「駿河湾桜えび秋漁」11月4日解禁 初日水揚げ約2.3トン、静岡の冬味覚がいよいよ登場

駿河湾で唯一水揚げされる桜えびの2025年秋漁が11月4日に解禁され、由比・大井川港で約2.3トンが初水揚げされた。静岡の冬の味覚がいよいよ本格的に幕を開けた。(写真/静岡市PR事務局提供)
駿河湾で唯一水揚げされる桜えびの2025年秋漁が11月4日に解禁され、由比・大井川港で約2.3トンが初水揚げされた。静岡の冬の味覚がいよいよ本格的に幕を開けた。(写真/静岡市PR事務局提供)

静岡市清水区の由比漁港と焼津市の大井川港で、国内唯一の桜エビ漁となる「2025年秋漁」が11月4日に解禁された。初日は約2.3トンの桜エビが水揚げされ、翌5日早朝には今季初の競りが行われた。漁期は12月24日までの予定で、由比港漁協直営の食堂「浜のかきあげや」や静岡市内の飲食店では、さっそく新鮮な桜エビ料理が提供されている。

由比港の人気店「浜のかきあげや」では旬の味を堪能

由比漁港内にある漁協直営の食堂「浜のかきあげや」では、サクサク・ふわふわのかき揚げや、生桜エビ丼、由比丼など、旬の桜エビを使った多彩なメニューを提供。営業日は金・土・日・祝日のみで、営業時間は午前10時から午後2時まで。週末には県外からの観光客で行列ができるほどの人気を誇る。

定番メニューの「生桜えび丼」(1,100円)は、由比港で水揚げされた新鮮な生の桜エビをたっぷりと盛り付けた逸品。「由比丼」(1,100円)は釜揚げ桜エビとシラスを組み合わせた「由比の幸コラボ丼」である。さらに、「かき揚げ丼」(1,100円)や単品の「かき揚げ」(600円)も人気で、テイクアウトにも対応している。

桜エビやしらすを販売する直売所も人気

同漁港内の「由比港漁協直売所」では、桜エビやしらすなどの地元特産品を販売。営業時間は午前8時から午後5時までで、定休日は月曜および祝日の翌日、年末年始となっている。オンライン販売も行っており、冷凍生桜エビ(200g・1,450円)や素干し桜エビ(30g・850円)など、家庭で楽しめる商品も豊富にそろう。

冬の郷土料理「桜エビの沖あがり」

静岡の冬を代表する郷土料理「桜エビの沖あがり」は、漁師が冷えた体を温めるために食べたことが始まりとされる。生の桜エビを豆腐やねぎとともに甘辛く煮込んだ素朴な鍋料理で、寒い季節にぴったりの味わい。

また、桜エビの釜揚げを缶詰に詰めた「静岡釜揚桜えび缶詰」(864円)も、旬の美味しさを閉じ込めた人気商品として注目されている。

駿河湾でしか獲れない「日本唯一の桜エビ」

桜エビは日本国内では駿河湾でしか漁獲されず、漁期は春(3月下旬~6月上旬)と秋(10月下旬~12月下旬)の年2回。漁業者は共同操業による厳格な資源管理を行っており、不漁が続いた2018年以降は保護区の設定や操業回数の制限などの自主規制を強化。その結果、年間水揚げ量は2020年の約128トンから2023年には約500トンまで回復傾向を示している。

駿河湾の恵みを象徴する桜えび漁は、静岡の冬の風物詩として今年も多くの人々を魅了している。

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