台湾の大規模リコールに懸念 与党議員が異例の進言「一つの声だけではいけない」

民進党所属の高雄市議員黄明太氏は27日の質疑で、台湾の2300万人口で中国の10数億人口に対抗しようとするなら、台湾に分裂する余裕があるのかと述べた(資料写真、顔麟宇撮影)

台湾・民進党所属の高雄市議員・黃明太氏は27日、議会での質疑応答において、「台湾2300万人の人口で、中国の10数億の人口に対抗しようとしている今、台湾にはまだ分裂の余裕があるのでしょうか?何をもって中国と勝負できるのでしょうか?」と述べ、民進党はより多くの意見を受け入れるべきだと主張し、執政者が人々を団結させ、この土地のために共に努力すべきだと訴えました。これを受けて、台湾民意基金会の董事長である游盈隆氏はフェイスブックにて、「これこそが理性的な台湾の主流民意です。黃明太議員、頑張ってください。あなたは決して孤独ではありません。私はあなたを支持します」と投稿しました。

黃明太氏は市政に関する質疑の中で、「最近はなかなか眠れず、台湾全体が引き裂かれそうな感覚に襲われています。選挙で過半数に届かなければ、与党が少数派となるのは最も苦しい状況です。現在の高雄市議会も立法院とほぼ同じで、いずれの政党も過半数を持たず、主に無所属議員の支持に依存しています。ただし、高雄市議会ではあまり激しい対立や混乱は見られず、市政府が特定の国民党議員をリコールしようとすることもなく、そのような話も聞いたことがありません」と述べました。

また、黃氏は「台湾2300万人の人口で中国の10数億人に対抗しようという中で、『台湾にはまだ分裂の余裕があるのか?』と問いたい。得票数に基づけば、民進党を支持するのは約1000万人、残りの1300万人を分裂させてしまったら、何をもって中国と勝負できるのでしょうか?」と強調しました。

さらに、「民進党は民主主義の政党であり、もっと多くの意見を受け入れるべきです。民進党内に一つの声しかあってはならないということはありません。今日このような発言をすれば、多くの民進党員から理解されないかもしれませんが、これは私の心からの提言です。執政者には、台湾2300万人の同胞を団結させ、一緒に力を尽くして台湾というこの土地のために努力していただきたいと願っています」と訴えました。

この発言に対して、游盈隆氏は「民進党所属の高雄市議員・黃明太氏が議会で力強く発言したことは、与野党の対立が絶えない台湾において、まるで人気のない谷に響く足音のように響きました。特にこの声が与党所属の政治家から出たことは、いっそう価値のあることです。私は、これこそが理性的な台湾の主流民意だと信じています。黃明太議員、頑張ってください。あなたは決して一人ではありません。私はあなたを支持します」と述べました。

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