独占舞台裏》台湾.嘉義政界「伝説の戦神」2026年に引退へ 国民党は黄敏恵市長の後継に「彼女」を指名

2025-03-07 14:29
嘉義市長の黄敏惠(左)は国民党の南台湾唯一の執政地方首長だが、任期8年満了を迎えるも後継者不在で、国民党中央は2026年の前線陥落を懸念している。(資料写真、柯承惠撮影)
嘉義市長の黄敏惠(左)は国民党の南台湾唯一の執政地方首長だが、任期8年満了を迎えるも後継者不在で、国民党中央は2026年の前線陥落を懸念している。(資料写真、柯承惠撮影)

2026年の県市長選挙まであと1年9ヶ月ある中、与野党各党はすでに態勢を整え始めています。特に2022年の選挙で14の県市長ポストを獲得して大勝した国民党は、現職の県市長9人が任期2期8年の上限に達するため、2026年には新たな候補者を擁立しなければならず、地方での政権基盤を維持するプレッシャーは非常に大きいです。中でも伝統的に「緑が藍を上回る」選挙区である嘉義市と宜蘭県は、国民党中央が選挙情勢が厳しいと認識しており、全力を尽くして守るべき与党地盤とされています。

特に嘉義市は藍陣営(国民党)にとって南台湾唯一の橋頭堡と言えます。この10数年間、国民党は北港渓より南の県市で苦戦を強いられ、地区立法委員(国会議員)を一議席も獲得できないこともしばしばです。が、嘉義市だけは例外でした。政界に入って以来、選挙で一度も敗れたことのない嘉義市長・黄敏恵氏の力に頼り、国民党は嘉義市で強い存在感を保ち続けてきました。

黄敏恵氏の嘉義市での声望と影響力は、「伝説の戦神」と形容しても過言ではありません。1996年に黄氏が初めて国民大会代表選挙に出馬して当選して以来、1998年から2022年にかけて嘉義市での立法委員・市長選挙計7回のすべてで勝利を収めました。また台湾の地方自治史上、同じ県市で4期も当選し、累積任期が最も長い地方首長でもあります。

嘉義市長黃敏惠20日參加2024國際教育創新博覽會。(柯承惠攝)
黄敏惠は嘉義政界において伝説の戦神と称され、7回の大選全勝。政界に入って以来、選挙で一度も敗れたことのない(資料写真、柯承惠撮影)

​緑陣営の王美恵氏は戦闘力十分 国民党「地方には太刀打ちできる人材なし」と嘆く

問題は2026年に「不敗」の黄敏恵氏が退任した後、国民党が明らかに後継者不足の窮地に陥っていることです。現在、市長選への出馬意向が表明されている人物としては、鄭光宏市議員、陳家平市議員、2024年に国民党から立法委員選に出馬して敗れた張秀華市議員、さらには元々無所属で、前民衆党主席の柯文哲氏が総統選に出馬した際に嘉義市選対本部主任を務め、2024年総統選後に国民党に入党した医師の翁壽良氏などがいます。また嘉義出身の民衆党比例区立法委員・張啓楷氏も、白陣営(民衆党)から市長選への出馬が考えられますが、これらの候補者の実力や知名度について、国民党地方の選挙支援者さえも認めるところでは、2026年の県市長選挙で民進党候補に勝つ「可能性は極めて低い」とのことです。

過去20年の嘉義市長選挙を振り返ると、基本的な支持基盤が藍陣営よりもやや強い民進党は、2014年に元衛生署長の涂醒哲氏が国民党公認の元青年輔導委員会主任委員・陳以真氏を破って4年間の市政を担当しただけで、他の期間はすべて黄敏恵氏が市長を務めてきました。しかし、嘉義市の立法委員は最近数期にわたり民進党が勝利しています。市議選で市内最多得票を獲得した民進党の王美恵市議は、2020年に初めて立法委員選に転じて当選し、2024年にも無事に再選を果たしました。王美恵氏は黄敏恵氏と同様、地元密着型の政治スタイルで、草の根レベルでの影響力が非常に強く、一部の緑陣営市議との関係がぎくしゃくしていても、王美恵氏の支持率にはまったく影響が出ていません。藍緑を問わず嘉義市の地元関係者は皆、2026年に民進党が嘉義市の執政権を握る可能性は極めて高く、王美恵氏が公認を得れば「次期市長はほぼ間違いなく彼女でしょう」と見ています。

最新ニュース
早大野球部の黄鼎仁選手 — 台湾人として2人目、前任は日本統治時代にさかのぼる
気球だけでなく戦闘機も越境 中国の気球11個が台湾攪乱で過去最多 国防部は解放軍の意図を明かす
今週の最強舞台裏まとめ》米国の新「台湾放棄論」浮上、台湾・嘉義政界「伝説の戦神」引退、新人議員が党内に波紋、そして教育部が中国大学と断交
人物》台湾民進党総召集人柯建銘の電話を切って 大喧嘩を引き起こした新人立法委員・陳冠廷
調査》「中国統戦部に属する大学」は他にも? 台湾教育部が6年のタイムラグで大鉈を振るう この中国の大学に台湾人学生が最多
DeepSeekに続き、中国で新AI「Manus」が話題沸騰!住宅検索から株式分析まで可能 招待コードは20万台湾ドルまで高騰
「中国両会2025」台湾問題より内需拡大を最優先 過去30年で最高の財政赤字率4%に踏み切る李強政権
「護国神山」TSMC が米国へ、台湾は終わりか? 専門家分析「最初に潰れるのは韓国だ」
外資、台湾海峡戦争を懸念しTSMC米国移転を決断 「賴政権はまだ大リコールに夢中」
韓国軍、重大なミス!戦闘機が民家に爆弾誤投下 15人重軽傷
台湾、日本産牛肉の「全月齢」輸入解禁へ アメリカ・カナダに続き3カ国目の認定に
台湾は菜食料理大国と称賛 日本の「精進料理」名シェフが伝統から革新への覚悟を語る
台湾・桃園の交通が国際化!MRT桃園空港線が南海電鉄と組んでラッピング車両を展開
論評》原発追放、TSMCを追い出 台湾に残るのは大規模リコールだけ?
台湾・屏東の第三原発で火災発生!冷却塔から黒煙 原子炉の安全に影響なし
張忠謀TSMC復帰の噂!専門家警告「台湾工場の稼働率崩壊、インテルの二の舞いになる」
呉典蓉コラム》TSMCの米国進出 頼清徳はゼレンスキーに及ばず
京都初の創業ビザ取得!張舜智が注文システムで日本市場に進出 次のステップは台湾市場へ
【日英中全文】トランプ大統領、議会施政方針演説全文
TSMCが中国の手中に落ちても構わない?米国で再び「台湾放棄論」:台湾のために戦わず、台湾陥落に備え布石を打つ
トランプ議会演説、なぜ台湾を名指し?台積電の1兆円投資「最も恐れること」を見抜く!関税新政策の厳格実施を誓う
舞台裏》頼清徳の詰問も無駄!この国営企業が詐欺ブラックホールのワースト1に
舞台裏》語られぬ国軍の秘密作戦 顧立雄が2度言及した参謀本部の衝撃発言
ゼレンスキー大きく譲歩、「トランプ大統領の強力なリーダーシップで平和実現へ」軍事援助停止の直後に和平交渉の用意を表明
重要インタビュー》頼清徳の発言は民主党寄り?中央研究院学者が警鐘:トランプは「第一列島線」に関心なし、台湾が取るべき現実的戦略とは
自民党所属・神戸市議が台湾議会乱闘に衝撃「これは民主主義の自殺行為」 昨年賴清徳総統就任式に骨折を押して出席
DeepSeekの実態とは?「オープンソース」の嘘と安全性問題―台湾の計算能力不足が浮き彫りに
論評》ゼレンスキーの「悲壮」 台湾への警告
論評》台湾経済相「米国の半導体100%関税は不合理ではない」 どこの国の大臣?疑問視される郭智輝氏
トランプ氏、中国・日本に通貨安警告!「不公平だ」関税に続き通貨戦争も開始か
TSMCが過去最大の米投資、1000億ドル!日台計画や配当政策への影響は?
台湾学者が警告「トランプ&マスク連合が創る新帝国主義」 台湾、米国信仰を捨て中国と和解すべき時
「台湾はウクライナより孤立無援に」台湾の作家が警告―半導体交渉カードも失われつつある現実
李忠謙コラム》トランプ氏が大国間の駆け引きのチェス盤をひっくり返したとき
ウクライナへの全軍事支援停止をホワイトハウスが正式確認  トランプ氏「ゼレンスキーが譲歩するまで再開せず」
海外優秀人材を誘致 京都が「スタートアップビザ」推進に協力 第一号は台湾人起業家
台湾総統府、野党に大法官推薦の文書送付は慣例ではないと主張 黄国昌はこう反論:去年の民進党を否定するのか?
重要インタビュー》トランプ政権下で「台湾放棄論」が再燃!国民党副主席が警告「対米外交には"トランプ理解者"が不可欠」
台湾・台南の黄偉哲市長が熊本訪問!「日台会館」オープンに出席 両地域の絆さらに強く
トランプ大統領の関税政策でも揺るがぬTSMCの台湾生産基盤 エコノミスト誌が明かす半導体産業の現実
台湾台中市・盧秀燕市長、初の訪日で札幌・名古屋・東京を結ぶ!小池都知事との会談も実現
東京銀座の新ランドマーク「Ginza Sony Park」を現場取材 チームの建築理念を広報担当者へ直接インタビュー
舞台裏》台湾の無人機、少なくとも10年遅れ!中国軍「1万台制御可能」と主張 台湾侵攻の脅威に軍はどう対応?
日本で「声優」の夢を追いかけ… 台湾人女性“ねんねん”がYouTubeクリエイターに転身!
【南投旅行】日月潭が287万人を魅了!CNNが認めた絶景サイクリングロード、清境や九族文化村を上回る
19年ぶりに台湾人監督が黒澤明賞 受賞 傅天余監督「非常に光栄だ」
キャンバスからカメラへ転身 写真家・小孟が日本で挑戦:「瞬間を記録する感覚がより私を満たしてくれる」
インディーズバンドSweet John、初の日本公演「夢の武道館へ第一歩」
逢甲夜市は4位!台中の最強スポット第1位は917万人集客 観光客絶賛:「台中で必ず訪れるべき、半日は過ごせる」
高雄トレンドフェスティバル、週末に愛河で盛り上がろう! トレンディなマーケット・音楽パーティーが登場