プラモデル展で注目の段ボール「大巨人」 ファンタジー風「ピザカッター」が伝統を覆す

2025-03-29 14:24
物流会社の社員が製作した段ボール版「ダイゲンジン」と、会場の紙製展示台。(黄信維撮影)
物流会社の社員が製作した段ボール版「ダイゲンジン」と、会場の紙製展示台。(黄信維撮影)
目次

日本のプラモデル会社海洋堂(KAIYODO)が主催する「ワンダーフェスティバル」は1984年の創設から40年を迎え、世界最大のフィギュアとモデル展示会の一つとなっている。冬季展が2月9日に開幕し、『風伝』は現地で物流会社の塚腰運送を取材した。同社は古典的アニメ『ヤットデタマン』に登場する大巨人を段ボールモデルとして製作。また、新潟から来た田辺工房が持参した「ファンタジー要素ピザカッター」も取材した。

「ワンダーフェスティバル」は毎年冬と夏に千葉の幕張メッセで開催され、世界中のモデルメーカー・原型師・愛好家が参加している。『風伝』は京都に本社を置く物流企業・塚腰運送のブースを取材。そのブースに展示されていた段ボール版「大巨人」は非常に目を引くもので、「もし『ヤットデタマン』が令和時代に登場したら?」をテーマに、頭部には怒りゲージを象徴するLEDバーが設置されていた。

段ボール「大巨人」の製作に3ヶ月を要す

このモデルを製作した塚腰運送の社員によると、この段ボールモデルは約3ヶ月かけて製作されたという。彼はまず3Dソフトウェアでデザインし、それを段ボールの展開図に変換、最終的に4メートルの大きな段ボールから切り出して作られた。全工程は彼が仕事の合間を利用して個人的に完成させたもので、毎日1〜2時間ほど作業した。製作動機はキャラクターへの愛情からで、会社も自由な創作を許可しているという。

彼の説明によると、塚腰運送は主に段ボール生産と物流業務を担当しており、貨物輸送と国際配送も含まれる。会場で展示されている紙製のモデル台もイベント会場で使用されたことがあり、一般販売もしているという。この展示台の重量は約3kg、頑丈な段ボールで作られており、10kgのモデルを変形せずに支えることができる。現在は黒と白の2色があり、日本国内販売に限定されているが、一部の海外顧客は自ら配送を手配し、海外のイベントでも同社の製品が使用されているという。

物流公司員工製作紙箱版「大巨神」,以及現場紙製展示台。(黃信維攝)
物流会社の社員が製作した段ボール版「ダイゲンジン」と、会場の紙製展示台。(黄信維撮影)

武器が転じて「ピザカッター」に ユーモアと癒しを兼ね備える

『風伝』は新潟に拠点を置く田辺工房も取材した。同工房は「ファンタジー要素ピザカッター」の製作に特化しており、柏崎市のふるさと納税返礼品の一つにもなっている。クリエイターは、作品を通じて伝統的な概念を覆したいと話す。例えば、刀剣は本来人を傷つける武器だが、彼はそれを「反対の意味」を持つピザナイフとしてデザインし、同じ形状でありながら全く異なる用途を持たせ、殺傷から人々の腹を満たすものへと転換させ、癒し効果をもたらしている。

新潟的田邊工房將傷人武器反轉製作成療癒人心的「披薩刀」。(黃信維攝)
新潟の田辺工房は人を傷つける武器を転じて、心を癒す「ピザナイフ」を製作している。(黄信維撮影)

彼は、作品は単なる芸術品ではなく、「ファンタジー要素」を日常品に融合させ、面白さと驚きを加えたものだと強調する。デザインから完成まで6ヶ月を要し、最初の3ヶ月はデザインの独自性を確認し、類似した形状がないことを確認する。その後の3ヶ月は準備と製作に費やされる。実際の製作期間は1ヶ月未満だが、その間、完璧を求めて細部を常に調整している。

彼は主に居住地の山間部の木材を使用し、布地や釘などの素材を組み合わせている。彼によると、作品の着色はペイントで塗るのではなく、木材内部のタンニンと特製の染色液による化学変色を利用している。一部の作品には最後に光沢粉を加えて効果を高めているという。さらに、彼にとって最も重要なことは、手触りと人間工学も重視し、デザイン時に異なる使用方法を考慮し、「ユニバーサルデザイン」の理念を取り入れている。

台湾ニュースをもっと深く:風傳媒日本語版Xをフォロー👉 @stormmedia_jp

最新ニュース
家庭に眠る不要品が資産に?日本の「かくれ資産」が100兆円に迫る衝撃データ
台湾発「P.Seven」新作香水『府城香』が日本上陸 台南文化を香りで体験、誠品生活日本橋店で発売
ミャンマー大地震の死者数1万人超の恐れ!国際社会が支援の手、台湾・米国・中国・インド・日本・ロシアも援助へ
「日本で働いてわかったこと」ー台湾出身アリサさんが語る、東京で見つけた自分らしさ
宜蘭の最強観光スポット約12万人を魅了、​太平山は4位に! 観光客絶賛:「海外の絶景に劣らず忘れられない風景」
バンド活動の夢を捨て 台湾の「ピンク教祖」燕梓、自分を貫きファッションデザインの夢を実現
舞台裏》空回りか?大統領が全社会防衛レジリエンスを操作 「台湾版都市戦」国軍はまだ多くを説明できず
中国、外資再誘致に本気?習近平氏がトヨタ・サムスンなど外資トップ40人と異例の会談
【台湾】国民党、巻き返しへ?民進党議員に罷免の動き拡大、43件が第2段階へ
【AI熱潮】ChatGPTが大ブーム、ジブリ風機能が物議を醸す!宮崎駿がAI創作を「命への侮辱」と激怒、OpenAIが著作権問題に巻き込まれる
速報》ミャンマーでM7.7の強い地震 台湾近隣2か国でも激しい揺れ!最新の被災映像が公開
速報》ミャンマー中部でM7.7の大地震 バンコクでも強い揺れ 津波の心配なし
『海角七号』『第36個故事』出演俳優の中孝介容疑者を逮捕 銭湯で男性に性的暴行か
高輪ゲートウェイシティ開業 JR東日本、旧品川車両基地跡に日本最大級の未来都市
評論》「頼17条」に懸念、台湾学者76人が異議声明 頼清徳総統の大冒険
「台湾有事」を想定 日本政府、沖縄離島の12万人避難計画を発表
中国海警が台湾・東沙に侵入、さらに偽情報を拡散!海巡署が「海上の乱暴者を護衛する蛮行」と厳重非難
台湾に魅せられた日本人女性、47か国を旅して辿り着いた“心の居場所”
特別寄稿》トランプ氏が仕掛ける「中露離間」戦略、再び国際舞台の焦点に——米中露三角の行方は?
月が太陽をかじった!?北半球の一部地域で部分日食の天体ショー
韓国南東部で山火事が拡大、千年古刹が焼失、少なくとも20人が死亡 大統領代行「想定を超えた」
日華懇の長年にわたる台湾支援に感謝 頼清徳総統「台日が連携し“非赤サプライチェーン”の構築を」
論評》米紙分析「賴清徳は危険な賭けに出た」 自己実現する予言?
台湾を追放された中国出身配偶者、『潔白な身で出国し、正々堂々と戻る』と涙の訴え──“言論の自由”をめぐり波紋広がる
楊佩蓉コラム》日本春闘33年ぶりの大幅賃上げ 人材獲得競争で「台湾の若者」が企業の第一ターゲットに?
トランプ政権、軍事計画を米誌編集長に誤送信 トランプ政権の情報管理が危機に?
独占》北京、頼政権に「政治的斬首」警告か?「頼17条」への反撃、中国が重大文書を準備、「台湾独立派リスト」も更新へ
天気予報》再び寒気団が南下!清明節連休の台湾、気温が10度急降下へ 北部では14度の肌寒さに 現地天気予報に注意
独占》トランプが台湾を「売る」日が来る?台湾元高官が衝撃予測「米中会談は巨大取引の場になる」
李忠謙コラム》トランプ政権復帰2ヶ月 哲学者と政治学者が警鐘「米国はもはや信頼できない」
独占》日台安保関係に新展開 岩﨑茂の台湾行政院顧問就任に続き、小野田治氏が台海問題を講演
中国が台湾海峡で異例の軍事行動 「頼17条」への静かなる反撃か
舞台裏》台湾.桃園市でリコール運動が急展開!軍関係者が方針転換 民進党は心理戦を重視、国民党の固定票に動揺広がる
台湾の老舗コンビニ第1号店が36年の歴史に幕!不動産業者が明かす閉店の裏側
中国、「海底ケーブル切断装置」を開発 南華早報「通信網遮断で世界秩序に影響も」
遺伝より“孤独”が寿命を左右?最新研究で分かった長生きの鍵
舞台裏》台湾、国防の新時代へ「軍は戦闘に専念、市民は自らを守る」全社会レジリエンス訓練が本格始動
台湾在住の中国人インフルエンサー「亜亜」、出国命令に抵抗 “武力統一”発言で居留資格剥奪、ネット炎上も
日米防衛協力の新章:日本、統合作戦司令部を創設し米軍との連携強化へ
AMDが台南に新拠点 “AI島・台湾”構想の鍵に
華人の日本移住がブームに!2026年には100万人突破へ 日本各地に広がる「日本語不要」の街
台湾にルーツを持つ声優・安齋由香里が挑む新たな境地 「温泉むすめ」で台湾文化を伝える
【大阪アジアン映画祭】台湾映画『我家的事』主演4名が"史上初"の同時受賞!感動作に日本観客も涙
「台湾は情熱、日本は繊細」日台ハーフのLaurenさん、世界に台湾と日本の魅力を発信中
【大阪アジアン映画祭】台湾ナイト-台湾映画特集が盛大に開幕
論評》2025年、新ヤルタ協定──トランプ氏・プーチン氏・習近平氏が世界秩序を再構築するのか?
パンデミックが退職計画を変更 在日台湾人TKが千葉でキャンプリゾートを構築
「不登校」問題解決を目指し 日本の高校がメタバース課程導入、アバターで授業参加が可能に
単独インタビュー》東北楽天イーグルス・宋家豪:次の目標は日本プロ野球500試合、200ホールド
日本旅行中の体調不良、どう対処? 旅行KOL・阿倫が「オンライン診療」などのツールを紹介