「AIバブルは崩壊しない」ウォール街が注目するシリコンバレー投資家の確信とは VCが語る「3兆ドルの賭け」の行方

AI投資の過熱は次のインターネットバブルか?(画像/ChatGPTによる作成)
AI投資の過熱は次のインターネットバブルか?(画像/ChatGPTによる作成)
目次

《ウォール街が語ること》コラム

本シリーズでは、米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)』のPodcastから最も示唆に富む内容を精選し、1回ごとの深い対談を、読みやすく洞察に満ちた記事として再構成している。

毎週更新され、シリコンバレーからウォール街まで、世界の政治経済・人物・テクノロジーの動きを10分で理解できる構成だ。

今回のPodcastとゲスト

『Bold Names(勇闖商界)』は、WSJの深層インタビュー番組であり、コラムニストのティム・ヒギンズ(Tim Higgins)とクリストファー・ミムズ(Christopher Mims)が司会を務める。

「行動力と胆識を備えた企業リーダー」を招き、ビジネス界の変化をもたらす決断と思想を掘り下げる。今回のゲストは、シリコンバレーの有力VCであるマーティン・カサード(Martin Casado)。彼はAndreessen Horowitz(a16z)のパートナーで、10億ドル規模のインフラ投資ファンドを統括している。AIバブルを懸念する声が広がる中でも、彼はデータセンターと半導体への投資を拡大し続けている。「他人が恐れて手を引くときこそ、踏み込む」と語るその姿勢の根底には、「AIは泡沫ではない――人類の新時代の幕開けだ」という確信がある。

AIがもたらす「3兆ドルの賭け」

米モルガン・スタンレーの推計によると、2028年までに世界では約3兆ドルが、チップ・サーバー・データセンターの構築に投じられる見込みだ。

これは史上最大規模のテクノロジー拡張ブームであり、現在、世界中の企業がこの波に乗ろうとしている。一方で、資金が過熱し、テック大手が巨額の負債を抱える状況に、懸念の声も強まっている。「AI投資は次のドットコム・バブルの再来になるのではないか?」という問いが投資家たちの間で広がる。

だがカサード氏は断言する「いや、泡はある。だが市場は崩壊しない。」

「狂乱の90年代」を振り返る 本当のバブルとは何だったのか

ポッドキャスト番組『Bold Names』の司会者ティム・ヒギンズ氏とクリストファー・ミムズ氏は、冒頭で単刀直入に問う。「AIが引き起こしたこのテックブームは、再び破裂寸前の新たなバブルなのではないか?」

「その頃は、タクシー運転手までが銘柄を語り、スタートアップの清掃員までが株を欲しがり、現金給料を拒んだ。街中にはリムジンが走り、オフィスでは毎日シャンパンが開けられていた。あれこそ本物のバブルだ。完全な熱狂と混乱だった。」

そして笑いながら続ける。「今のシリコンバレーは、まだ全然そこまで行っていない。みんな“本当のバブル”がどんなものだったかを忘れている。」

ヒギンズ氏とミムズ氏が尋ねる。「AIブームは、あの時のように崩壊へ向かっているのでは?」
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技術革命だけではなく、文化現象としてのAI

カサード氏は言う。「今回のAIの波は、技術革新にとどまらない。文化的現象でもある。90年代のウェブ黎明期を思い出してほしい。当時は役に立たないサイトも多かったが、それでも人々は『新しい世界』に熱狂した。」

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