中国人民解放軍東部戦区は14日、戦区の陸軍、海軍、空軍、ロケット軍などの部隊を動員し、台湾海峡、台湾島北部、南部、台湾島以東で「連合利剣-2024B」演習を実施した。東部戦区はさらに、この日台湾島北部と南部で同時に重要港湾の封鎖管制、区域制圧、海上攻撃、陸上打撃などの科目演習を行い、部隊の多領域協同、システム対抗、精密打撃能力を検証したと説明。
注目すべきは、「連合利剣-2024B」の演習科目に初めて「重要港湾・重要領域の封鎖管制」が登場したことだ。中国メディアの深圳衛視傘下の「直新聞」は、これは必要時に台湾島への出入りの重要港湾、海上通路に対して統合封鎖管制を実施し、台湾島と域外干渉勢力との連絡を断ち切り、台湾島に厳密な「封鎖」を実施して、完全に孤立させることを明確にしたものだと解説した。
「直新聞」は、「連合利剣-2024A」と「連合利剣-2024B」は一連の系列化された演習であり、明らかな連続性があり、実戦の観点から見ると、「連合利剣-2024B」は「連合利剣-2024A」を基礎とした後続行動だという。例えば、「連合利剣-2024A」は台湾島への「封鎖」に加えて、金門、馬祖、烏坵、東引などの外島も含んでいたが、「連合利剣-2024B」は台湾島のみにより厳密な「封鎖」を実施している。つまり、「連合利剣-2024A」は実戦の観点からすべての外島を「解決」し、その後「連合利剣-2024B」で台湾島の「解決」に専念するという流れだ。
演習科目について、「直新聞」は、「重要港湾・重要領域の封鎖管制」が初めて登場したことに加えて、「総合的優位性の獲得」も注目に値すると分析。「連合利剣-2024A」には「戦場の総合的コントロール権の統合獲得」という演習科目があったが、「連合利剣-2024B」の「総合的優位性の獲得」科目は表現が簡略化され、特に「戦場」という言葉がなくなった。これは実際には表現の簡略化であり、内容はより豊富になっている。「戦場の総合的コントロール権」は明確に戦場のみを対象としているが、「総合的優位性」は戦場だけでなく、他の面での優位性も含んでいるためだ。
上海復旦大学国際政治学科の沈逸教授もこれについて見解を述べ、新たに追加された「重要港湾・重要領域の封鎖管制」科目は、より明確な方向性と対象性を持ち、解放軍の対台湾能力とその体系がより階層化されていることを示していると考えた。
沈教授は、「連合利剣-2024B」の方向性は非常に明確で、「台湾独立」を威嚇し、実質的に統一プロセスを推進することだと指摘した。「連合利剣-2024B」の演習では「重要港湾・重要領域の封鎖管制」が追加され、同時に4つの海警編隊(万トン級海警船を含む)が伴っていることを指摘し、これは中国の特色ある灰色地帯、つまり非致死的武力と軍事力の非致死的運用領域における行動能力を示していると述べた。
沈教授はさらに、「連合利剣-2024B」が示す地域拒否能力は、先の大陸間弾道ミサイル発射と合わせて、アメリカに明確なメッセージを送ったと推測した。台湾問題の解決には当然アメリカを避けて通れないとし、能力と能力体系の比較から見ると、中国が台湾問題を解決する際に持つ地域拒否能力は、アメリカが効果的に相殺できない方向に継続的に進んでおり、実質的にアメリカの戦略エリートの心理的認識の転換点を越えるのも時間の問題になっていると述べた。
編集:佐野華美
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