プラモデル展で注目の段ボール「大巨人」 ファンタジー風「ピザカッター」が伝統を覆す

物流会社の社員が製作した段ボール版「ダイゲンジン」と、会場の紙製展示台。(黄信維撮影)
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日本のプラモデル会社海洋堂(KAIYODO)が主催する「ワンダーフェスティバル」は1984年の創設から40年を迎え、世界最大のフィギュアとモデル展示会の一つとなっている。冬季展が2月9日に開幕し、『風伝』は現地で物流会社の塚腰運送を取材した。同社は古典的アニメ『ヤットデタマン』に登場する大巨人を段ボールモデルとして製作。また、新潟から来た田辺工房が持参した「ファンタジー要素ピザカッター」も取材した。

「ワンダーフェスティバル」は毎年冬と夏に千葉の幕張メッセで開催され、世界中のモデルメーカー・原型師・愛好家が参加している。『風伝』は京都に本社を置く物流企業・塚腰運送のブースを取材。そのブースに展示されていた段ボール版「大巨人」は非常に目を引くもので、「もし『ヤットデタマン』が令和時代に登場したら?」をテーマに、頭部には怒りゲージを象徴するLEDバーが設置されていた。

段ボール「大巨人」の製作に3ヶ月を要す

このモデルを製作した塚腰運送の社員によると、この段ボールモデルは約3ヶ月かけて製作されたという。彼はまず3Dソフトウェアでデザインし、それを段ボールの展開図に変換、最終的に4メートルの大きな段ボールから切り出して作られた。全工程は彼が仕事の合間を利用して個人的に完成させたもので、毎日1〜2時間ほど作業した。製作動機はキャラクターへの愛情からで、会社も自由な創作を許可しているという。

彼の説明によると、塚腰運送は主に段ボール生産と物流業務を担当しており、貨物輸送と国際配送も含まれる。会場で展示されている紙製のモデル台もイベント会場で使用されたことがあり、一般販売もしているという。この展示台の重量は約3kg、頑丈な段ボールで作られており、10kgのモデルを変形せずに支えることができる。現在は黒と白の2色があり、日本国内販売に限定されているが、一部の海外顧客は自ら配送を手配し、海外のイベントでも同社の製品が使用されているという。

物流公司員工製作紙箱版「大巨神」,以及現場紙製展示台。(黃信維攝)
物流会社の社員が製作した段ボール版「ダイゲンジン」と、会場の紙製展示台。(黄信維撮影)

武器が転じて「ピザカッター」に ユーモアと癒しを兼ね備える

『風伝』は新潟に拠点を置く田辺工房も取材した。同工房は「ファンタジー要素ピザカッター」の製作に特化しており、柏崎市のふるさと納税返礼品の一つにもなっている。クリエイターは、作品を通じて伝統的な概念を覆したいと話す。例えば、刀剣は本来人を傷つける武器だが、彼はそれを「反対の意味」を持つピザナイフとしてデザインし、同じ形状でありながら全く異なる用途を持たせ、殺傷から人々の腹を満たすものへと転換させ、癒し効果をもたらしている。

新潟的田邊工房將傷人武器反轉製作成療癒人心的「披薩刀」。(黃信維攝)
新潟の田辺工房は人を傷つける武器を転じて、心を癒す「ピザナイフ」を製作している。(黄信維撮影)

彼は、作品は単なる芸術品ではなく、「ファンタジー要素」を日常品に融合させ、面白さと驚きを加えたものだと強調する。デザインから完成まで6ヶ月を要し、最初の3ヶ月はデザインの独自性を確認し、類似した形状がないことを確認する。その後の3ヶ月は準備と製作に費やされる。実際の製作期間は1ヶ月未満だが、その間、完璧を求めて細部を常に調整している。

彼は主に居住地の山間部の木材を使用し、布地や釘などの素材を組み合わせている。彼によると、作品の着色はペイントで塗るのではなく、木材内部のタンニンと特製の染色液による化学変色を利用している。一部の作品には最後に光沢粉を加えて効果を高めているという。さらに、彼にとって最も重要なことは、手触りと人間工学も重視し、デザイン時に異なる使用方法を考慮し、「ユニバーサルデザイン」の理念を取り入れている。

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