公孫策コラム:柯文哲は施明德になるのか、それとも鄭南榕になるのか?

2025-04-04 10:55
民衆党主席の黄国昌が北所に自費で柯文哲を治療させるよう申請書を提出し、門の前で座り込んで待っている。(顏麟宇撮影
民衆党主席の黄国昌が北所に自費で柯文哲を治療させるよう申請書を提出し、門の前で座り込んで待っている。(顏麟宇撮影

柯文哲に血尿などの症状が出たため護送されて治療を受けたが、病院は入院基準に達していないと判断し、依然として勾留されている。しかし、検察側が柯文哲の病状を理由に護送治療を許可したのではなく、陳佩琪が柯文哲の勾留を2ヶ月延長されたことで「人が死んだら、やっと遺体を引き取りに来るよう通知されるのでしょうね」と泣き叫んだ。陳佩琪はさらに「もし私が先に逝ったら、決して彼に知らせないでください。彼を獄中で静かに逝かせてください」とまで言った。つまり、検察側は実際には柯文哲が「万が一本当に死んだら」、その結果を誰も負担できないことを心配しているのである。

このような心配がある理由は、柯文哲の事件がすでに国民から政治案件と認識されているからである。また、「政敵を死ぬまで閉じ込める」という事件がもう長い間起きておらず、万一発生すれば、血に飢えたメディアは間違いなく興奮し、それは必ず超大型の政治的嵐になるだろう。

私の記者としてのキャリアの中で、あまりにも多くの政治案件を見てきた。柯文哲の事件の参考になる人物が二人いる。一人は鄭南榕、もう一人は施明德である。

鄭南榕は言論の自由のために焼身自殺し、それによって台湾独立建国の殉教者となった。私が言いたいのは、万一柯文哲が獄中で死亡した場合、その影響は賴政権の悪夢となりうるということだ。

施明德は高雄事件で投獄され、獄中で何度も絶食したが、いずれも強制的に食事を与えられて出所まで生き延びた。彼は民進党主席に選出され、また陳水扁の汚職問題のために「紅衫軍」運動を起こした。つまり、施明德は常に政権者の頭痛の種であった。私はかつて比喩を使用し、もし柯文哲が最終的に無事に出てきたら、彼は「孫悟空が八卦炉から飛び出す」ように、天宮を大いに騒がせるだろうと言った。

これら二つの状況は共に賴政権が見たくないものであり、その結果を負担することさえ難しい。それならば、なぜ今のような状況になったのか?答えは簡単である:司法の「無能」である。あるいはもっと正確に言えば、検察側は現行の刑事訴訟法の下で柯文哲を起訴する能力がない——民進党政権の法律を無視した現状と比較すると、司法システムは確かに「無能」である。

柏楊は『中国人史綱』の中で一節の古典的な文章を書いている:

法律の良し悪しは、「法条」自体にあるのではなく、「訴訟法」の執行にある。犯罪をどう処罰するかではなく、犯罪をどう確定するかにある。

上記の文章は柏楊が武則天の酷吏による統治に対する評論である。『中国人史綱』が出版されてから多くの年月が経ち、刑事訴訟法と訴訟制度はすでに大きな進歩を遂げたが、司法を使って政敵を打撃しようとする人の目には、それは一種の束縛であり、検察側が政権与党の「束縛からの脱出」に協力できないことは、本当に極めて無能である。

あるいは、民進党政権に欠けているのは現代版の『羅織経』である。 (関連記事: 論評:中共軍事演習が接近、トランプは出兵して救うのか? 関連記事をもっと読む

『羅織経』は武則天時代の筆頭酷吏である来俊臣が著したもので、当時はほとんど誰も武則天の特務網による罪状の捏造から逃れることができなかった。もちろん今日ではそのような行為は許されないが、否定できないのは、検察側が柯文哲の事件をこれほど長く扱いながら、今になっても柯文哲を起訴できないことが、柯文哲の事件が手に負えなくなり、進退窮まっている原因である。

最新ニュース
日本在住KOL・阿倫がコンテンツ制作のきっかけを語る スノーボードインストラクター・ツアーガイドの資格取得のため撮影
論評:相互関税が世界経済貿易に大打撃、地政学はどのように再編されるか
【2025年最新】台北から車で30分!北台湾おすすめキャンプ場10選 「アクセス便利・絶景・高コスパ」でグランピングも
AI生成されたジブリ風イラストが大流行!著作権問題と宮崎駿の怒りを懸念し、ChatGPTが自ら制限
4月4・5・6日…なぜ毎年清明節の日付が異なる?結局いつなのか?
論評:中共軍事演習が接近、トランプは出兵して救うのか?
「平和でなければ、台湾に民主主義なし!」龍應台、NYTの客員評論にて:台湾は直ちに対話を開始し、中国との平和共存を模索すべき
舞台裏》賴清德の独占を防げ! 民進党の新北、高雄、嘉義、台南の予備選挙 英蘇連盟と頼派閥グループの対決
独占インタビュー》日米同盟は形だけ?トランプ再登場で日米安保に警鐘 福島伸享氏「日本は防衛強化とアジア連携を急ぐべき」
台湾・国民党「親米和中」路線を再主張 「民進党の対中対決姿勢は戦争招く」と朱立倫氏
台湾与党・民進党関係者に中国スパイ疑惑 「裏切りには最も厳しい制裁」と強調
論評》習近平×トランプ「バースデー・サミット」浮上、中東和平と台湾海峡が取引材料に?習近平とトランプの「戦略的妥協」説
台湾文化部の100億元文化基金に不正疑惑 仮想通貨詐欺関係者の創投に3000万元出資、元民進党議員の息子も関与か
「音楽とネイルで日台をつなぐ」大阪出身・台湾ルーツのシンガーソングライター天邑が語る、家族、夢、そして言葉へのこだわり
「値上げの春」食品4000品目超が一斉値上げ 米・卵も高騰、住宅ローン金利も上昇へ
フェアモント東京、2025年7月1日に開業決定 ― 日本初進出、予約は4月1日より開始 伝統と革新が融合するラグジュアリーホテル
拳銃を誤って持ち込んだ米国人観光客を逮捕 関空の保安検査通過か、トイレから実弾も
舞台裏》米国を怒らせ、頼氏の「17条」に怯えた?国民党が訪中禁止令、朱立倫の「ダブルD戦略」が「ダブルデッド」に
トランプ関税「解放日」、台湾は嵐の中心に?海外メディアが4つの注目ポイントを整理 起こりうる事態とは
トランプ政権、関税発表間近!石破首相「全国1000カ所の相談窓口で中小企業支援へ」
速報》マレーシアで天然ガス輸送管が爆発!「幼児の背中が火傷」激痛に叫び声…63人が病院搬送、49軒の住宅が被害
日本の3000人が皇居に戸籍を置いている!日本の戸籍制度はどのように機能しているのか?日台の違いを一目で
台湾独立の大家も赤化と非難される!柯建銘がリコールに激怒し林濁水を「中国を庇う」と非難 本人は苦笑いで一言返す
「中国が台湾周辺で合同軍事演習を開始」台湾国防部長「緊急対応センターを設置、全動向を掌握」
日米防衛相会談 米側「西太平洋有事で日本が前線に」要求 トランプ政権の圧力に日本政府は警戒
「台湾はアジアの孤児に?」中国人配偶者の強制送還が波紋、両岸関係に新たな火種か
Z世代の「推し活」が消費構造を変える?日本の専門家が分析する2つのカギ
トランプ氏、プーチン氏の停戦遅延に激怒 「ロシアに追加制裁も」イランには核合意迫り爆撃を警告
江頭2:50、永野芽郁を泣かせた“暴走演出”に炎上 「オールスター感謝祭」での不適切行動を謝罪
台湾の大規模リコールに懸念 与党議員が異例の進言「一つの声だけではいけない」
警察家庭出身の英国人、京都で子供の相談支援システム開発 いじめ・不登校の支援に「君の味方」全国展開へ
家庭に眠る不要品が資産に?日本の「かくれ資産」が100兆円に迫る衝撃データ
台湾発「P.Seven」新作香水『府城香』が日本上陸 台南文化を香りで体験、誠品生活日本橋店で発売
ミャンマー大地震の死者数1万人超の恐れ!国際社会が支援の手、台湾・米国・中国・インド・日本・ロシアも援助へ
「日本で働いてわかったこと」ー台湾出身アリサさんが語る、東京で見つけた自分らしさ
宜蘭の最強観光スポット約12万人を魅了、​太平山は4位に! 観光客絶賛:「海外の絶景に劣らず忘れられない風景」
プラモデル展で注目の段ボール「大巨人」 ファンタジー風「ピザカッター」が伝統を覆す
バンド活動の夢を捨て 台湾の「ピンク教祖」燕梓、自分を貫きファッションデザインの夢を実現
舞台裏》空回りか?大統領が全社会防衛レジリエンスを操作 「台湾版都市戦」国軍はまだ多くを説明できず
中国、外資再誘致に本気?習近平氏がトヨタ・サムスンなど外資トップ40人と異例の会談
【台湾】国民党、巻き返しへ?民進党議員に罷免の動き拡大、43件が第2段階へ
【AI熱潮】ChatGPTが大ブーム、ジブリ風機能が物議を醸す!宮崎駿がAI創作を「命への侮辱」と激怒、OpenAIが著作権問題に巻き込まれる
速報》ミャンマーでM7.7の強い地震 台湾近隣2か国でも激しい揺れ!最新の被災映像が公開
速報》ミャンマー中部でM7.7の大地震 バンコクでも強い揺れ 津波の心配なし
『海角七号』『第36個故事』出演俳優の中孝介容疑者を逮捕 銭湯で男性に性的暴行か
高輪ゲートウェイシティ開業 JR東日本、旧品川車両基地跡に日本最大級の未来都市
評論》「頼17条」に懸念、台湾学者76人が異議声明 頼清徳総統の大冒険
「台湾有事」を想定 日本政府、沖縄離島の12万人避難計画を発表
中国海警が台湾・東沙に侵入、さらに偽情報を拡散!海巡署が「海上の乱暴者を護衛する蛮行」と厳重非難
台湾に魅せられた日本人女性、47か国を旅して辿り着いた“心の居場所”