JR東日本は11日、交通系ICカード「Suica(スイカ)」のマスコットとして親しまれてきた「Suicaのペンギン」が、2026年度末をもって「卒業」すると発表した。
2001年の誕生から25年 Suicaの顔として貢献
「Suicaのペンギン」は、イラストレーターで絵本作家の坂崎千春氏によってデザインされた。南極に生息するアデリーペンギンをモチーフに、2001年のSuica導入時からカードの券面やポスター、CMなどに登場し、Suicaブランドの象徴的存在として定着した。
かわいらしい姿で幅広い世代に親しまれ、ぬいぐるみや文具、雑貨といった関連グッズも人気を博した。上野駅や大宮駅には専門ショップ「Pensta」も開設されるなど、鉄道ファン以外にも支持を集めてきた。
JR東日本の喜勢陽一社長は会見で「ペンギンの大きな貢献で、Suicaが親しまれ、愛されるようになった。スイカは移動と少額決済のプラットフォームから生活のデバイスへと進化し、スイカそのものが変わる。(ペンギンも)ここで卒業し、新たなキャラクターにバトンタッチしてもらう」と語った。
新キャラクターは未定、一般公募の可能性も
後任キャラクターについては現在未定で、今後は鉄道利用者など一般からの意見を募る形も検討しているという。JR東は「卒業の年までファンの皆さまに感謝を伝えるため、特別キャンペーンを順次実施する」としている。
作者・坂崎千春氏「幸せな25年間でした」
「Suicaのベンギン」を生み出した坂崎氏は、JR東日本を通じてコメントを発表した。
「2001年に『Suica』のイメージキャラクターとして選んでいただいたとき、とてもうれしく誇らしかったのを覚えています。ポスターやCMに登場しグッズになり、多くの方々に愛され、『Pensta』というショップもできました。25年という長い時間、『Suicaのペンギン』として歩むことができて幸せでした。最後の1年も精一杯務めさせていただきます。応援してくださった皆さま、今まで本当にありがとうございました。」と感謝の言葉を寄せた。
Suicaの進化も加速 1億2千万枚を突破
JR東日本によると、「Suica」はカードとモバイル版を合わせて発行枚数が1億2千万枚を超え、日本を代表するキャッシュレス決済基盤に成長している。2026年秋にはQRコードやバーコード決済機能を追加し、チャージ上限を現行の2万円から30万円に引き上げるなど、大幅な機能拡張が予定されている。
四半世紀の歴史に感謝と惜別を
Suicaのペンギンは、Suica誕生とともに日本の交通とキャッシュレス文化を象徴する存在となった。2026年度末に迎える「卒業」は、利用者にとっても一つの時代の節目となりそうだ。JR東日本は「ペンギンに感謝し、新たなSuicaの未来へ進む」としている。
編集:梅木奈実 (関連記事: 「Suicaのペンギンフェア2025」東京駅で9月24日スタート!限定スイーツ&グッズ17商品が登場 | 関連記事をもっと読む )
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