2025年東京国際食品展開幕 台湾館が日本市場での存在感を強化

2025年の東京国際食品展が3月11日、東京ビッグサイトで開幕。(写真撮影:黃信維)

2025年の東京国際食品展が3月11日、東京ビッグサイトで開幕しました。 今年は経済部国際貿易署と外貿協会が共同で台湾ブースを主催し、規模を拡大しました。台北駐日経済文化代表処代表の李逸洋駐日大使は、「東京国際食品展は台湾農産品の国際市場進出における重要なプラットフォームであり、台湾館の出展は世界に向けて台湾の優れた農産品をPRする絶好の機会です」と述べました。

李氏は2025年東京国際食品展「台湾館」開幕式での挨拶において、2024年の台湾の対日農産品輸出額が6億4800万米ドルに達し、日本は台湾にとって主要な農産品輸出市場の一つであると強調しました。また、台湾から日本への自由輸入額は11億3000万米ドルに達し、中国を上回って日本の農産品輸入先第3位となりました。これにより、台湾と日本の農産品貿易の緊密さが改めて示されました。

台北駐日経済文化代表処代表の李逸洋駐日大使。(写真撮影:黃信維)
台北駐日経済文化代表処代表の李逸洋駐日大使。(写真撮影:黃信維)

今年の東京国際食品展には193社の企業が196のブースを構え、台湾の優れた食品を日本市場に向けて積極的にPRする予定です。また、農業部をはじめ14の県市政府、11の食品業界団体も一堂に会し、日本市場への展開を強化します。李逸洋駐日大使 は、多くの企業や団体の参加に感謝の意を示し、今回の展示会を通じて、台湾農産品の日本市場における影響力をさらに高め、より広い国際市場へと拡大し、輸出の機会を創出することを期待していると語りました。

続いて、2025年東京国際食品展「農業部農水産物館」開幕式 での挨拶では、台湾と日本は農業貿易において緊密な協力関係を築いており、気候条件の相互補完性により、双方が重要な貿易パートナーとなっていることを強調しました。日本は台湾にブドウや桃などの温帯果物を輸出し、一方で台湾はマンゴーやバナナなどの熱帯果物を日本に輸出しており、農産品市場での相互連携が活発であることが、台湾と日本の農業分野における高い相互依存関係を示していると述べました。

台湾甘藷産業発展協会常務理事邱裕翔 は、台湾の地瓜は日本のものと異なり、黄皮黄肉が主流で、特に台農57号は甘みが強く、焦がしカラメルのような香ばしさが特徴だと述べました。「もちもちとした食感と高い栄養価もあり、日本市場で高く評価されています。」とし、特に台湾の焼き芋は「台湾蜜芋」として親しまれていることを強調しました。「台湾には素晴らしい農産品があり、世界中に広めるべきです。」と語りました。

株式会社ティーケー・トレーディング 代表取締役 佐々木裕迪は、台湾の焼き芋はしっとりとした食感が特徴で、特に女性の間で人気があると説明しました。「このため、日本市場でも注目され、支持を得ています。」とし、台湾地瓜の美味しさの鍵は日本の品種との違いにあると述べました。また、日本市場向けに「キュウキュウボール(Q球地瓜丸)」という商品を展開し、すでにZOZOマリンスタジアムなどのスポーツ施設で販売を開始しました。「今後も販路を拡大し、台湾地瓜の魅力をさらに広めていきたい。」と語りました。

台湾甘藷産業発展協会常務理事邱裕翔 (右),株式会社ティーケー・トレーディング 代表取締役 佐々木裕迪
台湾甘藷産業発展協会常務理事 邱裕翔 (右)、株式会社ティーケー・トレーディング 代表取締役 佐々木裕迪(左)。(写真撮影:黃信維)

今回のイベントには、台湾から多くの企業が参加しました。伝統的な美食を提供する「奇美」をはじめ、日本でも知名度の高い滷肉飯の名店「鬍鬚張」(金沢に3店舗展開)、台南の名店「度小月」、統一超商東京マーケティング、黒橋牌香腸などが出展しました。また、有名な牛肉麺のオンラインショップ「藍海饌」、香腸世家、葱油餅ブランド「派脆刻」も参加し、多彩な台湾グルメを紹介しました。さらに、新竹市政府は特別に駐日台湾人アーティスト・施鈺萱を招き、地元ブランドをPRしました。台南市長・黄偉哲をはじめ、多くの県市長も現地に訪れ、それぞれの名物料理をアピールしました。

駐日台湾人アーティスト・施鈺萱(写真撮影:黃信維)
駐日台湾人アーティスト・施鈺萱。(写真撮影:黃信維)

今年の出展県市には、屏東県、桃園市、高雄市、台東県、台南市、嘉義県、雲林県、花蓮県、嘉義市、彰化県、宜蘭県、苗栗県、南投県、新竹市が名を連ね、さらに11の食品業界団体も参加しました。台湾の食品業界が日本市場をいかに重要視しているかが伺えます。


編集:梅木奈実