【杜宗熹コラム】笑顔の習近平と、悲嘆に暮れる台湾の「青い鳥」 勝者はどちらか

2026年1月29日、北京の人民大会堂で英国のスターマー首相と会談する中国の習近平国家主席。(写真/AP通信提供)
2026年1月29日、北京の人民大会堂で英国のスターマー首相と会談する中国の習近平国家主席。(写真/AP通信提供)

中国の習近平国家主席とトランプ米大統領は、台北時間2月4日夜に再び電話会談を行った。双方は貿易、台湾、エネルギー問題、さらに4月に予定されているトランプ氏の訪中計画や国際情勢について広範な議論を交わしたとされ、その通話時間は2時間にも及んだという。

「時間は誰にでも平等である」という言葉がある。どれほどの権力や富を持っていようとも、1日が25時間になることはない。しかし、世界の二大国(G2)の指導者が、あえて2時間もの時間を割いて「対話」したという事実は、現時点の世界において、これ以上に重要な案件が存在しないことを意味している。

2026年2月3日,美國總統川普(Donald Trump)在華盛頓白宮橢圓形辦公室簽署結束聯邦政府部分停擺的支出法案後露出微笑。(美聯社)
2026年2月3日、米国のドナルド・トランプ大統領は、ワシントンのホワイトハウス・大統領執務室(オーバルオフィス)で、連邦政府の一部閉鎖を終結させる歳出法案に署名した後、笑顔を見せた。(写真/AP通信提供)

米中関係は新たなピークへ?「関与政策2.0」の始動

トランプ氏の第1次政権(2017-2021)を振り返れば、彼は米国が長年続けてきた対中「関与政策(エンゲージメント・ポリシー)」に終止符を打ち、米中関係を戦略的競争、あるいは対立の局面へと転換させた張本人だ。 しかし、「結んだ鈴を解くのは、結んだ本人でなければならない」という中国の格言通り、再び中国との「関与政策2.0」に舵を切ろうとしているのもまた、トランプ氏本人である。

筆者はここで読者に再確認したいことがある。バイデン前大統領はその4年間の任期中、一度も中国を訪問しなかった。つまり、「最後に訪中した米大統領はトランプであり、次に訪中する米大統領もトランプになる」という、荒唐無稽とも言えるシナリオが、今年の上半期に現実のものとなろうとしているのだ。

もし筆者がトランプ氏にこの矛盾を問うたとしても、彼は意に介さないだろう。「時空の背景が異なる(状況が変わった)」と一蹴されるのがオチだ。

「春の訪れをいち早く知る鴨」としての英国

「春江水暖鴨先知(春になって川の水が温かくなったことは、そこを泳ぐ鴨が最初に知る)」という詩がある。

近年、欧州やアジアの指導者たちが相次いで中国を訪問している動きは、まさにトランプ氏の対中政策転換の風向きをいち早く嗅ぎ取った結果に他ならない。

バイデン政権下では、米国の圧力や政治的な空気を読み、多くの同盟国の指導者が中国訪問を躊躇していた。しかし、英国のキア・スターマー首相がついに訪中し、英国首相として8年ぶりの中国訪問を実現させたことは象徴的だ。

中國領導人習近平4日下午與俄羅斯總統普京舉行視訊會晤,晚間又與美國總統川普通話。(新華社)
中国の習近平国家主席は4日午後、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とオンライン形式で会談した後、夜には米国のドナルド・トランプ大統領と電話会談を行った。(写真/新華社提供)

​習近平の「表情」が語る真実

​筆者は中国の対外関係を分析する際、官製メディアの写真や映像に映る習近平氏の表情を詳細に観察するようにしている。実のところ、習氏は非常に「感情が顔に出やすい(喜怒形於色)」タイプの指導者だ。

外国元首が訪中した際、その人物と習氏との距離感、あるいは中国側が「仕方なく接待している」のかどうかは、習氏の表情を見れば一目瞭然である。バイデン政権時代にも西側の指導者とは会談していたが、今回のスターマー首相との会談で見せた自然な表情とは雲泥の差があった。 (関連記事: 【杜宗熹コラム】対米関税で露呈した「愚か者」と「悪党」―トランプ政策を理解できない人々への警鐘 関連記事をもっと読む

英国は常に、米国が政策転換をする前に、いち早くその先を行く傾向がある。また、昨年10月に韓国・釜山で行われた「米中首脳会談」の際も、公式発表された写真からは両者の融和的なムード、それこそ「満面の笑み」が見て取れた。

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