アメリカのピート・ヘグセス(Pete Hegseth)国防長官は30日、東京を訪問し、中谷元防衛大臣と会談を行いました。両者は日米同盟の強化を再確認し、自衛隊と米軍の指揮統制体制の向上に取り組むことを確認しました。『毎日新聞』によれば、「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ政権が中国に対する安全保障政策を現状維持しているものの、防衛費の増額に関する懸念は会談で取り上げられなかったと報じています。しかし、米側が「西太平洋で危機が発生した場合、日本が前線の役割を担うべきだ」と求めたことは、日本政府にとって懸念材料となっています。
日米防衛相会談後の記者会見で、ヘグセス氏は日本の防衛費増額について「日本は適切な決定を下すだろう」と述べ、また、駐日米軍と自衛隊が「統合軍司令部」の設立に着手していることを強調しました。『日本経済新聞』によれば、トランプ政権は日本に対し、防衛費をGDPの少なくとも3%に引き上げることを期待しており、日本側は2027年までにGDPの2%を目指す計画を立てています。中谷氏は記者会見で、防衛力強化の決意を再確認し、日本の立場が米側の理解を得たと述べました。
ヘグセス氏は、中国の攻撃的で脅威的な行動に対し、日米両国が断固として対応すると述べ、米国は台湾海峡を含むインド太平洋地域で強力かつ迅速に対応できる信頼性の高い抑止力を維持すると強調しました。また、会談では中距離空対空ミサイル(AMRAAM)の共同生産を進めることが確認され、日本側は新型防空ミサイル「スタンダード・ミサイル6型」を協力範囲に含めることを希望しています。中谷氏は今回の会談が非常に成功したと強調しましたが、『毎日新聞』は、中谷氏がカメラの前で厳しい表情を見せ、緊張感が漂っていたと指摘しています。

ヘグセス氏が「西太平洋で有事が発生した場合、日本が前線の役割を担うべきだ」と述べたことについて、『毎日新聞』は、「西太平洋」には台湾海峡や南シナ海など、中国の領土問題が絡む地域が含まれており、ヘグセス氏の発言は、米側が日本に対し、地域情勢が緊迫した際に日本が役割を拡大するよう求める米国からの圧力と受け止められると報じています。中谷はこれらの主張を聞いた際に表情を曇らせたとされます。
今回の会談前、日本側は米国から防衛費増額の要求があるのではないかと警戒していました。日本は2027年度までに防衛費をGDPの2%に引き上げる計画を立てていますが、米国防副長官候補のエルブリッジ・コルビー氏(Elbridge Colby)氏は今月初めの上院軍事委員会で、日本の防衛予算をGDPの3%に引き上げるべきだと主張しています。また、駐日米国大使候補のジョージ・グラス氏(George Glass)も13日の議会公聴会で、駐日米軍の費用負担増加を支持すると述べています。 (関連記事: 「台湾有事」を想定 日本政府、沖縄離島の12万人避難計画を発表 | 関連記事をもっと読む )

さらに、米メディアはトランプ政権が駐日米軍の強化を停止する可能性があると報じており、北大西洋条約機構(NATO)に対するトランプ氏の消極的な姿勢や批判的な態度を考慮すると、日本政府も同様の圧力に直面する可能性があります。しかし、今回のヘグセス氏の訪問では、具体的な防衛費増額の要求はなく、駐日米軍の体制にも変更は見られませんでした。日本防衛省の関係者は「今回の会談で日本は期待していた成果を得た」と述べています。