「衝撃の大臣」郭智輝氏がまた驚くべき発言をした。先週の立法院(国会)での質疑で、立法委員が卓栄泰行政院長(首相)に、トランプ氏が台湾の半導体チップに100%の関税を課すことが合理的かどうかを問うた際、傍らにいた郭智輝氏は「必ずしも不合理ではない」と「早々に答える」のに忙しかった。台湾の経済部長(経済産業大臣)として、郭智輝氏は再び自身の適格性に問題があることを証明した。
郭智輝氏が「早々に答えた」後、卓氏は急いでフォローしたが、それに続いて郭氏はさらに「中華民国に対して必ずしも不合理ではない」と強調した。もし50%で十分なら、50%しか課さないだろう、それは主に米国内の産業を守るためだと述べた。最終的に卓氏は、政府は不公平な関税が生じないよう努力する、我々は不公平な関税を必要としないと回答した。
この質疑応答で、郭智輝氏は専門性の不足、さらには無知を露呈しただけでなく、経済部長としての責任すら理解していないことを露わにした。
台湾の経済部長として、どの国であれ、誰であれ、台湾の利益を損なうことをしようとするなら、断固として即座に「ノー」と言い、絶対に受け入れられないはずだ。ましてやそれを合理化することなど論外である。トランプ氏が台湾の半導体チップに100%の関税を課すと脅すことは、必然的に「国益を損なう」ことであり、理由も全くない。WTOの規範に違反し、ITA(情報技術協定)の関税免除規定を無視するものであり、これは基本的に「他者を傷つけ自らも利益を得ない」政策で、台湾と米国の両国に損害を与える可能性が高い。
したがって、郭智輝氏が立法院で公然とトランプ氏を擁護し、「必ずしも不合理ではない」「米国内の産業を守るため」などと発言したことは、非常に不適切であり、「愚かしい」と形容できるほどだ。経済部長としては、台湾の立場—例えばWTO規範の遵守、自由貿易やITAの支持など—を明確に述べるだけで十分であり、トランプ氏や米国を悪し様に批判する必要はない。結局のところ、台湾は「怒らせられない」トランプ氏と米国という「大神」を持つが、台湾の利益を損なうような米国の政策を積極的に弁護したり合理化したりする必要もない。立法委員が「あなたはどこの国の人間か?」と大声で叱責したのも無理はない。
実際、郭智輝氏がどこの国の人間で、どこの国の大臣を務めているのか混乱している事例は今回が初めてではない。例えば、彼が何度も言及する「オフショア・オンショア」の主張、日本に行って現地のサイエンスパーク設立を支援したり、TSMCのサプライチェーンを海外に工場設立するよう導いたりする行為、「サプライチェーンの現地化を支援するため、九州にサービス会社を設立し、ワンストップサービスを提供する計画」などは、台湾の経済部長としての責任を完全に忘れ、さらには意味不明な政策である。
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経済部の責任は何かと問えば、最も表面的には企業の投資や工場設立を支援し、経済発展を促進することだ。しかし、より深く見れば、経済発展を促進する目的は雇用を創出し、国民の生活の質を向上させることにある。企業に大きな利益をもたらす政策があっても、それに伴うコストが全国民の負担になるならば、その政策は明らかに推進すべきではない。