中国「J-20」、対馬海峡を探知されず通過か 日韓の公表なく、3つの可能性浮上

中国国営メディア、CCTVはこのほど、中国のステルス戦闘機「殲20」が対馬海峡の飛行に成功したと主張した。(AP通信)
中国国営メディア、CCTVはこのほど、中国のステルス戦闘機「殲20」が対馬海峡の飛行に成功したと主張した。(AP通信)

中国の国営メディア、中国中央テレビ(CCTV)の軍事チャンネルでこのほど、同国のステルス戦闘機「殲20(J-20)」が対馬海峡の上空を通過することに成功したと主張し、高い関心を集めている。対馬海峡は日米韓3カ国のレーダー網が高度に重なる空域であるため、実際に殲20が日韓の軍事当局に探知されることなく「ステルス飛行」を行ったか疑問視する声も少なくない。

これについて、台湾の軍事マニアコミュニティー「世界特種部隊與軍武資料庫(世界特殊部隊・軍事兵器データベース)」はフェイスブック(Facebook)の公式アカウント上で3つの可能性を挙げ、報道が事実だった場合、中国空軍の戦闘力が飛躍的に向上したことを意味すると指摘した。

香港の英字紙、サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)の報道によると、CCTVは先日放送された建軍節(人民解放軍の創設記念日)の特別番組内で、中国空軍の精鋭部隊「第1航空旅団」所属の戦闘機がバシー海峡および対馬海峡でパトロール任務を遂行したと伝えた。番組内では殲20の映像が複数回にわたり放映された上、第1航空旅団殲20が初めて配備された部隊の一つであることから、任務を遂行したのは同機と推測されている。

報道によれば、対馬海峡は東シナ海と日本海を結ぶ重要な航路であると同時に、米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)システムや、日米韓3カ国のレーダー網が高度に重なる戦略的要衝だ。しかし、今回の殲20の飛行について、日韓の防衛当局は何の発表も行っておらず、探知すらされていなかった可能性が浮上している。これにより、既存の防空レーダー網が最新鋭のステルス戦闘機を有効に追跡できるのか、外部から疑問の声が上がっている。

これについて、世界特種部隊與軍武資料庫は、「対馬海峡は朝鮮半島と日本の九州の間に位置する東アジアの重要な戦略的通路であり、日米韓が長期にわたり厳重に監視している」と説明。多角的な調査の結果、現時点で直接的な関係国である日本の防衛省および韓国の国防部は、防空識別圏(ADIZ)への不明のステルス機進入について、肯定、否定に関わらず、公式声明を一切発表していない。同様に、同地域に大規模な軍事力を展開する米国防総省も、本件については全くコメントしていない。 (関連記事: 【深層分析】中国ステルス機「殲20」開発の父・楊偉氏が失脚か 軍需産業を蝕む「構造的腐敗」と粛清の波紋 関連記事をもっと読む

中国によるプロパガンダの可能性

世界特種部隊與軍武資料庫によると、今回の事態について軍事アナリストは、大まかに3つの可能性があると指摘している。1つ目は、プロパガンダ戦の一環で、実際には飛行していない可能性だ。レーダーの航跡や写真、第三者による情報提供といった証拠が一切欠如していることから、中国による情報戦や心理戦の一環である可能性が考えられる。中国で経済面での圧力が高まる中、国内に向けては民族的な自信を高め、国外に対しては潜在的な対立国に圧力をかけ、その軍事力に畏敬の念を抱かせることがプロパガンダの目的だとアナリストは指摘している。

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