重要インタビュー》トランプ政権下で「台湾放棄論」が再燃!国民党副主席が警告「対米外交には"トランプ理解者"が不可欠」

国民党副主席の夏立言氏は、与党チーム、特に国家安全保障チームには、より多くの「トランプ理解者」が必要であり、それによって国家の利益を守ることができると指摘した。(蔡親傑撮影)
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アメリカのトランプ大統領は就任後、「習近平は良い友人で、彼を尊敬している」と述べ、就任100日以内に北京を訪問したいと宣言した。しかし同時に「台湾防衛のために軍を派遣するか」については明言を避けている。最新号の『フォーリン・アフェアーズ』には「台湾放棄論」に近い特集記事が掲載され、ワシントンに対して台湾をアジア戦略の中核とせず、台湾の重要性を過大評価しないよう呼びかけている。中国国民党副主席の夏立言氏は最近『風傳媒』のインタビューで、このような状況下で、ウクライナの例もあることから、トランプ大統領は絶対に台湾情勢がウクライナのような状況に発展し、アメリカの手に負えない重荷になることを望まないだろうと指摘した。そのため夏立言氏は、与党チーム、特に国家安全保障チームには、より多くの「トランプ理解者」が必要だと主張している。

風傳媒』は創刊11周年を記念して3月7日に晶華ホテルで「大波の到来(大浪當前)」フォーラムを開催します。国民党副主席の夏立言氏は重要ゲストとして招待されている。夏立言氏は昨年、世界中を奔走し、アメリカに2回、インドネシア、シンガポール、ベトナムを訪問し、さらに中国本土には約10回訪問して東西南北を巡り、国際情勢と両岸関係について深い観察を行っている。

両岸関係:「馬習会談」から「赤十字会対赤十字会」時代への後退

両岸関係の近年の変化について、夏立言氏は次のように述べている。過去には国共内戦や冷戦のため、「三不政策」(接触しない、交渉しない、妥協しない)という相互不関与があり、戒厳令解除後に両岸の赤十字会レベルから接触が始まり、その後、海基会と海協会(両岸二会)、さらに陸委会と国台弁の高官会談へと発展し、ついには「馬習会談」という両岸指導者会談でピークに達した。現在、両岸の交流は指導者会談から一気に後退し、「赤十字会対赤十字会」の時代に戻ったようである。例えば、2024年の「金門船転覆事件」では、泉州台湾事務所副主任が大陸赤十字会顧問の立場で金門に来て協議した。最近では、大陸赤十字会の副会長が台湾訪問を申請したが、申請期間が1年もかかるとのことである。

「馬習会談」の歴史的な会合の重要な実施者として、夏立言氏は、現在の台湾社会がまだ馬英九氏や馬政権時代に公正な評価を与えていないと指摘している。その時期は両岸の交流が頻繁だっただけでなく、台湾の国際的な空間も大幅に拡大し、8年間にわたり世界保健総会(WHA)、国際民間航空機関(ICAO)に参加し、アジア太平洋経済協力(APEC)首脳代表のレベルを引き上げ、ニュージーランドやシンガポールと自由貿易協定(FTA)を締結し、100以上の国と地域でビザ免除が実現し、台湾海峡は平和の海であった。現在、北京は福建からの観光団の台湾訪問を再開しようとしているが、台湾政府は「観光小二会」を通じてしか開放できないと主張している。与党が交流強化を訴えながらも、なぜわざと難癖をつけるのか理解に苦しむ。実際には、パンデミック前の状態に戻すだけで十分なはずである。