「日本で働いてわかったこと」ー台湾出身アリサさんが語る、東京で見つけた自分らしさ

在日台湾人アリサ。(黄信維撮影)
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在日台湾人アリサ(阿莉莎)の日本での生活は、まるでドラマに描かれているような、自己探求と成長に満ちたストーリーだ。6年前に東京に足を踏み入れてから、3つの異なる職場での経験を積み重ね、彼女は徐々に広告代理店業界で自分の専門的な方向性を見つけ、生活の中でも多様な社交活動や趣味に溶け込んでいった。『風傳媒』は彼女にインタビューし、仕事以外にも絵を描くことが大好きで、創作を通して日常の一コマや文化的な観察を共有してきたことを聞いた。インタビューの中で、彼女は日本が自分の成長にとって重要な舞台であり、また自分自身を再定義するきっかけを与え続ける都市だと率直に語った。

元々日本語の基礎はあったが、電話対応では「人生を疑う」ことも

アリサは自分のキャリアについて語るとき、ユーモアと率直さに溢れている。彼女は自分がとても運が良かったと言い、現在は広告代理店でメディアプランナーとして働いており、忙しいながらも非常に好きな仕事だと語る。最初に日本に来たとき、彼女は特に職業の方向性を設定しておらず、ただ「仕事があればとりあえずやってみる」という姿勢だったが、思いがけずIT業界に入り、その後広告業界に転職し、最終的に彼女が本当に情熱を感じられる職業を見つけた。彼女は仕事を始めたばかりの頃の面白いエピソードや課題をいくつか共有した。日本に来たばかりの頃、彼女は良い日本語の基礎を持っていたが、それでも言語能力が不足しているために会話の内容を完全に理解できていないのではないかと疑うことがよくあった。

彼女は笑いながら、最も頭を悩ませたのは電話対応だったと言い、保留ボタンを押すべきときに押し忘れ、結果として周りの人に助けを求める自分の言葉が直接電話の相手に聞こえてしまい、相手に全てを聞かれてしまったこともあったという。これらの経験について、アリサは言語の壁であれ文化の違いであれ、多くの問題は時間とともに自然に解決されると語る。「慣れればいいんです!」と彼女は気軽に言う。彼女にとって、最大の収穫は国境を越えた仕事の違いではなく、自分自身の成長とマインドセットの変化だった。最初の緊張から現在の安心感まで、アリサは彼女なりの方法で、異国での生活の中で自分の立ち位置と幸せを見つける方法を体現している。

しかし、日本でのキャリアを考えている若者に対して、アリサは二つのアドバイスを提案した。まず、彼女は日本に来たばかりの頃は、自分の見聞きしたことを記録することが非常に重要だと考えている。「なぜなら、この新鮮さはすぐに消えてしまうからです。最初は驚きや違和感を感じていたことが、時間が経つとごく普通のことになってしまいます。」記録を通じて、この貴重な思い出を保存し、自分が経験したすべてをより明確に理解するのに役立つという。次に、彼女は日本での生活では自分の感覚と価値観を貫き、勇気を持って自分の声を上げることが重要だと強調する。「ある事が『日本文化』だからといって受け入れなければならないと思わないでください。理不尽だと感じたら、それは理不尽なのです。」

在日台灣人阿莉莎。(黃信維攝)
​在日台湾人アリサ。(黄信維撮影)

インタビュー当日、当初は池袋近くのカフェで待ち合わせていたが、満席だったため、隣の公園で適当に場所を見つけて座ることにした。その日は非常に良い天気で、周りには遊ぶ若者や子供連れの親がいて、また東京国際大学の池袋キャンパスもあった。当初の予定とは少し違ったが、おそらくこれは彼女の人生にも似ているのだろう。日本に来て「安心感」を見つけ、流動的で生活も変化しているが、それは彼女が言う「東京は常に変化する都市」の縮図でもあり、自分自身もその中で人生の変化と不変を体験しているというインタビュー当日の象徴でもあった。

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