評論》「頼17条」に懸念、台湾学者76人が異議声明 頼清徳総統の大冒険

2025-03-28 10:05
複数の学者が26日に「台湾の民主法治と平和安全を守る声明」記者会見を開催、左翼連盟事務局長の黄徳北(右3)、中央研究院研究員の盧倩儀(左2)、政治大学教授の馮建三(左1)、民進党創党党員の楊祖珺(右2)らが出席。(柯承惠撮影)
複数の学者が26日に「台湾の民主法治と平和安全を守る声明」記者会見を開催、左翼連盟事務局長の黄徳北(右3)、中央研究院研究員の盧倩儀(左2)、政治大学教授の馮建三(左1)、民進党創党党員の楊祖珺(右2)らが出席。(柯承惠撮影)

台湾・中央研究院の陳培哲院士ら76名が主導した「台湾民主法治と平和安全の擁護に関する声明」が、中国籍配偶者の亜亜(劉振亜)が出国した翌日(26日)に発表されました。同声明は「頼17条」に対する不満と懸念を表明し、台湾の言論自由の空間が急速に制限されつつあると認識し、戒厳時代の思想審査体制が台湾に迫っていると指摘し、「法に基づく統治」の憲政体制を深刻に損なっているとして、民進党政府に対し思いとどまるよう呼びかけています。

転換期正義への道のりは遠く、戒厳時代の論理を完全に再現

総統府はこの声明に対し尊重の意を示しつつも、台湾への侵略戦争や憎悪、暴力行為を扇動することは、民主主義と言論自由のレッドラインに抵触すると強く反論しました。この姿勢は、政府が方針を変えず、徹底的に推進することを宣言したも同然です。案の定、「人を対象にして事を対象にしない」という台湾民主主義の特徴が再び発揮され、ネット上の支持者たちは声明に参加した76人の個人情報を暴露し、さらには婚姻関係まで取り上げて大々的に批判しています。その目的は、この声明の代表性を否定することに他なりません。人格や人間性を破壊するだけでなく、彼らを社会の周縁人と見なし、自分たちが政治的に正しい陣営に属していることを誇示しています。

このような緊迫した状況下で、多くの人々が沈黙を選ぶ中、76人が実名で政府を批判する声明を発起したことは、たとえ意見が異なるとしても称賛に値します。少なくとも、政治的リスクを冒してでも、崩れかけている民主主義と自由を守ろうとする人々がまだ存在するのです。アメリカ建国の父トーマス・ジェファーソン(Thomas Jefferson)の名言に「信頼は専制の母であり、自由な政府は信頼ではなく、疑念に基づいて築かれると述べています。この声明には、そのような精神が見られます。 (関連記事: 独占》北京、頼政権に「政治的斬首」警告か?「頼17条」への反撃、中国が重大文書を準備、「台湾独立派リスト」も更新へ 関連記事をもっと読む

頼清徳総統は今年(2025年)の二二八事件中央記念式典で、政府は更なる転換期正義の実現に努めると述べました。私たちは心から頼総統がその言葉を実行することを期待しています。なぜなら、権威主義時代の負の遺産は今日に至るまで完全には除去されておらず、むしろ再燃の明確な兆しすら見られるからです。政府を無条件に支持し、信じることを求め、疑問を呈する者には集団で攻撃を加える、あるいは戒厳令に似た手段で「民主主義を守る」と主張し、さらには特定の人物が将来的に国家安全保障上のリスクとなる可能性があると「推論」し、事前に「処理」する必要があるという考えなど。これらはかつて戒厳や動員勘乱を正当化した論理であり、今日、一般のネットユーザーや院士クラスの高学歴者の口から完璧に再現されています。1970年代に「孤影」というペンネームで書かれた『一市民の心の声』が、今なお台湾社会全体の思考や行動を支配しているのです。

最新ニュース
【AI熱潮】ChatGPTが大ブーム、ジブリ風機能が物議を醸す!宮崎駿がAI創作を「命への侮辱」と激怒、OpenAIが著作権問題に巻き込まれる
速報》ミャンマーでM7.7の強い地震 台湾近隣2か国でも激しい揺れ!最新の被災映像が公開
速報》ミャンマー中部でM7.7の大地震 バンコクでも強い揺れ 津波の心配なし
『海角七号』『第36個故事』出演俳優の中孝介容疑者を逮捕 銭湯で男性に性的暴行か
高輪ゲートウェイシティ開業 JR東日本、旧品川車両基地跡に日本最大級の未来都市
「台湾有事」を想定 日本政府、沖縄離島の12万人避難計画を発表
中国海警が台湾・東沙に侵入、さらに偽情報を拡散!海巡署が「海上の乱暴者を護衛する蛮行」と厳重非難
台湾に魅せられた日本人女性、47か国を旅して辿り着いた“心の居場所”
特別寄稿》トランプ氏が仕掛ける「中露離間」戦略、再び国際舞台の焦点に——米中露三角の行方は?
月が太陽をかじった!?北半球の一部地域で部分日食の天体ショー
韓国南東部で山火事が拡大、千年古刹が焼失、少なくとも20人が死亡 大統領代行「想定を超えた」
日華懇の長年にわたる台湾支援に感謝 頼清徳総統「台日が連携し“非赤サプライチェーン”の構築を」
論評》米紙分析「賴清徳は危険な賭けに出た」 自己実現する予言?
台湾を追放された中国出身配偶者、『潔白な身で出国し、正々堂々と戻る』と涙の訴え──“言論の自由”をめぐり波紋広がる
楊佩蓉コラム》日本春闘33年ぶりの大幅賃上げ 人材獲得競争で「台湾の若者」が企業の第一ターゲットに?
トランプ政権、軍事計画を米誌編集長に誤送信 トランプ政権の情報管理が危機に?
独占》北京、頼政権に「政治的斬首」警告か?「頼17条」への反撃、中国が重大文書を準備、「台湾独立派リスト」も更新へ
天気予報》再び寒気団が南下!清明節連休の台湾、気温が10度急降下へ 北部では14度の肌寒さに 現地天気予報に注意
独占》トランプが台湾を「売る」日が来る?台湾元高官が衝撃予測「米中会談は巨大取引の場になる」
李忠謙コラム》トランプ政権復帰2ヶ月 哲学者と政治学者が警鐘「米国はもはや信頼できない」
独占》日台安保関係に新展開 岩﨑茂の台湾行政院顧問就任に続き、小野田治氏が台海問題を講演
中国が台湾海峡で異例の軍事行動 「頼17条」への静かなる反撃か
舞台裏》台湾.桃園市でリコール運動が急展開!軍関係者が方針転換 民進党は心理戦を重視、国民党の固定票に動揺広がる
台湾の老舗コンビニ第1号店が36年の歴史に幕!不動産業者が明かす閉店の裏側
中国、「海底ケーブル切断装置」を開発 南華早報「通信網遮断で世界秩序に影響も」
遺伝より“孤独”が寿命を左右?最新研究で分かった長生きの鍵
舞台裏》台湾、国防の新時代へ「軍は戦闘に専念、市民は自らを守る」全社会レジリエンス訓練が本格始動
台湾在住の中国人インフルエンサー「亜亜」、出国命令に抵抗 “武力統一”発言で居留資格剥奪、ネット炎上も
日米防衛協力の新章:日本、統合作戦司令部を創設し米軍との連携強化へ
AMDが台南に新拠点 “AI島・台湾”構想の鍵に
華人の日本移住がブームに!2026年には100万人突破へ 日本各地に広がる「日本語不要」の街
台湾にルーツを持つ声優・安齋由香里が挑む新たな境地 「温泉むすめ」で台湾文化を伝える
【大阪アジアン映画祭】台湾映画『我家的事』主演4名が"史上初"の同時受賞!感動作に日本観客も涙
「台湾は情熱、日本は繊細」日台ハーフのLaurenさん、世界に台湾と日本の魅力を発信中
【大阪アジアン映画祭】台湾ナイト-台湾映画特集が盛大に開幕
論評》2025年、新ヤルタ協定──トランプ氏・プーチン氏・習近平氏が世界秩序を再構築するのか?
パンデミックが退職計画を変更 在日台湾人TKが千葉でキャンプリゾートを構築
「不登校」問題解決を目指し 日本の高校がメタバース課程導入、アバターで授業参加が可能に
単独インタビュー》東北楽天イーグルス・宋家豪:次の目標は日本プロ野球500試合、200ホールド
日本旅行中の体調不良、どう対処? 旅行KOL・阿倫が「オンライン診療」などのツールを紹介
著書が相次いで受賞 日本の元外交官・垂秀夫:「中国問題」を生涯の志とする
中学時代はテニスに打ち込み、美容師に転身! 台湾の若者が日本で起業、きっかけは木村拓哉のドラマ
【MLB東京シリーズ】大谷人気&限定コラボで過去最高60億円の売上達成!
首都高が台湾・高雄市を訪問 スマートシティ技術の交流で日台連携深まる
ベルギー議会、台湾支持決議を可決 中国の頻繁な軍事演習に非難
微風評》「統一支持=武統宣伝」? 台湾で揺らぐ言論の自由の境界線
台湾・児童虐待事件の公判で死刑存廃論争が再燃 朱立倫氏「民進党は公平正義を無視し、死刑廃止を主張」
封神ブームが台湾で大ヒット!陽明山の姜太公(太公望)道場に若者参拝者が殺到
「教育の権限を親と各州に返還」トランプ氏、アメリカ教育省を閉鎖する大統領令に署名
台北初の「ららぽーと南港」が開業!初日に3万人超の来場 三井幹部「年間売上は100億元突破を目指す」