目黒川に氾濫危険情報 都内各地で記録的短時間大雨 線状降水帯の可能性も

2025-07-11 15:02
10日夜、東京都内で猛烈な雨。杉並区では1時間に120ミリを観測し、目黒川では一時水位が急上昇。気象庁は今後も警戒を呼びかけている。(写真/黃信維撮影)

10日夜、東京都を含む関東各地で激しい雨が降り、気象庁は「記録的短時間大雨情報」を発表した。特に杉並区では午後7時までの1時間に約120ミリ、目黒区と世田谷区でも約100ミリの猛烈な雨量が観測され、目黒川には氾濫危険情報が出された。一時的に水位が急上昇し、周辺住民に厳重な警戒が呼びかけられた。

今回の大雨は、梅雨前線に向かって南から暖かく湿った空気が流れ込み、上空の寒気と衝突して積乱雲が発達したことにより、線状降水帯が発生した可能性があるとみられる。ちょうど帰宅ラッシュの時間帯と重なったため、多くの通勤者が影響を受けた。

11日も引き続き湿った空気の影響が続き、東日本から西日本の太平洋側を中心に雨や雷雨の恐れがある。特に宮崎県では、降り始めからの累積雨量がすでに200ミリを超えており、土砂災害への厳重な警戒が必要とされている。12日朝までに予想される24時間降水量は、九州南部で180ミリ、東海・奄美で120ミリ、四国で100ミリに達する見込み。

一方、東京都心では11日の最高気温が26度と予想されており、およそ半月ぶりに30度を下回る見通しとなっている。涼しい風が吹き、比較的過ごしやすい一日となりそうだ。ただし、週明けの14日(月)以降は再び熱帯低気圧が接近し、九州から関東、さらに15日(火)には東海から北海道にかけて広範囲で荒天となる恐れがある。

10日の大雨では、関東甲信地方を中心に激しい雷雨が相次ぎ、一部地域ではアンダーパスの冠水、停電、道路の陥没、マンホールからの噴水など、都市インフラへの被害も確認された。なお、線状降水帯の正式な発生には至らなかったが、気象庁は午前中の段階でその可能性を示唆する情報を発表していた。

今後も引き続き、大雨や雷雨への備えが求められる。雨雲レーダーの確認や避難経路の把握など、日頃からの対策を怠らず、積乱雲の接近を示す兆候を見逃さず、異変を感じた際には速やかに安全な建物への避難を心がけたい。

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