期総統選へ布石
陶朱隠園、「一戸41億円以上」から半額で販売へ!管理費はいくら?政府の政策が販売開始の背景に?
唐獎特集映像:許倬雲氏が語る戦争と平和 戦争体験から導く両岸協力と文化復興への願い
台湾最強のカフェはどこ?世界トップ100入り「濃厚で繊細なコーヒー、感動的なケーキ」で外国人も訪れる聖地に
夏珍コラム:政治の司法介入、司法の予備選介入―粛清か汚職捜査か?
林岱樺議員の捜査は黒幕の仕業か?郭正亮氏が柯文哲案との類似性を指摘:地方の確執が関係か
東アジア情勢さらに複雑化?専門家がトランプ氏の対中露朝「穏健」姿勢を懸念:韓国の視点から見る「楽園」台湾
コラム:アメリカの対台湾姿勢に変化、台湾独立派はまだ夢を見ているのか
トランプ氏にとって台湾はより「取引材料」に?NYT:習近平主席との直接対話を望み、より広範な米中新協定を目指す
【新新聞】舞台裏》消えた大臣 実は大統領が頼りにする防波堤
民進党の林岱樺立法委員が事務員給与費の汚職疑惑!検察と調査局が自宅・事務所を捜索、取り調べへ
アジアのテック長者が交代!DeepSeekの梁文鋒「資産総額がジェンスン・フアン氏に迫る」量的ヘッジからAI覇者への伝説的な道のり
アメリカでまた空の事故!小型機が空中衝突、2人死亡
円高が進行する中、日本株はまだ上昇するのか?投資機会についてアナリストが指摘、今後の上昇を期待
故宮、動物園に負けた!台北人気スポット、第1位は「あの場所」に!観光客絶賛
新北ドーム建設へ、6カ所の候補地が明らかに 新北市長の侯友宜「年内に決定」と約束
岸田前首相暗殺未遂 木村被告に懲役10年の判決
インタビュー》米経済ナショナリズム台頭下の台湾戦略―専門家「対米関係、恐れずwin-winを」
任天堂が衝撃発表!台湾子会社設立へ 4月から新体制、「このこと」に懸念の声も
トランプ2.0の台湾の米中関係における役割は?東大学者が北京の「一つの中国政策」へのさらなる挑戦を分析
米半導体関税25%へ―トランプ氏「大手企業の投資表明、間もなく」
日本の戸籍国籍欄に「台湾」表記、中国が反発 日本政府「内政問題」と一蹴
評論:黄国昌の「第二の人生」
【朗報】日本の戸籍・国籍欄に「台湾」表記が実現へ 謝長廷氏が8年間の舞台裏を語る
中国軍が台湾侵攻した場合、日本は支援するのか?元安保局長が前提を明かす:自衛隊は法に基づき対応する
台湾に不安広がる!NYTimes報道:頼清徳政権、トランプ陣営との効果的なパイプライン構築できず
トランプに大きな贈り物を?ロイター独占:台湾が対米軍事調達を検討、金額は最大100億ドル規模
中国人がタオバオで購入のゴムボートで密入国!林口で座礁し119に救助要請:台湾の自由に憧れて…有罪判決を受けた
「“中国”と書かされるのは恥辱!」日本の戸籍・国籍欄に「台湾」記載可能に、在日台湾人:時期が来たら即座に変更希望
米国務省「台湾独立支持せず」を削除、台湾の国際機関加盟を支持 専門家:中国による国連決議2758の曲解を否定
インタビュー》TSMCは米国企業に変わりつつある?緑営政権の誤った親米戦略を指摘 王屏生:「台湾の至宝」を無駄に
柯文哲、昨日緊急面会へ!「柯父」が今朝永眠 享年92歳
「マネーロンダリングのゴッドファーザ」涂誠文事件の重要関係者“揚盛集團”、上場企業に資金投入
米国務省ウェブササイト更新「台湾独立の不支持」を再び削除!:台湾はインド太平洋の重要なパートナー、米台「非公式関係」は安定
民衆党・新党首選挙 黃國昌氏が得票率96%で圧勝! 約9000票を獲得、蔡壁如氏はわずか360票